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File no. 117
《FRUIT OF THE LOOM/フルーツオブザルーム》
現在、アンダーウエアはビニールパックに詰めて販売されるというのが一般的になっている。
よくよく考えると不思議な慣習に思えるが実はその歴史は古く、アメリカ文化の1つとして日本に伝えられ、浸透してきたという経緯がある。
そこで今回はパック入りのアンダーウエアを代表する"パックTee"の代名詞的なブランド《フルーツオブザルーム》の歴史を紐解く。
1851年、ロバート・ナイト率いるナイト兄弟により、《フルーツオブザルーム》の前身であり原点であるB.B.&R ナイト社が、アメリカのロードアイランド州に設立された。
1856年になるとロバート・ナイトの友人であり、ニューヨーク州で商いをしていたルーファス・スキールの娘がりんごの絵のラベルをデザインし、ナイト社の綿生地に付けて販売。
この綿生地はすぐに注目を集め、人気を博すこととなる。
この経験からロバート・ナイトはラベルに価値を見出し、同社のすべての綿生地に貼り付けて売ることに決めた。
アメリカ議会において商標に関する法律が制定された1870年、同社はすぐに商標登録を申請。
1871年8月8日、登録番号418で登録され、ついに正式に《フルーツオブザルーム》ブランドが誕生する。
1893年には、ブランドロゴをスタンダード化。
それまではオリジナルのりんごにさまざまなフルーツの絵を加えていたが、りんご、二種類のぶどう、すぐり、という4つのフルーツを選び、《フルーツオブザルーム》のロゴとした。
そして、このカラフルなフルーツロゴこそが、後に世界でもっともポピュラーなアンダーウエアのシンボルとなる。
1938年にはユニオン・アンダーウェア社が《フルーツオブザルーム》のライセンス権をB.B.&R ナイト社から取得。
ここから、現在進行形で愛され続けるアンダーウエアの展開が本格的に開始した。
それと同時に、アンダーウエアに限らず幅広いベーシックアパレルを展開。
1955年からはテレビコマーシャルもスタートするなど、より一層勢いを増した。
1978年からはプリンタブルビジネスもスタートさせ、有名企業の販促用Tシャツ、カレッジオーダーTシャツ、ミュージシャンの販促用Tシャツのベースとして、アメリカ全土で人気を博すことに。
1990年代に入ると世界中で販売されるようになり、年間販売数量一億枚を突破。ベーシックアパレルの世界的なスタンダードとして名実ともに認められ、現在に至る。
写真のパックTeeには、そんなアメリカの歴史とロマンが詰まっている。