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一般的に基礎体温が1℃下がると免疫力は30%ダウンするといわれています。
②長時間のテレワークによる姿勢の悪化で体幹が歪むとお腹周りのインナーマッスルが使われなくなり、腹圧が落ちて、腸に悪い影響が…。
大腸と小腸には全身の免疫細胞の60〜70%が存在しているため、免疫力も低下してします。
③もっとも深刻なのは自律神経への影響。東洋医学の世界でよく言われる「血の巡りは気の巡り」という格言のとおり、運動不足や歪んだ姿勢による血流の悪化は、免疫と密接な関係の自律神経のバランスも大きく崩してしまいます。
川村先生によると、免疫力を高めるには血流・体温・腸・自律神経の4つの働きを正常な状態に戻してあげる必要がありますが、体操はそのすべてに効く“万能薬”とのこと。
そこで、自宅で簡単にでき、朝・昼・夜と1回ずつ、わずかな時間、体を動かすだけで効果があるという先生直伝“免疫体操”をご紹介します。
1.壁に両手をつき、足を前後に開く
壁に両手をついて足を前後に開きましょう。前足のひざを曲げ、後ろ足はかかとを床につけて、ひざ裏をしっかりとのばします。まっすぐ前を見て、深く息を吸いましょう。
2.息を吐きながら壁を5回押す
息を吐きながら腰に力を入れ、壁を5回押します。肩甲骨をしっかり動かし、かかとを浮かせずに行うのがポイント。
3.壁をぐーっと押して5秒キープ
そして腰を内側に入れ込むようにして、壁をぐーっと押したまま5秒間キープします。ひざの裏とももの付け根、背中とひじをしっかりのばすことを意識しましょう。
一通り終わったら、前後の足を入れ替えて、もう一度繰り返します。
1.足を腰幅より広げて立つ
つま先を外側に向けて足を大きく開き、お腹に力を入れた状態で立ちます。
2.腰を下げて太ももを3回叩く
息を吐きながら腰をまっすぐ下におろします。息を吐き切ったら、「ワン・ツー・スリー」と大きな声を出して太ももを3回叩きましょう。
3.立ち上がっておしりを3回叩く
今度は息を吸いながら腰を上げて、「ワン・ツー・スリー」と大きな声を出してお尻を3回叩きます。
1〜3の手順を3回繰り返します。
1.壁に背中をつけ、ひざを寄せて息を吸う
両肩と手のひら、お尻とかかとの4箇所を壁につけ、胸を大きく開いて息を深く吸います。その際、ひざは内側に寄せ、左右のかかとをつけてつま先を90度に開くことを意識しましょう。
2.軽く息を吐き、手のひらを返して息を吸い、5秒キープ
軽く息を吐き、手のひらを返して体に寄せます。お腹と内ももを締めながら再び息を吸い、5秒間キープします。
寝たままの状態でやるのも良いですよ。
川村先生によると、免疫体操とあわせて摂取したいビタミンは「ビタミンC」と「ビタミンD」とのことでした。
【ビタミンC】
抗酸化作用のあるビタミンCは、体内に侵入したウイルスや細胞と戦う白血球やリンパ球に働きかけて免疫機能を強化し、病気への抵抗力を高めてくれます。
【ビタミンD】
免疫力を向上させるにはビタミンDの摂取がおすすめなのですが、ビタミンDは腎臓の働きが悪くなると、過剰摂取の副作用から腎臓を傷めてしまう危険も…。
しかし“免疫体操”で血流を良くすることで、ビタミンDの効用の鍵を握る腎機能も高まり、ビタミンDの効能をより一層高めることができ、さらに副作用を抑える効果も期待できます。
どちらも免疫力アップに欠かせないビタミン。ビタミンCは有名で意識的に摂っている方もいるのではないでしょうか。
一方で、ビタミンDはあまり馴染みが無いという方多いようです。続いてビタミンDについて、ご紹介していきます。
川村先生が免疫体操との相乗効果で免疫力アップが期待できるおすすめのビタミンとして挙げられた「ビタミンD」。
とは言え一般的に馴染みの薄い「ビタミンD」ですが、代表的な効能は以下の3つが挙げられます。
①細菌やウイルスを食べて破壊する「マクロファージ」を活性化させる。
