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トライアルカンパニー マーケティング部 部長の野田大輔氏によると、オウンドメディアを立ち上げようと考えた背景として一番大きかったのはメディアが変化してきているということ。
スーパーマーケット業態の場合、もともとのプロダクトアウトは大量生産・大量販売がベース。広告を打つと言えばテレビや新聞が主流だった。しかし、家族みんなが一つのスクリーンを見ていた時代から、ブログの時代になり、SNSの時代になり……と、メディアは少しずつ変遷。新聞の購読率も年々低下する中、オリジナル商品の情報を消費者に伝える課題を解決するための準備をしておきたいという思いがあったという。
ナイルではトライアルの顧客のボリュームゾーンが60代以上のシニア層であることを聞いた上で、オウンドメディアではそれよりも若い、30~40代の働く女性をターゲットにしていく形とした。
プロジェクトを担当するトライアルの加藤直子氏によると、30~40代の人たちによりトライアルを利用してもらう流れにしたいという考えがあったという。
「トライアルマガジン」ローンチ後、まずは接触者の年齢が20代、30代、40代に下がり、それまでリーチできなかった層にリーチできたという。どの記事にアクセスが多いかなどを分析することで、生活者が求めているものは何かを知ることにもつながった。
公開された記事の中で「数の子の塩抜き」は、ローンチから半年を経ず、Google検索から17万クリックを獲得。ローンチから約2年が経った2023年7月には、「トライアルマガジン」全体で100万セッションを達成した。
ナイルの加藤氏によると、メディアを成長させるためには、新規コンテンツを継続的に作っていくことが大切だが、それと同時に、すでに公開されている記事を改善していくことも必要。新規の記事制作を行う一方で、公開中の記事の検索順位状況をふまえてタイトルを修正したり、記事の中に内部リンクを入れたり、原稿をリライトしたりといったことを継続しているという。
加藤氏は「トライアルマガジン」について「お店とお客さまの橋渡しになるようなメディアにしていきたい」とし、「トライアルさんに『行ってみたい』『行ったら面白いことがありそう』といった空気感を醸成するお手伝いも、メディアを通してできたらと思っています」などと語っている。