世界の国別のコーヒー消費ランキングでトップ5に入るほどコーヒーが好きな日本人。

しかし、気候変動に伴った不作や円安・新興国での需要増大が影響していることもあってコーヒー豆が高騰し、コンビニやコーヒーショップ・メーカーが値上げをせざるを得ない状況となっています。

この原料の不作や需要増加による高騰が、私たち日本人にとっても馴染み深いスイーツである「チョコレート」にも同様の事態が起こっていることをご存知でしょうか。

 

カカオが銅以上の金額に!?チョコレートの値上げも時間の問題か

チョコレートの主原料であるカカオ豆の価格が、この1年あまりで高騰しています。

アメリカのNASDAQでは、2023年6月1日の終値で1トンあたり3,008ドルだった価格が、2024年4月1日の終値で10,120ドルとなり、金属の「銅」の約9,000ドルを上回り話題となりました。

2024年6月12日の終値では10,539ドルとさらに価格が上がっており、カカオ豆の価格はこの1年で約3倍の値上がりを見せています。

値上がりの主な原因として真っ先に挙げられるのは、天候不順によるカカオの不作。

西アフリカのコートジボワールとガーナは、長年に渡って世界のカカオ豆生産の半分以上を担っているのですが、国際カカオ機関(ICCO)のレポートによると、2023/2024年収穫期のシーズン開始以来、カカオ豆の集荷量はコートジボワールで前シーズン同期比で35%減、ガーナではなんと51%減と半分以下となっているのだとか。

さらに、その他の値上がりの原因として、中国やインド等の新興国でチョコ需要が増大していることを指摘する声も出ています。

 

カカオの高騰でチョコレートが貴重な食品に?

カカオ豆の価格高騰は、カカオ豆を原料とするチョコレートの価格や供給量に大きく影響すると考えられ、今すぐには変化がないかもしれないものの、数ヶ月後にはチョコレート製品の価格の値上がりや、商品が品薄になる可能性も考えられるでしょう。

今後は簡単には手を出せないような、貴重な食べ物になってしまう可能性も出てきたチョコレートですが、実は身体にプラスになる食べ方が注目されています。

 

チョコレートで血糖値の上昇をゆるやかに!

人の体は食後に血糖値が上がり、この血糖値を調整して下げるために膵臓から「インスリン」というホルモンが分泌されるのですが、このインスリンには余ったエネルギーを脂肪として蓄えようとさせる働きがあるため、太りにくくするためには血糖値を出来るだけ上昇させず、インスリンを出させないことが重要となります。

食物繊維を多く含む食べ物を食前に食べると、糖質の吸収を抑え血糖値の上昇をゆるやかにする効果が期待されることは知られていますが、実は「大人のダイエット研究所」では食物繊維たっぷりの高カカオチョコレートを食後に食べた場合でも、血糖値の上昇がゆるやかになる試験結果を発表しています。

この試験では、健康な20~50代の男性18名に「市販のカップラーメンを1個のみ摂取」と「カップラーメン摂取15分後に高カカオチョコレート(3個)を摂取」の2パターンの食事を規定の時間で食べてもらい、食後の血糖値を経時的に測定し、血糖値(平均値)の時間経過による変化を調べたところ、血糖値の上昇を抑えることが明らかとなったそう。

食前だけでなく、デザート感覚の食後に摂取することでも大丈夫と、好きなタイミングで高カカオチョコレートを3つ程度摂ることで、血糖値の上昇をゆるやかにしてくれる効果が期待出来るとのこと。

太りにくい身体を目指すには、血糖値の上昇を抑える食品を摂ることが大切ですが、その1つが高カカオチョコレートなのです。

管理栄養士で、上述した 「大人のダイエット研究所」の代表理事を務める岸村康代さんは、

「大人のダイエット研究所の試験結果では、食後に高カカオチョコレートを3つほど食べるだけで、食後血糖値の上昇をゆるやかにする効果が期待出来ることが判明しています。また、高カカオチョコレートには、ごぼうの約3倍ほどの食物繊維が含まれるため、便秘予防や脂質の排出を助ける働きも期待出来ます。」

とコメントしています。

 

カカオ豆の高騰により、今後コーヒーのように値上げが懸念されているチョコレートですが、ただの嗜好品・スイーツというだけでなく、健康にも寄与する働きが期待出来る食品でもあります。

ぜひ食後などに高カカオチョコレートを食べる習慣をつけ、太りにくい体づくりを目指してみてはいかがでしょうか。

情報提供元: TORSO JACK
記事名:「 カカオ豆の価格高騰でチョコレートが値上がりするかも!?美味しいだけじゃないチョコレートの効果とは