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全4回に渡ってお届けする、キャンプ好き3組による家にまつわる座談会の模様。前2回のレポートでは、マイホーム初心者の小松さんから、一戸建て購入経験者の後藤さんや一戸建て購入予定という山下さんに「どうして一戸建てがいいのか」「購入するときの注意ポイント」などを教えてもらいましたが、3回目となる今回は、実際にどうやって自分の理想の家を作っていったのかをいろいろと質問してみました。あーしたいこうしたいと、自分の希望どおりの家を考えて作っていくなんて楽しいことだらけというイメージですが、実際はどうなんでしょう?
<小松さん(35歳)>キャンプが趣味。彼女との結婚を検討していることから、2、3年後を目標にマイホーム購入を考え始めたが、家を買うということが遠くに感じる持ち家童貞。現在は賃貸マンション住まい。
<後藤さん夫婦(奥さん40歳、旦那さん38歳)>インスタグラムでは多くのフォロワーを抱え、別冊GO OUT CAMP STYLE BOOKにも登場するおしゃれキャンパー夫婦。昨年、中古一戸建てを購入しリノベーションを行ったマイホーム購入経験者の話は参考になる!!
<山下さん(30歳)>キャンプが一番の趣味という山下さん。実は不動産業界で働く、不動産のマイスター。その知識を活かし、今回様々なアドバイスをくれた。現在は理想の土地を探しながら賃貸マンションに仮暮らし中。
小松さん「お金の話や土地の選び方を聞いて、かなり一戸建てを買うときのポイントが掴めてきました! 『自分にも買えそうだな』って光も見えてきたけど、やっぱり一戸建てを買うのって、理想どおりに進めるのは大変なんですね〜(汗)」。
後藤さん「大変なこともあるけど、自分の理想の家ができたときは最高ですよ! 私たちが作りたかったのは、とにかくキャンプが中心の家。毎週のように富士山の近くまでキャンプに行っていたから、荷物の出し入れや収納をラクにしたかった。一軒目の一戸建てを買ったときに不便だなと思った教訓を生かして、玄関の目の前に駐車場を作ったり、玄関脇にはギアを収納する土間納戸を作ったり……。さらに土間はコンクリートの床にしてるから、濡れたものもここで乾かせるようにしたり」。
山下さん「僕も土間の前には車の荷台が来るような配置を考えてます。やっぱり、ギアの収納場所と車が遠いと、出し入れが億劫なんですよね(苦笑)。そこは完全に僕だけのプライベートスペースにして、少し広めにとってギアを見ながらお酒を飲める場所にする予定(笑)。趣味を中心にした家づくりって決めているので間取りも土地の広さも必要。これはマンションだと難しいところもあって。小松さんもキャンプが趣味なら、断然一戸建てがオススメですよ」。
後藤さん「荷台が土間の目の前にくるのはいいですね〜! やっぱり車と納戸の近さは重いギアが多いキャンプ好きにはマストですよね。そういえば、うちは庭が広くなってからイベント以外はキャンプ場に行くのが減ったかも(笑)。テントの中で飲んでしまえば、ロケーションは気にならないし。お風呂付き、お湯が出る炊事場、コンセントまであるから、自宅が超高規格なキャンプ場って感じ(笑)」。
小松さん「毎日キャンプできちゃうじゃないすか! 超羨ましいッス。でも、後藤さんは夫婦で同じ趣味だから、そんな家を作れたんじゃないですか?」
後藤さん「たしかに夫婦で同じ趣味だったからこんな間取りになったのかな(笑)。ただ私たちの家はそれぞれのプライベートな部屋がないんです。お互い一緒の空間にずっといても、苦にならないから。客間があって、喧嘩した時はどちらかが寝袋でそこに寝ることもあるけど(笑)。旦那はギターも趣味だから、リビングでギターを弾いたりすることもあるけど、そのとき私は別なことをしていることも多い。同じ空間にいても、自然と自分だけの時間を持つようにしてるかな」。
山下さん「僕も間取りを考える時、家族と一緒にいることを前提で考えました。妻は僕ほどキャンプ熱心ではないんです。完全に僕のパーソナルスペースになる土間は、孤立しないようにリビングと繋がる設計にしてるけど、開閉式のパーティションを取り付ける予定です。完全にひとりになりたい時間はこのパーテーションを閉じればいいし、家族と一緒に過ごしたい時はオープンにして土間とリビングを繋げられるようになる」。
