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MCをつとめるのはハライチの2人と、日本テレビ退社後初の番組MCとなる笹崎アナ。
審査員には、所属タレントのふかわりょう氏、アンガールズ田中卓志氏にくわえ、『アメトーーク!』や『ロンドンハーツ』(テレビ朝日)などを手掛ける加地倫三氏、『ゴッドタン』(テレビ東京)や『トークサバイバー』シリーズ(Netflix)を手掛け、ラジオ番組のパーソナリティも務める佐久間宣行氏、『チコちゃんに叱られる!』(NHK)や『ドキュメンタル』(AmazonPrime)などを手掛ける小松純也氏と、5人のそうそうたるメンバーが出そろいました。
審査員長をつとめるふかわ氏は、ワタナベ愛をまじえながら、今大会について次のように語りました。
「所属芸人はワタナベに骨を埋める覚悟でいてほしい。私の基準は明確で、どんなに面白くとも頭の片隅に“独立”のニオイがしたら即刻失格にしますから(笑)」
さらに観客席には、『ゴジラ-1.0』や『東京リベンジャーズ』などに出演、いま俳優として頭角を現している山田裕貴さんが特別ゲストとして登場。これにはお客さんたちもびっくりで、一気に会場が沸きました。「お笑いが大好きで、今日はたくさん笑いに来ました」と山田さん。ハライチ澤部氏が「あれ?ゲストはひとりだけ……?」と寂し気な表情を浮かべると、さらに会場の笑いを誘っていました。
1stラウンドは2組ずつのタイマン勝負で計5試合行い、審査員による投票制で勝利した5組がファイナルラウンドに進出。そこであらためてネタを披露し、チャンピオンが決定します。
漫才ありコントあり。出場者たちはのびのびと舞台上で個性豊かなネタを披露していました。どうしてもトップバッターが不利寄りとなる点数形式と違い、タイマン形式は勝敗が明白となるので、出場者たちの緊張も少しやわらいだのかもしれません。
勝ち上がった5組は、MCによるくじ引き方式でネタ見せの順番が決まります。そして5組それぞれがネタを見せたあと、審査員と視聴者の投票でチャンピオンが決定します。 どのグループも1stとはテイストの違うネタをそれぞれ披露し、会場を沸かせていました。
ファイナルラウンド進出の5組が次のネタの準備をしている間、MCのハライチとアマチュアコンビ「鯖のTシャツ」がネタを披露しました。
ハライチのネタは岩井氏の「バルを経営してみたい」から展開するノリボケ漫才。近ごろは番組MCで見かけることが多いふたりの原点が見られるのも、この大会の醍醐味ではないでしょうか。
お笑い系のインカレで知り合ったという早稲田大学と専修大学の現役生がコンビを組む鯖のTシャツ。イキもぴったりで、アマチュアとは思えないテンポの良い漫才を披露してくれました。
審査員の5名と観客投票の厳正なる審査の結果、5票を集めたAマッソが優勝を勝ち取りました。
歴代の当大会で決勝進出の常連でありながら、いつも優勝を逃していたふたり。今年は「ラストイヤーにするつもり」という意気込みで今大会に挑んだそうです。その覚悟が実を結び、とうとう初優勝に輝きました。
そして、ふかわ氏からトロフィー、ゲストの山田裕貴さんから優勝賞金100万円が授与されると「一生優勝しないと思っていました」(加納)、「めっちゃ心臓飛び出た」(むらきゃみ)と、笑顔を浮かべて喜びを語りました。
山田さんは最後に、今大会の感想と出演者へのねぎらいの言葉を述べました。
「Aマッソさんおめでとうございます。敗れてしまったみなさんのネタもふくめ、とても楽しませてもらいました。いろいろなお笑い賞レースを見守ってきましたが、漫才とコントを一緒に見られるのはこの大会なんだなあと思います」
そして審査員長のふかわ氏が総評を述べます。
「レベルが高い争いでした。改めて言いますが、Aマッソはワタナベの“宝”です!」
会場からは盛大な拍手が送られました。
2016年から始まった『ワタナベお笑いNo.1決定戦』。歴代優勝者は現在もバラエティをはじめ、MCや俳優など多方面で活躍しています。当大会はお笑い芸人にとっても登竜門といってもおかしくないでしょう。
Aマッソのこれからの活躍に期待したいですね。
<取材・撮影・文/櫻井れき>