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「そろそろ家のことをちゃんと考えなきゃ……」なんて、ボンヤリと思ってしまうお年頃なボクら。BBQができる広い庭、ギア収納の専用スペース、薪ストーブを置いたリビング……。アウトドア好きなら誰もが夢見るこんな理想の家が、やっぱり欲しい!! でも、家を買うって、わからないことも多いし不安だらけ。ならば、みんなでじっくり家のことを話してみよう!ということで、キャンプ&アウトドア好きな3組を招き、住宅座談会を決行。一戸建ての購入を現在進行形で考えている人や、すでに家を購入した人など、さまざまな観点から家についてのクロストーク。全4回に渡って、家にまつわる座談会の様子をご紹介!
集まってくれたのは、キャンプという共通の趣味を持つ3組。一戸建てを2回購入した経験のある後藤さん夫婦、一戸建て購入に向け土地を探し中だという不動産業界で働く山下さん、そして、最近マイホーム購入を考え始めた小松さん。まだ「家を買う」ということについて漠然とした思いしかない、という小松さんと一緒に、知識豊富な2組の先輩からアドバイスをもらいながら、理想のマイホームについて考えてみた。
<小松さん(35歳)>キャンプが趣味で、GO OUTのキャンプイベントにはボランティアとしても参加。彼女との結婚を検討していることから、2、3年後を目標にマイホーム購入を考え始めたが、家を買うということが遠くに感じる持ち家童貞。現在は賃貸マンション住まい。
<後藤さん夫婦(ともに40歳)>インスタグラムでは多くのフォロワーを抱え、別冊GO OUT CAMP STYLE BOOKにもたびたび登場するおしゃれキャンパー夫婦。昨年、中古一戸建てを購入しリノベーションした経験をもとに、今回はマイホーム購入経験者として話を聞かせてくれた。
<山下さん(30歳)>GO OUTをはじめとするアウトドアイベントに参加するなど、キャンプが一番の趣味という山下さん。実は不動産業界で働く、不動産のマイスター。その知識を活かし、今回様々なアドバイスをくれた座談会のキーパーソン。これまで住んでいた分譲マンションを売り、現在は物件購入のために理想の土地を探しながら賃貸マンションに仮暮らし中。
小松さん「僕は彼女と今後一緒に生活することを考えていて、そうすると賃貸よりも家を購入した方がいいのかな?となんとなく考えはじめたんです。また、最近一戸建てを購入したという友人から話を聞く機会もあって影響を受けてしまった(笑)。広い庭や駐車場も付いている一戸建ての方が、キャンプ好きな自分としては趣味も充実しそうだなと思ってるのですが、まだ漠然としたイメージしか持ててないんですよね。皆さんはどうして一戸建てを購入したんですか?」
後藤さん「実は私たちが戸建てを購入したのは2回目なんです。今は新築より安く購入できるという理由から、中古一戸建てをリノベーションして住んでいます。元々は都内のマンション住まいでしたが、結婚を機に実家の近くに住もうかなって。そんなタイミングで親が地元の駅近中古物件を見つけてきたことがキッカケで、ある意味ふと購入したのが1軒目。ペットを飼っていたので、賃貸の場合はペット可の物件を探すのも大変だったし」。
山下さん「僕は趣味のキャンプを充実させるために一戸建て購入を決めましたよ。キャンプ場へ行くには車が必要で、都心で駐車場を借りると月3万円ほど掛かってしまう。また、自分が持っているテントを張れる広い庭があればキャンプに行けない週末が続いても、自宅でアウトドア気分を味わえるじゃないですか。そう考えると都心よりも手頃な価格で広い土地を買える郊外に一戸建てを持つ方がいいなと。今は住んでいた都心のマンションを売って、賃貸マンションに住みながら条件に合う土地を探しているところです」。
ご後藤さん「わたし的にもアウトドア好きの人には、戸建をオススメしたいです。今の家では、リノベの設計時点で駐車場のすぐ後ろに土間を作るようお願いしました。そうしてギア倉庫にしている土間を設けたことで道具の出し入れがすごく楽になったし、専用の収納場所も持てたことで、よりアウトドアという趣味を充実させる環境が整いました。ほかにも、キャンプ仲間を呼んで庭にテントを設営したりもできるので、自宅で過ごす時間も増えて充実していますよ」。
小松さん「後藤さんの初購入は悩みに悩んでって感じじゃないんですね。家を買うってもっと大変なことかと思ってました。あと山下さんのように趣味のための住環境と考えて、それにぴったりハマるエリアと予算、というように検討していくならシンプルですよね。僕もキャンプを始めてから一戸建ての家っていいなと思うことが多くなりました。雑誌などでアウトドア好きの人が一軒家に住んでるのを見ると、ギア専用スペースがあったり庭でデイキャンプをしたり……。アウトドア好きには理想の空間だろうなぁと。見た目にもカッコいいですしね(笑)。でも実際買うとなるとお金の問題はじめ、考えることが多そうでちょっと日和ってしまうんすよね」。
