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社会人になると、毎日の仕事や家のことに追われ、ふと気がつくと1日が終わっているという人も多いのではないでしょうか。そんな忙しい日々のなかでも、「学びたい」「何か新しい知識を身につけたい」と感じる瞬間は少なからずあるはずです。実際、日研トータルソーシング株式会社が行った調査によると、社会人の約9割(90.8%)が「勉強は必要だと思う」と答えていることが分かりました。
では、実際に勉強をしている人はどれくらいいるのでしょうか?その問いに対する答えは、少し現実的なものでした。調査によると、社会人の約4割は勉強をしていないという結果が出ています。
さらに、勉強していると答えた人でも、週あたりの勉強時間が「1時間未満」という人が6割以上を占めるというデータもありました。
「勉強の必要性はわかっている、でも時間がない」「やらなきゃと思いつつ、つい後回しにしてしまう」――こうした声が聞こえてくるような数字です。理想と現実のギャップに、多くの人が悩みながら日々を過ごしている様子が、この調査から見えてきます。
では、実際に勉強をしている社会人は、どんなことに取り組んでいるのでしょうか。調査結果を見てみると、最も多かった回答は「お金・資産運用・投資」でした。次いで「国家資格」や「語学」、「趣味関連」「その他の資格」などが続いています。ライフプランを見直したり、副業や老後の準備を考えたりと、身近なお金の知識を深めたいというニーズの高まりがうかがえます。
また、「国家資格」や「語学」などのスキルアップ系の勉強も根強い人気がある一方で、「趣味関連」といった分野も一定の支持を集めているのが印象的です。仕事のためだけではなく、自分の興味や楽しみのために学ぶというスタンスも、今の時代らしさを感じさせます。
では、なぜ人は勉強を始めるのでしょうか。その理由として最も多かったのが、「自分の知見を広げるため」でした。次いで「資格取得のため」「関心が高い分野(趣味・教養目的)」という結果に。一方で、「仕事に必要だから」といった理由は、いずれも3割未満にとどまりました。
かつては「勉強=キャリアアップ」のためというイメージが強かったかもしれませんが、今は仕事の成果に直結しなくても、自分の世界を広げるために学ぶ人が増えているのかもしれません。「学び」は“やらなければならないもの”から、“自分の人生を豊かにする選択肢のひとつ”へと、少しずつ変わってきているようです。
勉強の必要性を感じながらも、なかなか手をつけられない。その背景には、どんな理由があるのでしょうか。調査では、社会人が勉強をしない理由として最も多かったのが「時間がない」という声でした。次いで「勉強する理由がない」「興味がない」と続き、「何を頑張れば良いか分からない」といった意見も見られました。
忙しい毎日の中で、自分のための時間をつくるのは簡単ではありません。ましてや、その時間を“勉強”にあてるとなると、ハードルはさらに高く感じられるかもしれません。スマホを見ていたらあっという間に寝る時間、という人も多いのではないでしょうか。
さらに、勉強をしていない人のうち「勉強したいと思っている」のは4割未満という結果も出ています。必要だとわかってはいても、今の生活にそこまでの“意欲”を持てないという現実も浮かび上がっています。
こうした声を見ていると、「学びたいけど、行動に移せない自分」に少しホッとする人もいるかもしれません。学びの価値はわかっているけれど、まずはその一歩が難しい。そんな“モヤモヤ”を抱えながらも、日々を頑張っている社会人の姿が、調査結果のなかには確かにありました。
【調査概要】
調査対象:19~65歳の社会人800名
調査方法:インターネットを用いたアンケート調査
調査期間:2025年1月29日~1月30日
今回の調査を通して見えてきたのは、社会人の多くが「勉強は必要」と感じながらも、思うように行動に移せていないというリアルな姿でした。忙しさのなかで後回しになってしまう気持ちや、何から始めればいいか分からないという戸惑いは、誰しもが一度は感じたことがあるのではないでしょうか。
とはいえ、「シャカチカ(=社会人になって力を入れていること)」は、必ずしも資格取得や専門的なスキルだけを指すものではありません。読書や趣味、健康管理など、日常の中で自分なりに意識して取り組んでいることも、十分に“頑張っていること”といえるはずです。
今回の調査結果は、社会人それぞれが持つ「頑張っていること」を見つめ直すきっかけとして参考になりそうです。学び方や取り組み方に正解はなく、自分にとって無理なく続けられることが、日々の充実感にもつながっていくのかもしれません。