小松さん「えっ!てっきり皆さん自分の部屋を持ってるもんだと思ってた……。自分が一戸建てを作ったら、自分の趣味を堪能できる部屋が欲しいって思ってたけど、意外とそうじゃないんスね。というか、そういう間取りって奥さんの意見が一番強そうですけど、どっちが決めました? 僕、彼女が強いんで押し通されそうで(苦笑)」。
山下さん「僕のところは、土間と庭はどうしても譲れないから、そこは僕がメインで考えました。その代わり、内装とか他の部分は奥さんに全部任せてます。家全体がキャンプ仕様っぽくならないようにしてあげたいなって思って」。
後藤さん「うちは、旦那さんが料理好きだからキッチンは彼がメインで考えてくれて、それ以外は私主導かな。だから旦那さんがキッチンにいる時間も夫婦で会話できるように、LDKはひとつの空間になるよう設計してますね」。
小松さん「なるほど……!ふたりで一緒に決めるというより、役割分担して決めるんですね! そしたら2人とも納得できる家になるし、本当の意味で理想の家っスね!」
後藤さん「とにかく決めなきゃいけないことがたくさんあるから、それが一番スムーズかも。イチから家を作るって、本当に細かいところまで全部自分たちで決めるのね。床材や壁紙みたいな、部屋を印象付ける大きなものはもちろん、ドアノブとかサッシとか、そういう細かいパーツまでぜーんぶ。工期の都合もあるからあんまりのんびり考えてられないし、楽しい作業なんだけどなかなか大変(笑)」。
山下さん「そうなんですよね。全部自分たちで決めるのって結構大変で。それに予算の調整も大変なんです。やりたいことを全部やろうとしたら予算をオーバーしてたなんて、一戸建て購入者のあるある話だと思うし。予算やスケジュールなどの現実を見ながら、いかに理想を具現化していくか、そのチューニングがなかなか難しいです」。
小松さん「そんなディテールまで考えないとダメなんだ……。そこはセンス問われちゃいますよね。それに、ここでも予算の問題に直面しちゃうんスね(笑)」。
山下さん「例えばドアノブを選ぶにしても、カタログや単体のパーツだけ見て決めるのって難しいんですよ。家全体のイメージに合うかどうか、想像するのって難しいじゃないですか? それをすべてのパーツや部材でやるのって、結構骨が折れる作業だと思うんです。そういう作業が苦手であれば、企画住宅(建売)はいいかもしれないですね。モデルルームに行けば実物が見れますし、さらにオプションなどでかなり自分の好みに変更できるモノもありますしね。その空間が気に入れば、そのまま購入できちゃいますよ。何より注文住宅と比較すると安いモデルが多いから、そこそこ都心に近い場所で一戸建てを購入できるケースも多い。あと、決められた予算で家を探したい場合、予算調整のポイントがわかりやすい点もメリットだと思います。そう考えると、細かいところまで全部自分で決めたい!という方でなければ、企画住宅はアリですね」。
小松さん「企画住宅って今まで考えたことなかったけど、そんなメリットがあるんだ! 細かいところまで全部決めなくていいのは、個人的には楽だし、ハマる内容ならお任せの方がカッコ良さそうですよね(笑)。自分が欲しくなるモデルが企画であるのか、ですね。調べてみます」
自分だけのオートクチュールな家作りこそ、理想の家を手に入れる方法だと思っていましたが、道は他にもあるとのこと! 細かい点までこだわれる注文住宅もいいけど、たしかに完成図が見えている建売住宅なら『ここに自分たちが暮らすんだ』というイメージも沸きやすいし、何より細かな点まで全部自分では決められない!という人にはピッタリ。自分の趣味嗜好やセンスに近い物件が見つかるならば、予算や時間とのバランスを考えると、企画住宅も良い選択肢となります。次回は、実際に自分たちの理想の家に住んでみて、どうでしたか?と、先輩たちの感想を聞いてみます!
<#1>ボクらが一戸建てを買ったワケ。キャンプ好きの持ち家とは?