- 週間ランキング
一時期、炭水化物をはじめ糖質を多く含む食品をハードに制限する食生活が注目されたことがありました。ですが、健康事業マーケティング部の福永氏はこの傾向に警鐘を鳴らします。
「糖質は人間の脳や身体を動かすためのエネルギー源でもあります。極端に失くしてしまうと、1日に必要な栄養が不足し身体に影響が及びます。しかしその一方、摂りすぎてしまうと脂肪として蓄積されるという懸念も」まったく摂らないのもダメ、摂りすぎもダメ……。となると一体どうすれば良いのでしょうか。福永氏は続けます。
「心も身体もずっと健康な社会を目指すグリコは、『食・楽・健康協会』が提唱する“適正糖質”という概念に着目。これにもとづき2017年より『SUNAO』シリーズの発売に至りました」一般社団法人「食・楽・健康協会」は、科学的根拠に基づき“おいしく、楽しく食べて、健康に”を現実化していく活動をしています。ではその協会が提唱する“適正糖質”とは?
「一食分の糖質量を、朝食、昼食、夕食それぞれ20~40g以内、間食をするなら10g以内に抑えて、1日に合計70~130g内に抑えていくという考え方です」(福永氏)
そんな糖質量コントロールの手助けをしてくれるのが「SUNAO」シリーズです。カップアイスやビスケットといった間食から、乾麺パスタ・ソースに冷凍パスタなどの主食まで幅広くラインナップされています。
「健康意識の高まりとともに、食事やおやつ選びで糖質量を気にするという方も増えてはいます。ですが、糖を我慢するのではなく、“糖質と上手に付き合っていく”という考え方をSUNAOブランドがサポートできればと考えております。」
ここで、“適正糖質”で楽しめる2品のアレンジレシピメニューが紹介されました。本格的なイタリア料理ながらも、“適正糖質”を叶えた夢のようなレシピです。 パスタは1人分80gを使用した場合、糖質量は23.1g。そして、100gの豚ヒレ肉を使用した「豚肉のインボルティーニ」の糖質量は、なんと0.4g。合計糖質量は23.5gとなり、2種類食べても、一食分の“適正糖質”20~40g内におさまります。
アレンジレシピ開発を手がけたのは、14年連続ミシュラン一つ星獲得の麻布十番にあるイタリア料理店「ピアット・スズキ」鈴木オーナーシェフです。レシピ開発にあたり、鈴木シェフが意識したこととは?
「イタリア料理って基本的に低糖質なんですよ。糖質が高いと言われるものはパンとパスタくらいで、それ以外は肉や魚、チーズ、ハム類などの低糖質な食材を使います。今回のアレンジレシピについては、パスタはSUNAOの『もっちりパスタ』が糖質をカットしてくれているので、お店で作るパスタソースに合わせたっていうだけなんですよね(笑)。また豚肉料理は、そもそもお肉がタンパク質で糖質が少ない食材なので、メニューに加えました」こう謙虚に語る鈴木シェフでした。
では、2つのお料理のお味は……?
ズッキーニとバジルの~SUNAO~パスタ
「バターとチーズをベースに塩で仕上げる『アル・ブーロ』というシンプルなパスタ料理が基本です。味の決め手には、今回は塩を使わずパンチェッタという生ハムの一種を使いました。そして、食物繊維の野菜を加えることでより低糖質なレシピになるのでは、と思いズッキーニを加えました」(鈴木シェフ)
「『SUNAOもっちりパスタ』は、デュラム小麦粉ともち大麦粉を独自のバランスで配合し、もっちりした食感を実現。糖質60%オフにくわえ、日本人に不足しがちな食物繊維がレタス10個分と、健康に配慮したパスタ麺です」(福永氏)
弾力ある麺とコリコリのズッキーニ、そして細かく刻まれたパンチェッタは塩気がちょうどよく、シンプルな味付けの中にいろいろな食感を楽しめる満足感の高い一皿です。
豚肉のインボルティーニ
「豚ヒレ肉はお肉の中でも脂分が少ないので、糖質だけではなく脂質もおさえられます。味付けには塩漬けのケッパーやアンチョビ、そして赤ワインビネガーを使いました。保存食である塩漬けの食材は、塩気と素材の成分が溶け合い、奥深いうまみが出ます。それを料理に落とし込んでいくと、塩だけで味付けするよりも格段と美味しくなるんですよ」(鈴木シェフ)
加熱と休ませる工程を何度か繰り返し、手間をかけてじっくり焼き上げられたお肉は、しっとりやわらか。ソースはうまみのコクと酸味が絶妙で、さっぱりした後味です。添えられたクレソンのほんのりした苦みもいいアクセントになっています。
SUNAO Special<バニラ>
デザートには「SUNAO」シリーズのアイスクリーム「SUNAO Special<バニラ>」が登場。こちらも糖質9.9gですので、先ほどのお食事にプラスしても“適正糖質”で食べられます。
「全卵やロースト食物繊維といった低糖質な素材にこだわりました。はちみつなどの濃厚な味わいに寄与するようなおいしさの素材をしっかり活用することで、糖質50%オフと濃厚な美味しさを両立した商品です」(福永)
なめらかで濃厚な味わい。普段食べているバニラアイスにひけをとらないおいしさです。
「アレンジとして、アイスの上にアツアツのエスプレッソをかけた『アフォガード』がおすすめ。エスプレッソの苦みにより、バニラの香りや深みがより引き立ちます」(鈴木シェフ)
鈴木シェフがオーナーをつとめる「ピアット・スズキ」では、ご紹介した“適正糖質”メニューを期間限定で提供しています。また、ご家庭でも作れるメニューレシピが『dancyu』公式サイトにて公開されています。
お店で、ご家庭で。ぜひ“適正糖質”メニューを楽しんでみてはいかがでしょうか?
