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株式会社森の環(もりのわ、本社:富山県高岡市、代表取締役:春日 勝芳)は2024年4月30日、紫外線をハナビラタケに照射してビタミンDを生成させる栽培および方法について特許申請した。(特許申請者:株式会社NEOVAS※、特許出願番号:特願2024-73824)
森の環は、菌床きのこ生産・販売会社。「農業に新しい価値を創造して心ゆたかな食と地球の健康に貢献しつづけます」を目標に掲げ、一歩進んだ循環型農業をめざしている。
ハナビラタケは生のままではビタミンDが検出されないが、天日干しした乾燥ハナビラタケには日本国内の主な食品の中でも突出したビタミンD量(378マイクロg/100g、乾燥マイタケの約19倍以上)が含まれることに着目。
ハナビラタケの菌床栽培のノウハウを生かし、紫外線を人工的に照射することで、ハナビラタケ100gあたり700マイクロgを超えるビタミンDを生成することに成功した。
現代社会では日本人の多くがビタミンD不足とされており、森の環は今回開発したハナビラタケによって、食品によるビタミンD摂取を後押ししたいと考えているという。
厚生労働省の日本人の食事摂取基準(2020年版)によると、ビタミンDの1日の摂取の目安量は18歳以上の男女ともに8.5マイクロg。一方、耐用上限量は100マイクロgと設定されていることから、ビタミンDの過剰摂取を防ぐために、紫外線照射時間や1パッケージあたりの内容量を調整し、1食で1日のビタミンDが摂取できる商品開発を進めている。
今後は“食べるビタミンD”商品として、ビタミンDが生成された生ハナビラタケの限定商品(仮称:DDはなびら)のほか、レンジで30秒加熱するだけで手軽に食べられる「サラダきのこ」を販売する(7月発売予定)。また、1食で1日分のビタミンDが摂取できるみそ汁やスープなど、フリーズドライ商品のラインナップを強化していく。
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森の環ではハナビラタケについて、以下の通り説明している。
ハナビラタケは、初秋の標高1000m超の高山地帯のカラマツ等針葉樹の株元に葉ボタン状に自生するが、発見が難しく「幻のきのこ」と呼ばれている。菌床生産もされているが極めて生産量が少なく(マイタケの0.5%以下)、ほとんど知られていない。
生のままのハナビラタケのビタミンD含有量は0だが、日光(紫外線)を浴びることで生成され、食品の中ではダントツの量になる。
きのこは食物繊維やビタミン、ミネラルなどの栄養素を多く含み、古くから健康食品として重用されてきた。ハナビラタケのβグルカンやビタミンDの含有量は極めて高く、ハナビラタケ固有のハナビラタケリドと呼ばれる化合物等多くの栄養素を含んでいる。
森の環では長らく、菌床製造から一貫体制でしいたけの生産販売をしてきたが、新しい価値の創造としてキクラゲの生産を始めた。また、幻のきのこといわれるハナビラタケの生産にも挑戦したがが、当初はうまくいかず頓挫していた。
コロナ禍のなかで健康を気遣う人も増える中、ハナビラタケが掲載されている記事をみて、種菌を変更して再挑戦。2020年10月から量産化に取り組み、現在は日本一の生産高を誇るまでに成長した。さらに、機能性が注目されながらも生産高が極めて低い「ヤマブシタケ」の生産にも取り組んでいる。
ハナビラタケを量産化する一方、認知度が極めて低いきのこのため、販売には大きな壁が立ちはだかり、販売量は伸び悩んだ。生で販売できなかったものは乾燥して保管し、加工品として活用を進めている。これまでは、ハナビラタケの認知度向上に向け、地元富山県の特産品とコラボレーションした「ハナビラタケ氷見うどん」のOEM生産などに取り組んできた。
今後も、きのこの生産(1次)と商品企画・開発(2次)は自社で行い、商品製造(2次)は専業メーカーに委託し、販売(3次)は自社ECや卸で行う、新しい6次産業化に取り組んでいく。また、自社ECサイト【八百万屋~もりのわ~】で地域の農水産品の取り扱いを目指していく。
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手軽に日々の食事でとれる【医食同源】【食べるビタミンD】を基本コンセプトに、商品開発を進めていく。
現在は「花びら茸のおみそ汁」「花びら茸の和風スープ」を販売中。これからみそ汁3種とスープ1種を順次販売し、2024年内には合計6種をラインナップする。
小豆島で製造した「花びら茸の佃煮」は生姜、ぼたんこしょうの2種を販売している。さらに、薬膳料理研究家・谷口ももよさん監修の、トナミ醤油株式会社製造の薬膳花びら茸“ごはんのおとも”を開発中。
乾燥ハナビラタケは、現在販売中のものより簡単に使えるフリーズドライ商品を追加し、おやつの商品開発もすすめている。