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各地で急増する多様なランニングコミュニティに日に日に興味が増している。なかでも文化服装学院とコラボし、 ラン好きの業界人が集結するイベント『春のタヌキ祭り』 も主催している「タヌキ」は特に目が離せないランニングブランドのひとつ。ディレクターの加藤賢さんは学生時代にオランダで経営学を学び、 外資系アパレル&アウトドア企業で商品開発や営業経験を経て独立した人物である。ブランドの強みは2020年の設立時から一貫しファッション性にかなり重きを置いたデザイン力にある。ビッグT、 ワイドパンツ、チロリアンハットなどランニング界には珍しいものが揃う。カプチーノ、 キャラメルブラウン、 デミタスといった独自のカラーも秀逸で、唯一無二の世界観を築く。
「利益重視ではなく、生産者やユーザーの顔が見えるモノづくりをしたいと思って始めました。パターンやWEB関係もアウトソーシングだから、従業員は私と妻の二人だけ。夜の晩酌で『どんなことをしようか』 なんて話しながら思考錯誤の毎日です。文化服装学院との取り組みもその会話から生まれたんですよ。なのでほんとに少しずつ普及していったって感じです。例えば取扱店のカナダのランショップは、仲良くしている渋谷区のランニングチームに所属するひとりが留学して
繋いでくれたのがきっかけだったり、あとはSNSでフォローしてくれた外国のランナーとコミュニケーションを交わすことで何かが生まれたりって感じです」 。
作っているウエアは一般的な機能服が似合わない妻が似合うかどうかも重視しているのだとか。生産者含め、身近な人たちを大事にし、地道に走っていく。「タヌキ」を通して気になっていたランニングコミュニティの本質を知ることができた。
ディレクターの加藤さんは、東京都心にインディペンデントなラン系ブランドが集結する『春のタヌキ祭り』も主催。5月11日に開催されたそのイベントはご覧のとおりの大盛況。その様子をお届けします。
ランニングブランド、アウトドアブランド、ローカルショップが持ち寄った、ユニークなアイテムが展示・販売される『春のタヌキ祭り』。同時にレインボーブリッジ周辺を走る、参加者同士の繋がりを促進するグループランニングや親子レース、コネクトを目的としたポッドキャスト収録などのワークショップも行なわれた。開催場所は東京・浜松町にある都立産業貿易センター。
「BUDO」 、「BAMBOOSHOOTS」 、「halo commodity」 、「UJMT.」 、「RETO」 をはじめ、ロンドンのランニングコミュニティから派生したブランド「PROGRESS RUNNING CLUB」など、国内外約45ブランドが出店。会場では「ALTRA」 、「BROOKS」 、「KARHU」といったシューズブランドの試し履きができ、気になっているアイテムを、じっくり手に取ってみることができることもあり終日大盛況となった。
今すぐ走れるスタイルの人や、ランニングウエアを街着としてうまく取り入れてオシャレを楽しむヒト、ULハイカー寄りのギアにも精通したマニアックなヒトなど、男女率も半々くらいで、さまざまなヒトが来場。来年はさらに盛り上がりを見せてくれそうだ。
タヌキの生産管理担当が文化服装学院の卒業生だったことをきっかけに、生徒とランニングウエアを作るというコラボレーション企画がとんとん拍子に進んでいったらしい。その共同プロジェクトも次で3作目となる。
第一作目のプロジェクト参加者は僅か3人だった。加藤さんは走りの苦手な学生らと時には一緒に走りながら、彼らのアイデアを汲み取りトップスを製作。
大きいスリットをリブで作り、基本夜に代々木公園などを走ることからリフレクターのリブが採用された。
「BunkaRunningClub」の参加者も増加。新たに製作されたウエアが、こちら。
前の裾部分を少しタックインして着こなすことで、右サイドのリフレクターが見えるデザインなど、学生たちのアイデアを随所に起用。クラブは今年、同好会から正式な部活動になった。
走るのが苦手でゴールキーパーを13年していた徳岡先生(写真左から2人目)は、加藤さんの熱弁を聞き、一度走ってみるかと、白馬のトレランレースに単身で出場。そのときに初めて走る面白さを知り、学内に「BunkaRunningClub」を発足し共作に挑んだ。
3作目はヴィンテージデニムジャケットがデザインソース。