山下さん「不動産という仕事柄、いろいろな方とマイホームの話をしてきましたが、やっぱり家を買うまでは“家を買う=借金”、と考える人が多いんですね。でも、メリットも多いというのも事実です。一戸建てで土地を買う=資産を持つ、と考えて欲しいんですよ」。
小松さん「なんかザ不動産屋!!って感じのお話ですね(笑)」。
後藤さん「でも私も1軒目を買うタイミングで、親から『土地を持っていれば資産になる』というアドバイスをもらいましたよ。賃貸で毎月10万円払っても資産としては残りませんが、一戸建てを持っていると土地が手元に残ります。で、実際に1軒目は売却したお金で残りのローンも完済できたし、これまでに掛かった家に関する費用も実質ゼロになりました」。
山下さん「僕の場合は分譲マンションでしたが、後藤さんと同じように自分が購入した額とほぼ同額で売却できました。そのマンションは電車の駅も近く交通の便が良い場所だったこともあって、ベストなタイミングで売却できたんです。そうやって好条件が整っていると資産としての価値を高く保てるので、ローンを完済できたり、なんなら次のマイホームのための土地の頭金まで作れたりしますよ。僕は実際そうなりました」。
小松さん「なんとなくですけど、数年間持ち家に住むのに得しちゃうって話ですか? それって山下さんみたいに詳しいからできるんですよね?」。
山下さん「いえいえ。多少の知識は必要ですが、すごくシンプルですよ。家は経年劣化のため値段が付きにくいですが、土地の価値ってちゃんと場所を選べばそれほど変動しないところもあります。例えばですが、2000万円の物件に10年住んだとします。その場所が好立地だとして1500万円で売れたら、使ったお金は単純計算すれば500万円。住んだ10年で家賃として500万使ったと考えると1年50万。月で換算すれば、毎月約4万円の家賃で済んだことになる。こうしたメリットが得られるのは、やっぱり土地を購入したからです。ですから一軒家を買う(土地を買う)=資産を持つというように考えられるようになるはずですよ」。
後藤さん「立地条件は本当に大事だと思います。売れる金額もかなり変わりますよね。1軒目は土地面積が狭かったんですが、駅が近いなど周辺環境がとても良くて、購入した時とほぼ同額で売れました。今回購入した家も同じ地域内の駅近くで探したんですが、前の家よりも広い土地という条件をプラスしたので、なかなか大変で。運良く見つかりましたが、他にも希望者がいたみたいだし、先約順になるのですぐに購入手続きに入りました」。
小松さん「なるほど。立地条件は大事なんですね。キャンプ好きだから郊外の方がいいのかな、なんて単純に思っていましたがそんな訳でもなさそうッスね。やっぱり家を買うまでに土地のこととか、知識がないと損してしまいそう……」。
後藤さん「私たちも、初めて家を購入したときは何の知識もないまま、あまり深く考えずに購入しました(笑)。でも2軒目を探しはじめてから、土地について知識を得たので一戸建てを購入する=資産になると考えられるようになって、そういう目線でも物件探しができたんです。今回はキャンプという趣味を充実させるために2軒目に引越ししたけど、もし、何十年後かに趣味が変わったとしても、家を売って都内に戻る、なんてこともアリかなって。そう考えると家を買うハードルが少し下がった気がします」。
山下さん「駅が近い、街自体の環境が整っている、などの立地条件が良ければ買い手もすぐ見つかるし、後藤さんのように好条件で売ることができる場合は多いです。なので、引越すことを前提に一戸建てを購入する場合は、立地条件重視で検討することをオススメします。僕は次に住む家を売るつもりはないので、都心から離れた郊外で探しています。通勤は前より不便になりますが、そこは割り切って我慢。その代わりに週末の趣味を充実させられる環境で、という考えです。自宅でどう過ごすかを考えて、理想の環境や間取りを手に入れるのも一戸建て購入の醍醐味ですね」。
小松さん「なるほどぉ。マイホームって一生に一度の大きな買い物で、借金を背負ってしまうというイメージが強く、ホントはかなりビビってたのですが(笑)、実際はそんなに重く考えすぎなくていいのかも、と思えてきました!!」。
実際に購入者の話を聞くと思った以上にメリットが多いマイホーム購入。ギアを収納する場所が欲しいし、駐車場も必要。それにデイキャンプができる広い庭があれば完璧! そんなキャンプラバーのワガママも、庭や駐車場が確保できる土地があって、家の間取りをある程度理想通りに組み立てることができるという一戸建てなら叶いそう。
でもイザ購入となった場合、自分の理想通りに進むもの? ローンなどのお金の問題はどう解決したの? 実際に買うまでに何を調べる必要があったの? 誰に相談しながら進めれば良いの? 次回はそんな持ち家童貞の素朴な疑問を、先輩たちに詳しく聞いて解決していこう。