あなたは、自分に自信がありますか?一般的には、自分に自信を持って、ポジティブ思考でいた方が良い、と言われていますよね。「自信がないから一歩踏み出せない」という方も沢山いらっしゃるかもしれません。



でも、「自信がない…」という方も安心してください。ロンドン大学の心理学社であるTomas Chamorro-Premuzic著の『自信(Confidence』という本では科学的データに基づいて「自信は必要ない」と結論づけています。







Confidence

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Tomas Chamorro-Premuzic Profile Books 2013-11-07

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■能力と自信の相関関係はわずか0.3


根本的な主張をざっくりご紹介すると、


誰でも冷たいコカ・コーラを飲みたくなったことがあるだろう。しかし、コーラは、生物学的には飲む必要がない飲み物だ。同じように、世界の大多数の人たちは、実際は必要がないにも関わらず自信を欲しがっている。



そして「自信を持とう!」と言われると短期的に気分がよくなり、コーラに似た中毒性を生み出すんだ、と続きます。



成功者たちに自信家が多い理由については、


並外れた成功者たちが自信を持っているのは、彼らが並外れて有能だったからだ。重要なことは、高い自信を持つことではない。高い能力を持つことだ。



とのこと。「それが出来たら苦労しないよ」と思われそうな話ですが、もちろん論拠もしっかりしています。例えば、自己肯定感と能力の関係を調べた研究によれば、能力と自信の相関は0.30で、ほとんど無関係と言っていいレベルだったそうです。(1)



関連する研究では、「自分の顔に自信がある」と答えた男性たちを調べたところ、実際に彼らが周囲からイケメンだと思われている確率はたった5割だったとのこと。(2)



この傾向は、知能や性格でも同じ結果が出るそうで、つまり自分に自信がある人の大半は、たんに都合よく現実を捉えているだけということが言えそうです。

■高い自信より低い自信の方が改善エネルギーにつながる


自信に関して面白いのが1995年の研究で、18才の学生に「自分に自信があるかどうか」を尋ね、その5年後に追跡調査をしました(3)。すると、「自信がある」と答えた学生たちは、おしなべてウソつきで、信頼がおけず、ずるい人間だと思われている確率が高かったといいます。



著者によると、


一般的な考え方とは異なり、高い自信は低い自信よりも悪影響が大きい。肥大した自己像にダマされているだけでなく、コミュニケーションの場面でも不利なのだ。



とのこと。これに対し、逆に低い自信にはメリットがあるそうで、


低い自信は、自分の限界や能力不足を示すシグナルの働きをする。そのおかげで、自信が低い人は、感情的には好ましくないだろうが、現実の正しい見方を保つことができるのだ。



ヘタに自信を持って現実が見えなくなるよりも、低い自信を改善のエネルギーに使うほうが大事なんだということですね。実際、いくつかの研究では、自信が低い人ほど他人の批判を受け入れる傾向があり、自信が高い人よりも能力のつくスピードが速いことが示されているそうです。

■まとめ


いかがだったでしょうか?「自信がない」ことにもメリットがあるということで、自信がないことに落ち込まなくてOK。むしろ根拠のない自信よりも、根拠のある低い自信の方が今後のためになりうるということでした。



自信が持てないと感じる方は、「なぜ自信が低いのか?」を冷静に見極めて、良い方向に進めるエネルギーにしてみてくださいね。

credit: Chris &Karen Highland via flickr


Licensed material used with permission by PaleolithicMan

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