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「弊社は産業廃棄物をリサイクルし、建設資材として販売するという事業を行っています。弊社が今回展示会に出展させて頂いている“RUSシステム”は、その中で燃焼灰と呼ばれるものをリサイクルし、お陰石(おかげいし)という人工石にして、それらと受け入れたコンクリートガラを混ぜて建設資材を作っています。」
と教えてくれました。
「燃焼灰でできるお陰石は、主に道路のアスファルトの下に敷く土台『路盤』を作るための『路床材』を作る商品として出荷しています。」
と説明。
ライバル製品としては、建物を解体した時に出るコンクリートガラをリサイクルして作った製品や、山を切り出したバージン材(天然資源原料の製品)があるそう。
「他社製品との優位性として、1つは価格が安く提供できる点。もう1つは、原料に灰を使用することでお陰石の材質がポーラス状(内部に多数の穴が空いている)のため、敷き詰めて均した際に強度が高くなるだけでなく、吸水性も他社素材の2〜3倍ほどと非常に高いことで、5倍以上の液状化強度を誇っている点です。」
と教えてくれました。
路盤材にバージン材を使用すると、天然資源を利用しているため施行中に草が生えてきてしまうこともあるそう。
「例えばソーラーパネルを設置する際の地面って、舗装しないんです。そうすると草がいっぱい生えてきてしまい、その草が覆いかぶさって発電効率が落ちてしまったりするので、悩まれている方も多いんです。弊社のお陰石を使った製品は灰が原料のため、殆ど草が生えませんので、こういったシーンで活用頂くこともあります。」
というメリットもあると教えてくれました。
また、お陰石にリサイクルする過程の化学反応で、大気中のCO2を消費するのだとか。
石炭由来・バイオマス由来のもので多少違いがあるそうですが、1トンの灰を処理するのに平均で20kg前後のCO2を吸収してくれるのだそうです。
木谷さんによると、
「発電所や製紙会社などから出る燃焼灰は、これまで埋め立てされていました。これを受け入れ、お陰石にリサイクルする処理を弊社では15年ほど行っています。しかし、それらの燃焼灰排出工場から、熊本・八代市まで運搬する必要があったんです。」
と、RUSシステム稼働に伴う悩みから、パッケージ化を進めたと説明。
「パートナー企業には資金投資・設備運営・お陰石の販売などを行って頂いております。一方弊社では事業運営において、システム導入・現地での燃焼灰の調達・プラントの設計・産業廃棄物の取り扱いの許可申請などを支援します。」
と事業モデルについても紹介してくれました。
取材当日もFKGコーポレーションのブースには多数の来場者が訪れ、木谷さんやスタッフの説明を熱心に聞かれている場面も。
「今年の10月〜11月頃に福岡県で新たにプラントが完成予定です。目標としては、各都道府県に1つはRUSシステムのプラントを設置したいと考えています。」
と将来の展望を語る木谷さん。
「ペットボトルなどのプラスチックも、企業から出ると“廃プラスチック”といった産業廃棄物になってしまいます。それをそのまま捨てて埋め立て処分されてしまうと、最終的に日本や世界の環境に悪影響を及ぼす可能性もあるので、再資源化することで地球を助けていく一助になってくると思います。ですので、もう少し産業廃棄物という言葉であったり、リサイクルや再資源化というものを、身近に考えて頂けるような情報発信というのも私たちはやっていきたい。産業廃棄物というものを、少しでも身近なものとして見て頂けるとありがたいと思います。」
と、産業廃棄物をもっと身近なものとして認識して欲しいと話してくれました。
また、新規事業を模索する企業に向けても、
「産業廃棄物を扱う事業は、気軽に手を出せるイメージがあまりないと思います。しかし、きちんと適正なことを行い、法を守ればしっかりと事業として成り立つビジネスです。従来行っている事業を拡張していく中でも、RUSシステムによる燃焼灰処理・再生ビジネスをぜひ検討して頂きたい。少しでも興味を持たれた方は、お気軽にご連絡して頂けると嬉しいです。」
とアピールしました。
今後は国内のみならず海外展開にも動いているほか、新たに「農業分野」「海洋分野」でも、RUSシステムに次ぐリサイクル商品開発に動いているそう。
産業廃棄物として埋め立て処理されていた燃焼灰を、道路舗装・災害復旧工事などで活用できる資材に生まれ変わらせるRUSシステムは、新たなリサイクルの1つの形として注目を集めそうです。
FKGコーポレーション:http://www.fukuoka-gouzai.co.jp/