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File no. 119
《Dickies/ディッキーズ》
アメリカを代表する歴史的なワークウエアブランドでありながら、現代のカジュアルスタイルに欠かせないファッションブランドとして君臨。
さらに、世界各地で身近な存在として浸透し、年齢性別問わず愛され続けている稀有な存在。
今回はそんな、あらゆるカテゴリーやジャンルの垣根を超えて支持され続ける偉大なブランド《ディッキーズ》の歴史を辿る。
1918年、従兄弟関係にあったC.N.ウィリアムソンとE.E.ディッキーは、数人の仲間たちとともにテキサス州のフォートワースで、前身となるU.S.オーバーオール社を設立。
1922年には、C.N.ウィリアムソンとE.E.ディッキー、C.Donウィリアムソンが同社を買収し、社名をウィリアムソン・ディッキー・マニュファクチャリング カンパニーへと変更。
こうして現在の《ディッキーズ》が誕生した。
1920年代当時は、国中がアメリカンドリームの実現に向けて沸く真っ只中だった。
彼らは全米各地の"働く現場"を巡り、農夫や坑夫など、それぞれの仕事に必要な仕事着の特性を調査したという。
そして、労働者のニーズに合わせてさまざまな工夫が施された製品を販売し、たちまち全米各地のワーカーに支持されるように。
ちなみに、1923年にはブランドを代表する大定番「874」ワークパンツの原型となる「KHAKI(カーキ)パンツ」の生産をスタートさせている。
1941年にはアメリカが第二次世界大戦に参戦。
《ディッキーズ》は、その確かな物づくりが認められ、政府公認衣料としてアメリカ陸軍のために900万着以上のユニフォームを生産した。
第二次世界大戦後の1950年代に入ると兵役を終えた人々がアメリカに戻り始め、作業着の需要が復活。
そうした中、地元テキサスの石油労働者向けに売り出したカーキのワークウエアが爆発的なヒットを記録する。
またこの頃には広告のコピーとして"FIT YOU, FIT YOUR JOB(あなたにもあなたの仕事にもフィットする)"のスローガンが誕生。
このスローガンはブランドのポリシーを体現するものとして、今現在も《ディッキーズ》の物づくりの礎となっている。
そして、1967年にはブランドを象徴する大定番である写真のワークパンツ「874」が誕生。
1970~80年代にはファッションアイテムとして愛用されるようになり、1990年代には西海岸のスケーターを通して世界中に広まった。
色褪せない永遠の定番アイテムとして、今もなお世界中で愛され続けるもっとも有名なワークパンツ。
それが「874」なのだ。