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こちらが「サザンカ(山茶花)」です。ツバキ科ツバキ属。あたたかい地域の山地に生え、各地で庭木や生垣として植えられ、親しまれています。
サザンカと、よく似た花として挙げられるのが「ツバキ」。まず開花時期は、サザンカは10~12月の晩秋から冬にかけてですが、同じツバキ類の「ヤブツバキ(藪椿)」は2~4月の真冬から春にかけて開花するということです。筆者も、最初にサザンカを見つけた時にはツバキだ!と思っていたのですが、調べていくとそれぞれ同じ特徴や異なる点がありました。
見分け方としてよく知られているのは、ヤブツバキの花が散る際には花が丸ごと落ちていくのに対して、サザンカは花びらが1枚ずつ散っていくという違いです。たしかにサザンカの花を見ると、1枚ずつ花びらが独立していることが分かりますね。
ツバキ類は鮮やかな色合いから人気がありますが、鳥にも人気の花です。理由は、野鳥が食べる昆虫や果実の少なくなる真冬に花を咲かせるため!蜜を求めるメジロやヒヨドリなどの野鳥を呼び寄せることで、花粉を効率的に運ぶことができます。鳥に花粉を運んでもらうことで受粉する花は「鳥媒花(ちょうばいか)」と呼ぶそうです。
また、葉によってサザンカとツバキを見分けることもできます。サザンカの葉は、ヤブツバキと同様に厚く光沢がありますが、やや小さめ。さらに、細かい鋸葉があり、葉先がわずかにくぼんでいます。対して、ヤブツバキの葉は少し大きく、葉先がとがっています。ぜひ2~4月にヤブツバキが開花した際には、葉にも注目してみてくださいね。
街中で見かけると、つい立ち止まりたくなってしまうような華やかさを持つサザンカ。実は、普段意識していない生垣などにも咲いているかもしれません!見かけた際には、ぜひ近づいて観察してみてくださいね。
【花が知りたい!】vol.6は「サザンカ(山茶花)」でした。引き続き、不定期で街に咲く季節の花を紹介していきたいと思います!
参考にした文献
林 将之(監修).ネイチャー・プロ編集室(編著).葉っぱで見わけ五感で楽しむ樹木図鑑.初版.ナツメ社.2014
mizu
【花が知りたい!】前回はこちらから
vol.5:丸くて小さくて強い「ヒメツルソバ(姫蔓蕎麦)」