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農業・教育・文化・お祭りなど、日本人の失いつつある大切なものを復興するべくスタートした中小企業の経営者による「豈プロジェクト」。その活動の輪が広がっています。12月26日に開催される20回目の東京公演にも注目です!
日本の総企業数の99.7%を占める中小企業。その志高い経営者たちが日本のさまざまな社会課題を考え、自らアクションを起こしていく。そうしたユニークなプロジェクトが広がりを見せています。
そのプロジェクトとは、もともと企業研修を行う教育機関「World U Academy」で志経営に取り組む中小企業の経営者たちによる「豈(やまと)プロジェクト」と呼ばれるもの。
豈プロジェクトは、企業活動が停滞していた2020年のコロナ禍の間、有識者を招いて勉強会を行う中で立ち上げられ、農業・教育・文化・経済といった4つを柱に、日本の社会課題を中小企業自ら解決しようとスタートした社会貢献活動です。
とくに農業分野では、地方の耕作放棄地を有機農法で再生させる「神宝米プロジェクト」を栃木県塩谷町と提携。中小企業各社が地域の農家とともに育てた米を全量買い取り、会社給食やお中元・お歳暮、こども食堂へ寄付するといった活動は、各方面から評価され、「ソーシャルマーケティングアワード」をはじめとする数々の賞を受賞しました。その活動は、現在、福井県福井市、鳥取県鹿野町、兵庫県養父市にも拡大しています。
文化活動では、日本文化や祭りの復興・継承をテーマに掲げて取り組んだ和太鼓演奏が評価され、日光東照宮や出雲大社の奉納太鼓にも参加。
昨年からはドバイのブルジュパークにて開催された「Japan Culture-Con」を皮切りに、北極圏・サンフランシスコ公演・フィレンツェでの創生神楽への挑戦などその活動は国内に留まりません。
そして教育の分野では
「現在、私たちの活動の中でも広がりを見せているのが、会社を教育の場として農業や健康、医療問題などを学び合う『智恵のある生き方プロジェクト』です」
そう語るのは、豈プロジェクトを主宰する株式会社World U Academy代表取締役社長の仲村恵子さん。
豈プロジェクトの展開が日本の元気につながると実感した仲村代表は、さらに一般社団法人日本中小企業経営審議会を発足させ、教育に関する政策提言を行うなど、その活動を広げています。
日本中小企業経営審議会の賛同企業は現在1030社。「智恵のある生き方プロジェクト」は、毎月数回、その賛同企業に出張し、食料自給率低下や農薬の実態など、メディアが取り上げないような問題をテーマに考えていく勉強会です。
「智恵のある生き方プロジェクトは、私たちが手弁当で開催している活動です。1名3,300円で参加でき、勉強会には私たちが支援している農家でとれた『神宝米』や有機屋久島茶の試食も含まれています。企業だけでなく、学生や主婦の皆様など一般の団体やグループもOKですので、ぜひご参加ください」(仲村代表)
豈プロジェクトでは「地球で学ぶ」研修合宿も行っています。2024年2月にはメンバー11名がカナダ北部の町ホワイトホースから北極圏へ赴き、氷で覆われた北極海を歩いたり、北極圏に住むファーストネーション(先住民)の人々と文化交流を行うなど、貴重な日々を経験しました。
また、11月には、世界的に名高いIT企業が集まるカリフォルニア州シリコンバレーへの研修を企画し、ミリオネラやビリオネラと呼ばれる世界のリーダーたちと交流。彼らの子どもたちの教育環境を視察し、日本の子どもたちを取り巻く環境との違いを実感したといいます。
「私は世界一貧しいといわれるネパールの山岳部の学校を訪ねたことがあるのですが、その子どもたちの目がキラキラと輝いていたのを覚えています。驚くことに、シリコンバレーの子どもたちも、そのネパールの子どもたちと全く同じ目をしているんですよね。ものすごく元気で明るい子どもたちでした」(仲村代表)
その教育環境がどのようなものか尋ねると、シリコンバレーの小学校の教育環境は、昨今、IT教育の取り組みが進められている日本の学校とは真逆ともいえる違いがあったそうです。
「シリコンバレーの小学校は基本的に宿題やテストがありません。スマートフォンは禁止で持参する子どもは皆無。授業はすべて鉛筆での作業でパソコンは使いません。校内には木造の図書館があって、読書を非常に大切にしています。本を読むことで世界観を広げているわけです。また、スポーツは上手い子も下手な子も全員参加で、いわゆるヒューマンスキルやリーダーシップを学ぶことに力を入れています。今の日本の子供たちの読書量は以前に比べて減っていますし、今も受験勉強のような目の前の数字を追いかける風潮ですよね。何のために勉強しているのかわからなくなっている子が多いんじゃないでしょうか」(仲村代表)
彼らの生活環境にも驚きがあったそう。
「彼らの家は、周りが森のような木の生い茂る敷地の中に1軒1軒建っていて、自然の中で子どもたちが暮らしているような環境です。食事もすべてオーガニック。コンクリートのタワーマンションに大人も子どもも閉じ込められている日本人とは、やはり違います」(仲村代表)
一方、シリコンバレーのリーダーたちが日本の中小企業に関心を集めているのも事実。スタートアップの聖地と呼ばれるシリコンバレーでは、優秀なスタートアップ企業に投資したり社会貢献や慈善事業に対してドネーションで応援したりする文化が醸成されています。
「日本は大多数を占める中小企業がつねにしのぎを削っているわけで、一つの商品でもものすごく多様性があるわけです。小さいのに創業200年以上続くような企業も世界で一番多いですし、彼らにそうした話をすると当然興味を持つんですよね。豈プロジェクトには銀座の鮨店のメンバーもいるので、今回は鮨や有機の緑茶など伝統的な食文化も紹介して交流を深めましたが、彼らにとって日本の中小企業は未知の宝庫のようなもの。今後はシリコンバレーに日本中小企業経営審議会の参加企業をプレゼンしてつないでいく活動も行う予定です」(仲村代表)
そうした活動をつねにアップデートさせている豈プロジェクトですが、12月26日(木)には、恒例となっている年末の「2024 東京公演」が開催されます。
「日本の未来を、学び、考え、行動しよう」と題する講演会では京都大学の福島雅典名誉教授や政治家の大西つねき氏を迎え、ワクチンの実態や日本と世界経済の実情について深堀する特別講演が行われる他、一般社団法人フードトラストプロジェクト 代表理事の徳江 倫明 氏を特別ゲストに迎え、日本の有機農業について共に学びます。
第二部では、11月にサンフランシスコでの初のUSA公演、そしてイタリアフィレンツェでの挑戦を終えて帰国したばかりの和太鼓チームによる太鼓演奏や、中小企業の社員たちが企業の垣根を越えて活動するダンスチームによるダンスパフォーマンスが盛大に行われます。
豈プロジェクトの活動に興味を持った方、既存のメディアではなかなか報じられない日本の諸問題を考えたい方は、文京シビックホールへ足を運んでみてはいかがでしょうか。
【イベント情報】
■豈プロジェクト 東京公演
開催日時:2024年12月26日(木)14時~17時30分
開催会場:文京シビック 大ホール
ゲスト:徳江倫明氏(フードトラストプロジェクト代表理事)
特別講演:福島雅典氏(京都大学名誉教授・大阪大学招聘教授)、大西つねき氏(政治家)
詳細・チケット購入
https://yamato.world-u.com/eventlist/2423/
■日本中小企業経営審議会「智恵のある生き方プロジェクト」
勉強会開催スケジュール
https://japan-sbc.co.jp/chie-project/