現在部員数は約40名に成長。学内外のメンバーが集まり、グループランニングやトレイルランニングを通じて、新たなファッションカルチャーに触れることを目的に活動。
Instagram:@bunka_runningclub
シティユースでなんのためらいもないカラーリングやデザイン性を備え、なおかつアクティブに対応する機能美もバッチリある。そんなボクらの理想をカタチにした、「タヌキ」現在のラインナップをご紹介。
Waffle TRC BigT ¥8800
左裾にポケットを配備した、ビッグシルエットTシャツ。日常着として用い、そのまま走りだしたい1着。ポリエステル100%の糸で編まれたワッフル素材で、吸水速乾性、UVカットも備える。
Cesca T ¥8250
コットンTのような雰囲気だが、軽量性と吸水速乾性、UVカットを有する。身体にフィットしすぎない丁度良いシルエット。ランニングウェアらしくないカジュアルなカラーリングも◎。
Sato Wind Anorak ¥22000
1990年代のルーズなシルエットをベースに、ドロップショルダーを採用し、ゆとりのあるフィットで製作。パーテックス素材(高密度ナイロン)で、軽量・速乾性もありパッカブルできる。
Andante Short ¥15400
バネ形状のポリ100%で強いストレッチ性を持つ、軽量かつリラックス感のあるショーツ。ブランド十八番のカプチーノカラーや、フロントの大きなポケットがたまらなくかっこいい。
Andante Wide Pant ¥17600
アクティブに使えるワイドパンツとして開発された逸品。多少バタつくことがあるかもしれないが、ツッパリ感がなく、なにより見た目がスタイリッシュ。こんなウエアを着て走りたい。
Andante Cardigan ¥20900
ほかではお目にかかれない、山で使えるカーディガンは、軽さとストレッチ性、撥水加工もバッチリ。ほどよく内側の熱気を逃がすからオーバーヒートしにくく、意外と理にかなっている。
Arrow NS Henry 2 ¥10450
耐引き裂き強度、吸水、速乾、軽量、ストレッチ、接触冷感、UVカットなどを備えるテクニカルな素材を使いつつ、機能系っぽさを極力無くすよう配慮。ヘンリーネック仕様でカジュアルに。
Sato Running Bib ¥7700
Tシャツやスウェットに重ねるなど、ランニングでもカジュアルでも使えるレイヤリングアイテムとして誕生。糸自体が伸縮性を持つ素材で、吸水速乾性とUVケアも備えた万能アイテムだ。
Rectangle T ¥8250
東京・渋谷区を拠点とする「チキンハートランニングチーム」のウエア製作から生まれたフレンチスリーブが特徴の人気モデル。トレランのハードさと、ブランドのリラックスさが見事に融合した。
Sato Synthetic Cap ¥6600
豊かな伸縮性と強度が特徴のライクラブランドのポリウレタン素材とナイロン素材を混紡した素材。適度な厚みや、僅かな光沢で、ランニングキャップらしくない品の良さが生まれている。
Sato Tyrolean Hat ¥7700
普段も使えて、走れるチロリアンハット。その最大の特徴はツバの後ろを折り上げる形状にある。お洒落なのは言わずもがな、ヘッドライトの邪魔にならなかったり、なにかと使い勝手も良い。
Cesca Stuff Sack ¥3850
タヌキのトレイルランニングザックを入れるために作られたスタッフサック。素材にハリ感があり、ランの前後に着替えを入れて持ち運んだりしても安定し、しっかりと形作ってくれる。
Cesca Knapsack ¥9900
ブランドの人気素材を用いたシンプルな形状のナップサックは、トートとしても、リュックサック
としても使える2WAY仕様。軽量でパッカブルでき、内側と外側にポケットを配備している。
Sato Border Socks ¥2200
やや短めのショートパンツとの相性がとても良いクルー丈のランニングソックス。底面がクッション性のあるやや厚地のパイル仕様になっていて、着地の際に足にかかる衝撃を軽減してくれる。
Photo/Shouta Kikuchi Report&Text/Naoto Matsumura
(問)タヌキ tannuki.jp Instagram:@tannuki.running
The post 【ブランドピックアップ〜 TANNUKI〜】ファッション軸のデザイナー&パタンナーとともに“走れる街着”を提案。 first appeared on GO OUT WEB.