【「ピアット・スズキ」“適正糖質”コラボメニュー】
提供期間:1月31日(金)~2月14日(金)
店舗:ピアット・スズキ
住所:〒106-0045 東京都港区麻布十番1-7-7はせべやビル4F
TEL:03‐5414‐2116
営業時間:18:00~24:00
休業日:日曜・祝日の月曜
『dancyu』公式サイト コラボメニューレシピ
https://dancyu.jp/recipe/2025_00009432.html
「糖質は、炭水化物から食物繊維を除いた栄養素です。炭水化物に含まれる糖質というと、ご飯やパン、パスタなど主食のものというイメージが強いと思います。ですが、実はそれだけではありません」こう切り出すのは、管理栄養士の吉野愛さん。
「糖質は、はちみつやお砂糖などの甘味料にもたくさん含まれています。また、芋やレンコン、トマトなど、糖質が高い野菜は意外と世の中にたくさんあります」
吉野さんはこれをふまえた上で、例を挙げて食材に含まれる糖質について説明します。
「焼き魚に小鉢、サラダ、ご飯に味噌汁、お漬物といった和定食は一見ヘルシーに感じますが、糖質は約75g。“適正糖質”一食分の上限40gを大幅にオーバーしています。この中で糖質量が一番多いのはご飯というのはその通りなのですが、小鉢のひじき煮に使われる砂糖や甘味調味料、それにサラダや味噌汁、漬物の野菜、そして大根おろしも糖質が多く含まれます。食べて甘みを感じるものは、やはり糖質が多く含まれているということなのです」
たとえ魚メインの和食でも、糖質は意外とさまざまな食材や調味料にひそんでいるようです。これでは一食40gの壁はとうてい超えられそうにありません。では、上手に糖質量コントロールをするには、普段の食生活の中で何を心がければいいのでしょう。吉野さんはこう答えます。
「ご飯の量を減らしたり、もち麦を混ぜたりなどの調節を。調味料は糖質が少ない調味料を活用すると良いでしょう。鈴木シェフのズッキーニを使ったパスタ、脂質や糖質の低い豚ヒレ肉料理のように、ごはんの量を減らした分タンパク質や野菜たっぷりのおかずでボリュームアップしましょう」
また、食べる順番も重要だと吉野さんは続けます。
「先に野菜やタンパク質を食べた後に主食類を食べると消化吸収がゆっくりになるので、太りにくい食べ方ができます。カーボラストですね。あと、“適正糖質”で一番重要なのは、ストレスをためないこと。無理しすぎないで取り組むことが大切です」
「糖質はデブのもと」という言葉にふりまわされて過度な制限で不健康になるよりも、ストレスをためずにおいしく食べて健やかに過ごせるのが理想ですよね。
新しい年の始まりは、食生活を見直す絶好の機会かもしれません。
「SUNAO」シリーズや鈴木シェフ考案レシピを活用して、上手な糖質量コントロールを心がけてみてはいかがでしょうか。
グリコ『SUNAO』公式サイト:https://cp.glico.com/sunao
【鈴木弥平 プロフィール】
「ピアット・スズキ」オーナーシェフ
茨城県生まれ。19歳でイタリア料理の道へ。23歳で渡伊。4年の修行を経て帰国後「ヴィノ・ヒラタ」シェフに就任。2002年「ピアット・スズキ」を開業。14年連続でミシュラン一つ星を獲得
【吉野愛 プロフィール】
管理栄養士・フードコーディネーター
企業と共同で健康メニューなどの開発に携わるほか、コラムの執筆など幅広く活動を行っている。2児の母
<取材・撮影・文/櫻井れき>