- 週間ランキング
僕自身、声優の仕事にとても興味があったので、前のめりで「ぜひやらせてください!」という返事をさせていただきました。今までの声優経験は、自分が出演していた“スーパー戦隊シリーズ”のゲーム版で自らの役の声を収録した事がありました。ただ今回は完全新作ゲーム「スローン・アンド・リバティ」に登場するルテイン(青年の魔法使い)というキャラクターという事で、キャラ設定が一切ないところから声を作り上げるというものでした。
今回の収録は、「スローン・アンド・リバティ」の世界観と、ルテインのキャラクタービジュアルを見て、まずは声をイメージしていくという作業から始まりました。セリフから自分なりにそのシーンを想像したり、監督からこういった感じでやってみよう、というすり合わせを行いながら進んでいきました。
あとは、各セリフのフレーズの時間(尺)も決まっていたので、自分のセリフを時間内に合わせる作業も難しかったです。
舞台やドラマだと、セリフはもちろん表情や全身で表現したりしますが、声優さんは、その人の声だけでキャラターの全く違う感情を表現されるので、すごいなと思っています。
例えば“セリフをしっかり発声しない”ことが表現方法の一つだったり、声色が明るくても実は心の内は傷ついているといった場面を表現しなければいけなかったりするので、声だけで表現するという難しさをすごく感じます。
僕は頭の中でイメージして、いざマイクの前に立ってセリフをやってみても、役にフィットさせるまでの余裕がなかった時がありました。そこは自分がまだまだ足りてないところだなと思います。
僕は自分の元々持っている感情や経験したものを膨らませて近づけていく作業を心掛けています。自分が思ったことも経験したこともない感情で表現するとすごく嘘臭くなってしまうのかなと思うので…。 声の仕事に関しては、まだまだ分からないことだらけですが、総じて演じることでというと、その物語を1つ1つのセリフで紡ぎ、プレイされる人や視聴者に届けるということが必要だと思うので、そこは大事にしていきたいと思っています。とてもやりがいのある貴重な経験でした。
今回、2回にわたって収録をしたのですが、全部で約366種類のセリフやフレーズでした。 2回目の収録で新しく追加された台詞に「魔術師(まじゅつし)」とか「魔術図式(まじゅつずしき)」とか、すごい噛みそうなセリフがふんだんに追加さてれいて、、、思わず僕は試されているのではないかと感じてしまいました(笑)。すごく練習しましたし、印象深かったです。プレイしていただいた時には、ぜひそこにも注目して聴いてほしいです。
ゲームの世界観やキャラクター、武器アイテムを見させていただきましたが、僕は断然「大剣」です!いろんな属性のキャラクターがいる中で、昔から大剣使いが好きなんですよ。重い剣をブンブン振り回すキャラがすごい好きで、スマブラなんかだとアイクをずっと使っています。動きは遅いがあたると強烈っていう、豪快かつ爽快感溢れるキャラが好きなんです。
たまに無性にやりたくなりますし、何かに没頭したいときにやります。ハマる時はすごくハマります。ジャンルレスで、色々なゲームに挑戦したい派です。特にストーリーを楽しむものが好きなので、ストーリーモードだけをプレイする事も多いです。
ストーリーを進めていくと自分がキャラクターに感情移入して、自分がそのキャラクターになったように感じますし、それがゲームの魅力だなって思うんです。アニメのようにいろんな視点で物語が紡がれていくのもすごく好きなんですけど、ゲームだと自分の手で敵を倒していったりとかするので、自分が本当にそのキャラクターになったつもりでストーリーの厚い展開にのめり込める瞬間があるなとすごく感じます。
ゲームは昔から好きでした。ゲームをやっていて、そのストーリーを自分の手で攻略していくという体験をしていくと、感受性や物語を読み解く能力とか、そういうものが育つ気がしするんです。
僕は「自分がそのキャラクターになりきる」というのが好きなのかもしれないです。その物語の中で敵を倒して喜んだり、やられて嘆いたりと、作品に没入するのがもしかしたらすごく昔から好きだったのかも。だから今の仕事にすごくやりがいを感じているのかなって、今の質問を聞いて、すごくハッとしました。
僕は低い声の方が得意なので、ゆくゆくは渋いおっちゃんキャラとかやってみたいですね。欲を言うならば、大塚明夫さんみたいになりたいです。あと藤原啓治さんの声も大好きなんですよね。
今回は、ドラマやアニメなどと連動していない、完全新作ゲーム「スローン・アンド・リバティ」ルテインという魔法使いの青年の役柄で、「声優単独初挑戦の作品」です。ルテインというキャラクターを愛していただけるようなものにできたらいいなと思いがんばりました。今回のインタビューをきっかけで知ってくれた方が、このゲームをインストールしてやってみようかなと少しでも思っていただけたら嬉しいです。
塩野瑛久(Akihisa Shiono)
2012年に芸能界デビュー。2013年『獣電戦隊キョウリュウジャー』に立風館ソウジキョウリュウグリーン役でレギュラーを務める。
その後、舞台「里見八犬伝」、映画「High&LOW THE WORST」などの出演、ドラマ「Re:フォロワー」では主演を務めるなど、端正な顔立ちで、ミステリアスな空気感を放つ個性的俳優として様々な役に挑戦し活躍の幅を広げている。
2024年NHK大河ドラマ「光る君へ」では一条天皇役を好演中。10月11日スタートのテレビ朝日新ドラマ「無能の鷹」で主要キャストのひとり鶸田道人役を演じる。
その他にも10月にはドラマ「天狗の台所 Season2」・「ゴールデンカムイ ―北海道刺青囚人争奪編―」が放送、映画「チャチャ」・「八犬伝」の公開が控えている。
今回のインタビューを通して、俳優として多彩なキャリアを積み上げてきた塩野瑛久さんが、声優という新たなフィールドに挑んだことの意味を改めて考えさせられました。舞台や映像での演技と違い、声だけでキャラクターの内面を伝えることの難しさに直面しながらも、その挑戦を受け入れる姿勢には、塩野さんが自分の表現の幅をさらに広げたいという強い意志が感じられます。特に、普段の役作りで「自分の経験を膨らませて近づける」という彼のアプローチは、声優という異なる表現方法にも通じるものであり、そこで得た新しい感覚が今後の俳優活動にも影響を与えることでしょう。
また、幼少期からのゲーム体験が彼の俳優としての成長に結びついているという点は興味深いものです。単なる娯楽を越えて、物語を深く理解し、登場人物になりきる感覚が自然と彼の演技に活かされているのかもしれません。『スローン・アンド・リバティ』でのルテイン役は、塩野さんにとってただの新しい挑戦ではなく、彼のこれまでのキャリアを一つの線で繋ぐような役割を果たしているように思えます。この作品を通じて、塩野さんの声がどのように物語を豊かに彩るのか、プレイヤーの心をどのように揺さぶるのか、その答えはゲームの中にあるでしょう。
タイトル:スローン・アンド・リバティ
リリース:2024年10月2日AM2:00~(日本時間)
プラットフォーム:Steam、PlayStation 5、Xbox Series X|S 基本プレイ無料
ディベロッパー:NCSOFT
パブリッシャー:Amazon Games
レーティング:CERO C(15才以上対象)
公式サイト:https://www.playthroneandliberty.com/ja-jp/