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春を思わせるような暖かい日が続いたと思ったら、また急に真冬の寒さに逆戻り。そんな季節の変わり目は何かと不安定になりやすく心身のバランスを崩しがちです。慢性的な疲労や肩こり、頭痛、不眠、集中力低下など、どうも不調が続くなと感じたら、それは“冬バテ”のサインかもしれません。実はこの冬バテ、放っておくと自律神経のバランスの乱れや抑うつ状態を引き起こす恐れがあるのだとか。まだ認知度も低く自覚がない人も多いという、冬バテの原因や対策法についてご紹介します。
寒さが厳しい冬になると、なんとなくやる気が出ない、体の調子が悪いなど、漫然とした不調が表れる症状で、“冬季うつ”や“ウィンターブルー”とも呼ばれます。夏バテや秋バテと並び季節の変わり目に体調を崩す「季節性感情障害」の一つで、冬になると調子が崩れてきて、春になると自然に回復するという特徴があります。
寒暖差が10℃以上になると自律神経に影響が出て、交感神経と副交感神経のバランスが崩れやすくなります。冬の昼夜の寒暖差は10℃以上ある日も少なくなく、暖房のきいた室内と屋外との温度差も夏より大きいことから、より体への負担が生じることになります。また、寒い環境下では交感神経が優位に働き体は必死に体温を上げようとするため、常に交感神経が活発な状態となり体は疲れやすくなります。
陽射しが弱く、日照時間も短い冬。そのため、太陽の光を浴びることで体内で分泌される、幸せを感じるホルモン・セロトニンの分泌量が減少し、気分が沈みがちになったり、気力が薄れやすくなったりします。
年末年始の忙しさから休む暇なく、年度末に向けまた何かと慌ただしさが続いていくこの時期。心と体の休息時間を十分に取れない状態で走り続ければ、疲労は確実に体内に蓄積し、その結果心身の不調を引き起こします。
述したようにセロトニンは「幸せホルモン」と呼ばれる神経伝達物質で、分泌量が不足すると精神不安定や不眠などを引き起こし、結果的に自律神経のバランスを崩す原因になります。太陽の光を浴びることにより体の中で分泌されることから、起床後はすぐにカーテンを開けるなどの工夫を。そのほか、体内でセロトニン生成を促すアミノ酸の一種・トリプトファンを多く含むバナナやチーズなどの食材を積極的に食べるようにしましょう。
外出の際は、体が冷えないようしっかりと防寒対策を。特に、筋肉量の少ない首・手首・足首の3箇所を意識的に温めることで熱が体の外に逃げてしまうのを防げます。また、就寝前にはシャワーだけで済ませず、湯船に入って体を芯から温めることも大切です。38~40度のぬるめのお湯に長めに浸かれば副交感神経の働きが高まって心身ともにリラックスできます。
根菜類などの体を温める作用のある食材を積極的に取り入れましょう。生で食べるよりも煮る・焼くなどして食材に熱を加える、トウガラシや生姜、シナモンなどのスパイスを活用するなど調理の際も一工夫を。自律神経の働きを整えるのに役立つ成分・γ-オリザノールを含む玄米もこの時期は特におすすめです。
冬だからといって運動をしないでいると、筋肉量が落ち体温が下がる原因に。おすすめなのは室内でもできるヨガやスクワット、階段の上り下りなどで、適度な運動を続けると血行が促進され、自律神経のバランスを整えることができます。寒さで体が前傾して猫背になったり、筋肉のこわばりを感じたりする時は、胸を広げてゆっくりと深い呼吸をして意識的にリラックスすることを心がけましょう。
それぞれの色には特有のイメージや心理的効果があり、意識的に活用することで感情に働きかけることができます。冬は周りの風景や色彩が乏しくなりがちなので、部屋のインテリアや洋服、小物などに明るい色を積極的に取り入れて、気分も華やかにしましょう。赤やオレンジなど暖色系の色には体温を上昇させる効果もあるため、寒い時こそ取り入れてみては。