②免疫細胞の活性化や機能抑制に欠かせない「サイトカイン」を調整する。
③殺菌・抗ウイルス作用のある「カテリシジン」と「ディフェンシン」を誘導する。
ビタミンDは、免疫細胞にダイレクトに働きかける効能はもちろん、抗炎症作用や抗菌作用も併せ持つ、健康を維持するためになくてはならない栄養素だったんです。
免疫力アップするのに欠かせないビタミンDは、食べ物やサプリメントを通して口から摂取することができます。
でも、「どの食材にどの程度のビタミンDがあって…」なんて考えるのは面倒ですよね。実は、もっと簡単な方法があるんです。
それは1日1回、日光を浴びるだけ。
紫外線を浴びることで、免疫力の維持に欠かせないビタミンDを生成することができます。
紫外線には、UVAやUVB、UVCといった光線があるのはご存知の方も多いはず。
このうちのUVBとコレステロールから作られた「プロビタミンD3」という物質が皮膚で反応して、ビタミンDの前駆体である「プレビタミンD3」を作り、ビタミンDを生成しているのです。
成人が1日に必要とするビタミンDの摂取量を15μgとし、そのうち約5μgを食物から摂取して残りの10μgを紫外線から体内に取り込む場合、6月であれば7〜15分程度の日光浴で十分と考えられています。
ちなみに、免疫機能や体内時計の調整に欠かせないビタミンDを体内で十分に維持するための適切な紫外線の照射時間は、国立環境研究所地球環境センターが運営するWEBサイト「ビタミンD生成・紅斑紫外線量情報」で知ることができますよ。
ここでは、国内12カ所の地域別にビタミンD 10µg(4000IU)を生成するために必要となる紫外線の照射時間を公開しています。
紫外線に強い肌の人もいれば、弱い肌の人もいます。なので、日光浴の時間はあくまで日本人の平均的な肌タイプを基準とした目安での話となります。
太陽のエネルギーがもっとも高くなる夏至(6月21日)の前後2カ月は、直射日光が非常に強く、特に太陽が一番高いところにある10〜14時の時間帯に直射日光を浴びるのは体によくありません。
紫外線は反射光でも十分に取り入れることができるので、この時期は柔らかな日差しのもとで日光浴を行うのが安全でしょう。
また、ビタミンDの生成にも個人差があるため、より効率的な日光浴を求めるなら、専門の病院でビタミンDの血中濃度を検査し、その変化を医師に調べてもらうのがおすすめだと、医学博士の満尾先生から日光浴に関するアドバイスをいただきました。
いかがでしたか。コロナ禍によってさらに免疫力が下がってしまっている可能性がある現代人。
自宅で簡単にできる免疫体操と日光浴で免疫力アップを目指してみませんか♡
<医学博士/かわむらクリニック院長 川村明先生プロフィール>
1955年高知県生まれ。徳島大学医学部卒。1991年に山口県宇部市にかわむらクリニックを開業する。
ヨガインストラクターの資格を取得して高齢者を対象とした「AKヨガ」を考案。
ひざ裏を伸ばすという簡単なストレッチによって高い効果を発揮する運動指導が評判を呼び、あらゆる分野の医療や介護予防運動に活用される。 出身地の高知県いの町では「壁ドン健幸特使」に任命され、寝たきりゼロを目指した地域活動にも従事。著書に『5秒ひざ裏のばしですべて解決』(主婦の友社)、『10歳体が若返る! 奇跡の寝たまま1分ストレッチ』(宝島社)などがあり、累計部数は70万部を超える。
<医学博士/満尾クリニック院長 満尾正先生プロフィール>
1957年横浜生まれ。北海道大学医学部卒業。杏林大学救急医学教室講師、ハーバード大学外科代謝栄研究室 研究員、救急振興財団東京研修所主任教授を経て、2002年に日本で初めてアンチエイジング専門の「満尾クリニック」を開設。
日本キレーション協会代表、米国先端医療学会(ACAM)理事。
著書に『食べる投資 ハーバードが教える世界最高の食事術』(アチーブメント出版)、『世界最新の医療データが示す 最強の食事術』(小学館)など多数。