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はじめに、株式会社明治 グローバルカカオ事業本部 本部長 萩原秀和(はぎわら ひでかず)氏から、明治として実施したカカオに関するエビデンス開発の歴史、今回の研究に至った背景について説明がありました。
当社は100年以上にわたり、チョコレートの製造に取り組んできました。その過程で、チョコレートの主原料であるカカオの歴史や健康効果について深く理解してきました。
カカオは古代から「神々の食べ物」として崇拝され、健康や癒しの源としても利用されてきました。約30年前からカカオの健康効果に関する研究を本格化させ、蒲郡市との実証研究や臨床実験により、高カカオチョコレートの健康効果が明らかになりました。
結果として、高カカオチョコレートは血圧やコレステロールなどの健康課題に対して有益な効果を示し、日本人のカカオに対する認識を変え、特に若い世代に高カカオチョコレートの人気が高まっています。
明治は新たな研究成果を発表し、2024年1月に受理された高カカオチョコレート摂取による脳機能の効率化に関する研究成果を通じて、多くの方々の健康と幸福に貢献したいと考えています。と述べました。
続いて、理化学研究所 生命機能科学研究センター 客員主管研究員 渡辺恭良(わたなべ やすよし)氏から、脳疲労のメカニズムとその対策についての講演がありました。
近年、疲れている人が増え、特に若い層や女性にその傾向が顕著であることが指摘されています。社会の情報過多やマルチタスクな生活により、脳疲労がクローズアップされています。脳は常にエネルギーを消費し、そのほとんどをアイドリング状態で使用しています。
そのため、省エネで長時間高いパフォーマンスを発揮できる食品が重要視されています。高カカオチョコレートは抗酸化作用や炎症抑制効果があり、脳の機能をサポートします。さらに、睡眠や休息を優先し、脳の省エネを図ることも重要です。高カカオチョコレートの摂取は、脳疲労の改善や予防に役立ちます。
このように、健康な脳機能を維持するためには、バランスの取れた生活と栄養摂取が重要です。と語りました。
最後に、理化学研究所 生命機能科学研究センター 客員主管研究員 水野敬(みずの けい)氏より、高カカオチョコ摂取による脳機能の効率化についての成果発表が行われました。
<行動評価研究>
20代~40代の男女22名を対象に、高カカオチョコレートと低カカオチョコレートの単回摂取が認知機能に与える影響を調査。
・クロスオーバー試験:1週間のインターバルを挟んで、高カカオチョコレートと低カカオチョコレートを摂取
・チョコレート摂取量:25g
・評価項目:認知機能(信号機課題)、自律神経機能、主観評価(VAS)
・高カカオチョコレート:認知機能パフォーマンスの低下を抑制、集中力の維持
・低カカオチョコレート:認知機能パフォーマンスの低下、集中力の低下
<脳活動評価研究>
20代~40代の男女26名を対象に、高カカオチョコレートと低カカオチョコレートの単回摂取が脳活動に与える影響を調査。
・クロスオーバー試験:1週間のインターバルを挟んで、高カカオチョコレートと低カカオチョコレートを摂取
・チョコレート摂取量:25g
・評価項目:機能的MRI、認知機能(信号機課題)、自律神経機能、主観評価(VAS)
・高カカオチョコレート:脳活動上昇を抑えつつパフォーマンスを維持
・低カカオチョコレート:課題後半にかけて脳活動が上昇(疲労による活動増加)
以上の2つの研究から、高カカオチョコレートの摂取が認知パフォーマンスの維持や脳活動の効率化、即ち脳の省エネ化に繋がるということを示唆する結果が得られました。と発表しました。
論文内容詳細:https://www.meiji.co.jp/corporate/pressrelease/2024/02_01/index.html
研究結果を踏まえると、高カカオチョコレートが私たちの脳の健康にプラスの影響を与える可能性があります。これを考えると、甘いチョコレートだけでなく、高カカオのダークチョコも取り入れてみてはいかがでしょうか。日常のちょっとした贅沢が、健康とパフォーマンス向上につながるかもしれませんね。