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こちらが「ドクダミ」。漢字名は「蕺草(シュウソウ)」です。ドクダミ科、ドクダミ属。花期は4~7月で、本州、四国、九州、沖縄に分布しています。日本では古くから薬草として親しまれており、干した葉をお茶などにして活用します。消炎や利尿作用をはじめ、10種類もの薬効があるので「十薬」とも呼ばれているのだそう。あの「爽健美茶」にも、ドクダミがブレンドされています!
中心の花序を囲んで広がる、白い花びらのように見えるものは、葉が特殊に変化した「苞葉(ほうよう)」です。ブーゲンビリアやハナミズキなどの植物も同様に、花びらのように見える部分は苞葉なのだそう。なにか花に見せかけた方が良い理由があって変化したのかどうか、気になりますね。
葉や茎は触るだけで臭気を発し、傷つけるとさらに強い臭気を放ちます。観察する際には、強く触れないよう慎重に近付くとよいかもしれません。
聞いても読んでも強そうな名前の「ドクダミ」ですが、その由来は複数あるようです。毒や痛みをとるということで「毒痛み(どくいたみ)」がなまったという説や、強い臭気があり毒を溜めた草という意味の「毒溜(どくだめ)」がなまったという説などがありますが、はっきりとしていないようです。
またドクダミは、一度生えると抜くのに非常に苦労するほど、繁殖力が強い植物として知られています。たしかに他の草の根元や地面が見えないほど、ぎっしりと力強く生えている姿を確認することができました。
私が観察していたドクダミは、柱の間の陰になっている部分にも所せましと広がって生えていました。雑草としてはやや厄介な面を持っているとは知りながらも、その強い生命力に圧倒されてしまいます……!
人家近くの半日陰に生えていることが多いそうなので、身近に生えている薬草「ドクダミ」を見つけた際にはぜひ注目してみてくださいね。【花が知りたい!】vol.14は「ドクダミ」でした。引き続き、不定期で街に咲く季節の花を紹介していきたいと思います!
参考にした文献
藤井 伸二(監修).高橋 修(著).色で見わけ 五感で楽しむ野草図鑑.初版.ナツメ社.2014
mizu
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vol.2:ヒガンバナの仲間「ナツズイセン(夏水仙)」
vol.13:夕方だけ咲くわけじゃない?「ユウゲショウ(夕化粧)」