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千葉県市川市に本拠を置く、合同会社守破離農園(しゅはりのうえん)。
市川は東京都と隣接するベッドタウンとして知られ、一般にはあまり農業のイメージが強くない地域ですが、駅から少し離れたエリアにはそれなりに農地もあり、地元では梨やニンジン・ネギなどが特産品として知られています。
守破離農園ではキクイモなど農産品の無農薬・無化学肥料栽培を行う一方、低カフェインコーヒーやドライフルーツの輸入販売にも取り組んでいます。
地元の「道の駅いちかわ」をはじめ、道の駅や飲食店に卸している主力商品が「そのまんまデーツ」。守破離農園の公式オンラインショップやAmazonなどで、全国から通販購入が可能です。
女性や子供がおやつ感覚で食べられる完熟ドライフルーツで、2024年6月30日(日)にパッケージリニューアルを行う予定となっています。
「ランチバッグ」編集部では守破離農園の中野紘成代表に、商品のこだわりなどを聞いてきました。
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「デーツ」は中近東やアメリカで生産される、ヤシ科の高木「ナツメヤシ」の実。中近東地域では日常的に食べられています。
日本ではまだ認知していない人も多いようですが、ドライフルーツとしては定番のひとつになっており、栄養価の高さなどから健康意識の高い人にも注目されています。
守破離農園の「そのまんまデーツ」の原産国はUAE(アラブ首長国連邦)。アメリカ産と比べ、くせのない味が特徴です。
実際に食べたところ、味や食感は干し柿に似て、ほのかな黒糖のような風味が味わいに複雑さを加えています。デーツを初めて食べた人でも「なじみのない味」という印象にはならず、若者からお年寄りまで男女を問わず愛されそうな食べ心地です。
スーパーや食品店で販売されるデーツは大半が“種なし”ですが、中野代表によると、守破離農園の「そのまんまデーツ」は「味わいで勝負」。自然本来の味わいを重視して“種あり”を採用しています。「フルーツには種があるもの」という、農家らしい食育の発想からも“種あり”にしているそうです。
筆者はこれまで“種なし”のデーツはスーパーなどで買って何度となく食べてきていますが、守破離農園の「そのまんまデーツ」は「これまでに食べたデーツの中でダントツに美味しい」というのが率直な感想です。
口の中で実を噛むうちに、種は“ぽろん”とキレイに実からはがれるため、意外と食べづらい印象はありませんでした。
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「そのまんまデーツ」のパッケージに描かれるキャラクターは「でーつちゃん」。千葉県船橋市のHappy Design株式会社が制作しています。
守破離農園がデーツの輸入販売を開始したのは2022年12月。中野代表によると、当初は商品名などの必要な情報を記しただけのシンプルなパッケージデザインを使用していましたが、なかなか販売量が伸びませんでした。
その中で、安定して売れるようになったきっかけのひとつが、女性や子供が手に取りやすいデザインに変更したこと。2024年6月30日からの新パッケージでは、中東地域をイメージさせるピラミッドやスフィンクスのイラストを追加するとともに、「1年で3500袋完売」の販売実績もアピールしています。
中野代表は商品パッケージのデザイン変更について、「コンビニで売られている飲料など、大手メーカーが季節ごとにパッケージを変えている中、ドライフルーツでも消費者を飽きさせない工夫は必要」と語ります。
デーツの袋詰め作業では、障害者就労支援事業所を営む「市川レンコンの会」などの社会福祉法人と協業。
厚生労働省が発表した「令和4年 生活のしづらさなどに関する調査」の中で示された資料によると、日本国内の障がい者の数は1164.6万人で、全人口の約9.3%に相当しています。
中野代表は「障がいを持つ方が当たり前に働く社会をつくらなければいけない」とし、守破離農園では社会福祉法人からの提示額より大幅に高い報酬を支払っているそうです。
そのまんま食べて美味しく、福祉活動の支援にもつながる守破離農園のドライフルーツ「そのまんまデーツ」。
ブラックコーヒーと一緒に楽しんだり、ヨーグルトと合わせる食べ方もすすめられています。筆者としては無糖ヨーグルトに落とし、ワンポイントで甘味を楽しむ食べ方がおすすめです。