体の代謝が落ちたりや運動不足になったりすると、一日の終わりに足がむくんでいるという方も多いはず。そんな時「リンパ」というワードを耳にしませんか?実はリンパはむくみだけでなく、私たちの免疫システムにも影響を及ぼしています。この連載では、リンパ×ヨガの視点からヘルシーボディーで日々を過ごすための方法をみていきます。第1回は、リンパのメカニズムとお手軽マッサージのご紹介です。


そもそもリンパって何?

リンパと言えば皆さんは何を連想しますか?「むくみ」「体の中にある液体」「なんだかわからないけどダイエットに良さそう」など、これといって特定はできないけど美容のイメージが多いのではないでしょうか。
今書いたことは全部当たっています。ですが、この連載では“知っていると美容以外にもいいことづくしのリンパ”についてお話しをしていきます。
リンパとは『リンパ(線)節』『リンパ管』『リンパ液』のなどのリンパ系を総称して『リンパ』と呼んでいます。
リンパを説明する時に『リンパ節』は主に駅になぞらえます。新宿駅や東京駅のような大きな駅から線路となる『リンパ管』が枝分かれして通っており、『リンパ液』を運んでいます。

リンパの役割はパトロール&デトックス

毛細血管に似て足先指先まで細かく張り巡らされているリンパ管ですが、血管とは違い心臓のポンプの影響や弁がありません。そのため、主に一方通行の流れになりやすいのが特徴。
さらに、リンパの方が血管よりも皮膚に近いところに存在し、かつ血管の2倍以上の長さがあります。ところが血流の半分ほどのスピードでゆっくり流れているため、冷えや運動不足の影響を受けて循環が滞りがちです。
全身を流れるリンパ液は、毛細血管から溢れた水分からできており、体の隅々を巡りながら体内の老廃物や細菌、ウイルスを『最終的なゴミ置場』にあたる鎖骨リンパ節へと押し流すのが役割。
つまり、リンパの役割はパトロールとデトックスなのです。ですが、リンパの流れが悪くなると不要なものをスムーズに排出できなくなり、むくみや免疫力低下などを引き起こす原因になってしまいます。

リンパの流れをスムーズにするにはマッサージと意識的で上質な呼吸が大切

リンパを上手に流すのにうってつけなのは、リンパマッサージと深い呼吸の組み合わせです。今回は手始めに主に鎖骨から上のリンパマッサージをお伝えします。
のぼせない程度に暖かい環境(ホットヨガのレッスン前やお風呂に浸かりながら)で鎖骨リンパ節から優しくドレナージュ(撫でるように優しくさする)を始めましょう。
特に上半身の首より上はリンパ管、主要リンパ節が多数存在します。さすりながら上質な呼吸を意識します。鼻から息を吸って吐く呼吸をゆったり行い、時にはため息をつきながら、体を硬直させずに収縮と弛緩を味わいつつ、ドレナージュ中もマッサージ中も深い呼吸を行うのがポイントです。

1.耳周りのリンパマッサージ

鎖骨リンパ節から顎、耳たぶ下の窪みを下から上へと流していきます。顎下リンパ節、前後耳介リンパ節、耳下腺リンパ節が距離を置かず存在している耳周辺は、円を描くイメージで優しくマッサージをしましょう。

2.目の疲れ、首肩コリに効果的な首のリンパマッサージ

首の後ろの頭蓋骨との境目の窪みにある後頸リンパ節は、少し頭を下げて前後に拳で優しく撫でます。首の後ろは目の疲れにも影響されやすく首こり肩こりの原因の滞りもなるため、一緒に流してしまいましょう。
生活スタイルや食事面から肩コリを解消する方法にも興味がある方は「プロが教える!アーユルヴェーダの肩コリ腰痛解消法」もご覧ください。

3.仕上げのリンパマッサージ

最後に、今触ったところを全て触れながら、首を通って鎖骨リンパ節へと流すようドレナージュをします。これだけでも顎周りはスッキリし、口角も上がりやすく、首回りが楽になったのを感じられます。
顎周りのリンパの滞りは二重アゴや顔のたるみの原因になるとも言われているため、朝起きて顔を洗う際にマッサージするのもおすすめです。
すっかり秋らしさが伺えるこの頃です。季節の変わり目は何かと不調が出やすいもの。特に、寒くなってくると滞りやすいリンパもセルフケアしながら、心にも体にも潤いのある秋を楽しんでくださいね。
次回はさらにリンパマッサージとヨガの効果について書いていきます。

情報提供元: Tonoel
記事名:「 【連載リンパ×ヨガ 1】全身を流れるリンパの役割とは?