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・肌のターンオーバー(新陳代謝)をサポートする
・メラニンの生成を抑制する
上記3点を意識した栄養摂取を心がけることで、肌の内側からサポートし、紫外線ダメージを防ぐことが大切です。
●Step3「ケアする」
紫外線を浴びた後のケアは、肌の健康を守るためにとても大切なこと。
まずは優しく洗顔をし、肌に残った紫外線の影響を取り除いた後、保湿クリームで肌をしっかりと守ることが基本のケア方法。
しかし、保湿ケアだけでは十分とは言えず、内側からのサポートも重要となってきます。
肌がダメージを受けた後にしっかりと回復するためには、質の良い睡眠が不可欠。
特に肌のターンオーバーを整え、アミノ酸の吸収をサポートしてくれる成長ホルモンは、しっかりと睡眠時間を確保しなければ十分に分泌されないため、最低でも6時間以上寝ることが重要。
分泌された成長ホルモンによって紫外線による肌のダメージは和らぎ、回復を早める秘訣と言えるでしょう。
紫外線から肌を守るためには、日々の食事でどの栄養素を意識して摂取するかが大切。
紫外線対策において基本となる栄養素は、どのような環境でも共通しているものの、生活環境によっては紫外線の影響の受け方には違いが出てきます。
そこで「紫外線に負けない肌づくり」に役立つ基本の栄養素に加え、生活環境に応じて優先的に摂りたい栄養素について、管理栄養士の篠原絵里佳さんが紹介しています。
●ビタミンA
ビタミンAは、紫外線などによる肌ダメージから肌を守る働きが期待される栄養素。
その中でも、ビタミンAの前駆体であるβ-カロテンには抗酸化作用があり、紫外線の影響で体内に発生する活性酸素を除去することで、細胞の酸化ストレス軽減に働く栄養素とされています。
これにより、肌の老化やトラブルの予防にもつながる可能性があるため、積極的に摂取したい栄養素と言えるでしょう。
β-カロテンは緑黄色野菜や果物などの植物性栄養素で、ビタミンAは主にレバーや卵、乳製品などの動物性食品に含まれているため、両方をバランスよく摂ることが大切です。
●ビタミンC
ビタミンCは、紫外線などによって体内で発生する活性酸素を抑える抗酸化作用を持ち、肌細胞の酸化ダメージを防ぐ働きが期待されます。また、コラーゲンの合成に不可欠な栄養素であり、肌のハリや弾力を保つうえでも重要な栄養素。
さらに、ビタミンCは免疫機能の維持にも関与し、紫外線などの外的ストレスによって低下しやすい肌のバリア機能を内側からサポート。
加えて、シミやくすみの原因となるメラニンの生成に関わる酵素「チロシナーゼ」の活性を抑えることにも役立つとされています。
ビタミンCは水溶性で体内に蓄積されにくいため、毎日の食事でこまめに摂取しなければ不足気味に陥りやすい栄養素。
果物や野菜など、調理せずに手軽に取り入れられる食品を活用しましょう。
●ビタミンE
ビタミンEは、細胞膜を守る強力な抗酸化ビタミンとして知られており、紫外線などによって体内で発生する活性酸素を抑えることで、肌の老化を防ぐ効果が期待されている栄養素。
また、血流を促す働きによって、肌のターンオーバー(新陳代謝)を整え、健やかな肌の維持をサポート。
特にビタミンCと一緒に摂取することで抗酸化作用が高まり、肌の健康維持により効果的に働くことが期待されます。
アーモンドや大豆、アボカドなどに多く含まれているので、ぜひビタミンCを摂れる食材と一緒に摂取するようにしましょう。
紫外線を浴びることで、肌の奥にあるコラーゲンやエラスチンなどのたんぱく質がダメージを受けやすくなります。
紫外線によってたんぱく質の分解が進んでしまうと、シワやたるみといった肌老化の原因となることも。
また、紫外線で傷ついた肌細胞を修復するには、良質なたんぱく質の摂取が欠かせません。
たんぱく質は肉や魚・卵・大豆製品などに多く含まれていますが、その中でも肌の代謝を助ける「ビタミンB2・B6」や、ターンオーバーを支える「亜鉛」を含むマグロ・カツオなどの赤身魚は、紫外線ダメージを受けた肌の回復をサポートする食材としておすすめです。
●都市部の紫外線環境とおすすめの成分「ビタミンB群/ビタミンE」
外的ストレスに対抗するためには、エネルギー代謝や皮膚・粘膜の代謝を助けるビタミンB群と、抗酸化作用で細胞膜を守るビタミンEが大切。
ビタミンB2は脂質の代謝を助け、皮膚や粘膜の再生をサポートする役割があるほか、抗酸化酵素の働きを支えることで、酸化ストレスから身体を守るサポートをしてくれます。
野菜や穀類などの植物性食品よりも、肉や魚などの動物性食品に多く含まれており、特に牛レバーは一回で摂れるビタミンB2の量も多いので、補給におすすめ。
一方、ビタミンB6はたんぱく質や脂質をサポートし、皮膚の代謝を助けてくれる栄養素。
また、神経伝達物質の合成にも関与し、ストレスへの抵抗力をサポートする働きもあります。
マグロをはじめとした魚の赤身・種実類・野菜類に豊富に含まれており、食品から摂り入れるほか、腸内細菌によって体内でも合成される栄養素なのだそうです。
●自然の多い地域の紫外線環境とおすすめの成分「リコピン」
リコピンは強力な抗酸化作用を持ち、紫外線によって発生する活性酸素を抑えることで肌へのダメージを軽減する働きが期待されている栄養素。
炎症を抑える作用も報告されており、日焼け後の赤みや違和感の軽減に役立つ可能性も期待されています。
リコピンは、代名詞とも言うべきトマトをはじめ、スイカ・ピンクグレープフルーツなどの食材に豊富に含まれており、自然が多い地域ではこうした食品を意識的に食事に取り入れることが重要。
また、何よりも大切なのはバランスよく食べること。
1日3食を基本に、毎食にたんぱく質を含めたバランスの良い食事を心がけることが、紫外線ダメージに負けない健やかで美しい肌を育てることの第一歩となります。
●篠原絵里佳先生のプロフィール
肩書:Health&Beautrition主宰、管理栄養士、他
総合病院、腎臓・内科クリニックを経て独立。長年の臨床経験とアンチエイジング(抗加齢)医学の活動を通して、体の中から健康と美を作る食生活を見出し、分かりやすく発信することを得意とする。
また、チーム医療に邁進する中で睡眠の重要性に気づき、睡眠改善インストラクター、睡眠健康指導士を取得。食事と睡眠の観点から健康と美容にアプローチする「睡食健美」を提唱している。
働く女性の健康サポート、プレコンセプションケアにも注力しており、フィーカレディースクリニックでは栄養相談・睡眠相談を担当。