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また、ビタミンCは体内で合成できない栄養素であり、水に溶けやすく熱に弱い性質も持つほか、体外への排出スピードが早いという特性も。
そのため、日々の食事でこまめに取り入れることが重要です。
ビタミンDは、殺菌作用を発揮する力をもつ「抗菌ペプチド」という成分を作る働きをし、体内に侵入したウイルスや細菌などに対して必要な免疫機能を助ける役割を担ってくれる栄養素。
風邪やインフルエンザ、気管支炎や肺炎などの感染症の発症・悪化の予防にも関与すると言われているほか、腸粘膜を修復する働きがあることから免疫に多大な影響力を持つ、腸にとってもなくてはならないビタミンです。
ビタミンDは鮭(サーモン)、イワシなどに含まれているほか、きのこ類や卵にも含まれていますが、きのこのビタミンDは鮭や卵のビタミンDに比べると吸収率が若干下がるそう。
ビタミンDは本来、太陽に当たることで体内で作られる栄養素で、必要量の約8割は太陽に当たることで作られており、食事から作られるビタミンDはせいぜい2割程度。
そのため太陽光には適度に当たるようにしましょう。
そして食べ物にも人と同じく、紫外線に当たるとビタミンDが増加する物が存在し、いわしの丸干しや乾燥きくらげなどが該当します。
特に乾燥しいたけは紫外線に当たるとビタミンDに変わる成分「エルゴステロール」が豊富。
干物を選ぶ際は、天日干しの食べ物を選ぶことが重要です。
ビタミンEは強い抗酸化作用を持つ脂溶性のビタミンで、体内の脂質の酸化を防ぎ、血管の健康維持に役立ちます。
一般的に抗酸化作用を持つビタミンとして知られていますが、免疫細胞を活性化させる作用もあり、体内に侵入してくる細菌やウイルスを防ぐ働きを持った、免疫力に欠かせない栄養素。
ビタミンEは卵やうなぎ、カボチャなど幅広い食物に含まれているため、食事がしっかり取れていれば比較的不足する可能性は低い栄養素ですが、近年はダイエットや多忙によって偏った食事をする方も増加しているため、ビタミンE欠乏症の方も意外に増えているそう。
また、ビタミンEは脂溶性ビタミンで、生で食べるよりも炒めものなど油脂と一緒に摂取する方が吸収率が高くなるほか、ビタミンC・βカロテン・ビタミンB2・セレンと一緒に摂ることで抗酸化力アップにも繋がるため、食べ合わせを意識してみてください。
亜鉛は体内で作ることができない「必須微量ミネラル」の一つで、体内に約2〜4gほど存在し、⻭・骨・肝臓・腎臓・筋肉に多く含まれています。
200種以上の酵素の構成や酵素反応の活性化、ホルモンの合成や分泌の調整・DNA合成・たんぱく質合成・免疫反応の調節などに作用し、身体の成⻑と維持に必要な栄養素。
また、体内に入り込んだ異物・ウイルス・細菌などを駆除してくれる「免疫細胞(自然免疫、獲得免疫)」が正常に成⻑し、機能するようになるまでをサポートしてくれる為、免疫力維持に欠かせないほか、活性酸素を除去する酵素の働きを助けることも明らかになっています。
亜鉛の含有量が多い食材として挙げられるのが、牡蠣・からすみ・牛肉など。
高級食材やあまり手に入らない食材に含まれていることが多く、1日の摂取推奨量は30歳〜49歳の男性で11mg、女性で8mgと言われている中、実際の摂取量は平均して1日に8mgと少なく、日本は先進国で唯一亜鉛欠乏者が10〜30%もいることが報告されています。
亜鉛の吸収を高める栄養素として動物性たんぱく質・クエン酸・ビタミンCが挙げられるため、肉・魚・卵・牛乳・柑橘類などの食べ物と一緒に亜鉛を摂取しましょう。
またアルコールで失いやすい栄養素でもあるため、飲酒時に牡蠣のオイル漬けや缶詰をおつまみに常備しておくことをおすすめします。
今回の情報を教えてくれた赤坂ファミリークリニック医院⻑の伊藤明子先生は、
「感染症だけでなく、様々な不調になりやすい冬。前述の栄養素以外ではたんぱく質が大切ですので、朝食からしっかり3食、たんぱく質を手の平いっぱい程度、卵・魚・肉・大豆食品を摂れるようにしたいものです。たんぱく質は食事誘発性熱産生(食後の体温上昇)が高い栄養素のため、特に手足や腰が冷える方や、体温が低めの方は積極的に摂りましょう。」
と栄養摂取についてアドバイスをしたほか、
「また、食事・栄養だけでなく、十分な睡眠も免疫維持に重要です。大人でしたら7時間以上(子どもは年齢によりますが9〜11時間)が必要です。睡眠時間の⻑さだけでなく、生活リズムが乱れると腸内細菌叢のバランスも崩れて免疫低下につながるので、規則正しく早寝早起き朝ごはん、そして運動がお勧めです。
寝不足・食生活の乱れはグローバルなトレンドでは“ダサいこと”ですので、デキる大人として子どもに見本を示して健やかな冬を過ごしてください。」
とコメントしました。
●伊藤明子(いとう みつこ)先生のプロフィール
医師になる前から同時通訳者として天皇陛下や歴代首相、米国大統領の通訳を務め、現在も医学系会議を中心に活動。通訳の仕事をしながら2児をもうけたあと、40歳で医学部を受験し医師に。
食を医学的な観点から研究しており、海外の学術論文から日々最新の情報をアップデート。一般診療に加え、栄養・食事療法、ストレス管理、(バイオフィードバック・ニューロフィードバック)での診療を行っている。
わかりやすい説明と親しみやすい人柄で信頼は厚く、メディア出演も多い。東京大学医学部附属病院医師。社会医学系専門医。赤坂ファミリークリニック医院⻑。
ぜひ上記を参考に、普段の食生活から摂取する栄養素を気にしてみてください。
しかし、毎日の仕事や家事などで忙しかったり、物価高騰で高含有食材を定期的に食べることができないということも起こってしまいます。
食事だけで栄養素を補うことが難しい場合は、サプリメントなどを上手く活用することも選択肢に入れ、免疫のサポートを行ってみてはいかがでしょうか。
栄養素についてさらに詳しく知りたい・学びたいという方は以下WEBサイトをご参照ください。
日本のこれからの健康と栄養素についての正しい知識づくりをサポートする
WEBサイト『大塚製薬 栄養素カレッジ』
URL:https://www.otsuka.co.jp/college