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ということで、美味しいビールがあるスポットといえば居酒屋。おしゃれなクラフトビールもいいけど、おじさんの疲れたカラダを癒してくれるのは、ジョッキの生ビールに限る。
そこで目指すのは、JR青梅駅の近くにある「やきとり銀嶺」。グーグルマップのレビューは4.2と高評価で、あの吉田類さんも訪れたことがあるとか。これは期待せずにいられない!
今回の遊歩メンバーは第1回目に続き、部長のキャンさん、ボルシチの辻井さん、ユナイト ナインの大桃さんと赤沢さんの4人。前回の打ち上げがクリームソーダだったので「今回こそはビールで乾杯したい!」と、同じ面子でリベンジすることに。
朝イチで集まってもらったのは、JR青梅線の「軍畑駅」。ここから「青梅丘陵ハイキングコース」を経由して居酒屋に向かうが、キャンさんと辻井さんは馴染みがあるルートらしい。
キャン「ここから青梅駅までのコースは何度も歩いているけど、だいたい10kmくらいですね」
辻井「ですね。トレランのトレーニングで走ったこともありますよ」
大桃「なるほど。まぁまぁ、ありますね……」
赤沢「ワタシ、1日に10kmも歩いたことないかも……」
スタート前から、若干不安そうな大桃さんと赤沢さん。はたして無事に居酒屋に辿り着けるのか?
「軍畑」と書いて、“いくさばた”と読む、東京の無人駅。ちょっと物騒な名前通り、戦国時代の合戦の舞台になった歴史ある場所でもある。
かつてこの地を支配していた三田一族と、八王子の北条氏が多摩川を挟んで激突した「辛垣(からかい)の合戦」であり、いまから460年ほど前のことだ。
それを象徴するのが、駅から見下ろすことができる、「鎧塚」と呼ばれる円墳。この戦で討死した武者たちの刀や鎧を埋葬した塚であり、青梅市の史跡として指定されている。
ちょっとわかりにくいけど、大桃さんが指を差す先にある、こんもりした林が円墳らしい。本当は小さな祠が見えるはずだけど、残念ながら緑が生い茂り目視できず。
ローカルの歴史をちょっと堪能したところで、いよいよ遊歩スタート。JR青梅線の小さな踏切を越えて、まずは「青梅丘陵ハイキングコース」の登山口に向かう。
赤沢「歩いてから飲むビールは美味しそうだけど、もうちょっと近くからでもいい気が……」
辻井「そこは10kmくらい歩いたほうが、より美味しいってことで(笑)。それに、軍畑駅の近くに登山口があるんですよ」
辻井さんの言葉通り、すぐさまハイキングコースの道標を発見。駅から徒歩でアクセスしやすく、登山ビギナーでも歩きやすい人気のコースらしい。
ここからは、鎌倉時代に整備された「旧鎌倉街道」を歩く。秩父と鎌倉を結ぶ「いざ鎌倉」的なルートだが、このあたりに当時の面影はあまりなく、緩やかな坂が続く峠道となっている。
それでも、街道の脇を流れる平溝川の清流が美しく、歩きはじめたばかりの朝とはいえ、汗ばむ時期の遊歩に、ちょっとした清涼感をもたらしてくれた。
30分ほど歩くと、道脇に再びハイキングコースの道標を発見。ここは青梅丘陵の西側の登山口になる榎峠。
青梅市の北にある「青梅丘陵」は、標高300m~500mほどの小高い山が東西に連なっている。その最高峰が雷電山(らいでんやま)であり、この登山口から最初に越える山となる。
キャン「最初はちょっと急勾配が続くけど、雷電山を越えたら、あとは緩やかにアップダウンしつつ下山していきますから」
大桃「まずは雷電山の山頂を目指すんですね。行きましょう!」
散歩感覚で峠道を歩いてきた4人は、気を取り直して、いざ青梅丘陵ハイキングコースへ。
ハイキングコースに入ると、雑木の隙間に這うように組まれた、木枠階段がお出迎え。しばらく急勾配が続くが、登り始めたばかりの4人の足取りはまだ軽い。
山道に入ると対応しておきたいのが虫除け対策。そこで活躍したのが、赤沢さんが持ってきたハッカ油スプレー。全員で回し掛けして、あたりにはハッカの爽やかな香りが漂う。
赤沢「ハッカ油を水で希釈しているから刺激が少なく、直接肌に吹き付けても安心です!」
雨風の影響か、いきなり巨大な倒木を発見。まだ目新しい状態で、撤去されずに残っていた。自然の脅威を間近に眺めながら、一向は木枠の階段をテンポよく上がっていく。
ハイキングコース内には、榎峠と雷電山の距離感をわかりやすく可視化する道標が設置されていた。これならペース配分しやすいから、誰でも楽しくハイクできそう。
それでも歩きやすい道ばかりではなく、木の根が複雑に絡み合う自然の階段や不安定な足場も。ワイルドなロケーションも多く、山頂までの道のりは意外と険しい。
そんななか、大桃さんの足下は、素足に近い感覚で歩けるベアフットサンダル。超ミニマルなデザインで一見すると頼りなさそうだが、慣れるとトレランコースを走ることもできるとか。
大桃「これくらいの山道なら、このサンダルでも大丈夫だと思います。たぶん(笑)」
30分ほど登り続けると、雷電山の山頂に到着した。標高494mだから山というよりも丘に近いが、昔はこのあたりで雷が多く発生したため、こんな名前が付けられたとか。山頂には雨乞いの祠もあったらしい。
絶景は拝めなかったが、背が高い雑木に覆われた山頂は炎天下の日差しが届かないため、なかなか涼しくて快適。マイナスイオンもたっぷり出ていそうなので、森林浴さながらノンビリと休憩することに。
各自がお気に入りの行動食を持参するなか、ここで大活躍したのが大桃さんと赤沢さんが持ってきたオヤツ。
大桃「『プリングルス』はサワーオニオンが人気だけど、山で食べるならシンプルな味わいの“うましお”一択です。バッグのなかでも潰れにくいし、フタができるのも山行向き!」
赤沢「ワタシは、成城石井で買った『塩すいか飴』を持ってきました! 塩分補給もできるし、ちょっとだけ夏気分を味わえるかなって(笑)」
コンビニやスーパーで買えるオヤツを食べても、いつもより美味しく感じるのが山マジック。どちらも大好評で、ほどよい塩分が疲れたカタダを癒してくれた。
そして、偶然ながら4人中3人が持参したのが、日本の伝統的な清涼グッズ。コンパクトに折り畳める扇子や、邪魔にならない小型の団扇は、歩きながら気軽に使えるアイテムらしい。
雷電山の山頂で休憩したら、次に目指すのは辛垣山(からかいさん)。ここからはアップダウンを繰り返しつつ、山深い林間を進んでいく。
それでも「青梅丘陵ハイキングコース」は、始まったばかり。ビールまでの道のりは、まだまだ遠い?
【#02後編へ続く】
Photo/Fumihiko Ikemoto
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