2024年6月28日〜30日に幕張メッセにて開催されたアウトドアの大博覧会「TOKYO OUTDOOR SHOW」は自然に優しく、自然を楽しむ。をコンセプトにアウトドアギアやウエア、モビリティの展示・販売を楽しめ、また我々を取り巻く自然環境の保護についても興味を持つキッカケが多く盛り込まれたイベントで、そこから生まれた新しい動きが「TOKYOの森づくりプロジェクト」。東京都において島を除いて唯一の村である檜原村に拠点を構える林業会社、東京チェンソーズとのコラボで、東京の森を美しくすれば流域の生活が豊かになる、というのを合言葉に、檜原村にある山に実際に入って、森林について学び、整備をすることで、東京の山間部の自然環境を自覚的に感じることができる体験活動。

東京の40%を占める森林を美しくしよう。

11月10日(日)に東京チェンソーズが所有する檜原村の森林「MOKKI NO MORI」にて第1回目がスタート。当日は9名の方がボランティアとして参加し、朝から夕方まで森林について学び、道具を抱えて山を整備した。

まずは東京チェンソーズ代表の青木さんより東京の山や森林についての説明を受ける。東京は面積の36%が森林となっており、檜原村においては93%が森林で占めているそう。そして山肌に見える緑の部分が人工林と呼ばれる人の手によって整備されたエリアで、紅葉しているエリアが木々が自然に生えてきたエリア。戦前の檜原村では木々を炭にする炭焼き林業が盛んで、渋谷がまだ村だった時代に、檜原村から炭を出荷していた麓にある武蔵五日市はすでに町だったほど栄えていたそう。しかし戦時中に燃料として相当数の木が伐採され日本全国がハゲ山となってしまったため、国が主導して戦後に植林を行ったのが今の山の状態のベースとなっているそう。なので人工林として見えているエリアの木々は樹齢が6-70年になる。

東京の森を美しくすれば流域の生活が豊かになる。

その後も青木さんによる森林に関する様々な説明が行われ、参加者全員が非常に興味深く話を聞いた。そして今回の整備のコンセプトでもある「東京の森を美しくすれば流域の生活が豊かになる」という話では様々な質問も飛び出した。簡潔に言えば奥多摩〜多摩の農業地帯〜23区〜羽田と続く一本のラインで、檜原村を含む奥多摩の山々は多摩川流域の水源となっている。その根本である山や森林が荒れていると水が流れ出す川も荒れてしまい、そして海まで荒れる。なので一番根っことなる奥多摩の山を整備することで災害を防ぎ、美しい水を生み出そうというものだ。

トンガを片手にヘルメットをかぶって作業がスタート。

お昼前には作業開始となり、各々に道具が手渡され、作業の説明を受けた。

今回行ったのは作業道作り。山の傾斜で作業する上でインフラとなるトレイル。こちらが崩れていたりすると作業ができず山が荒れがちになる。トンガと呼ばれるツルハシのような道具を片手にそれぞれトレイルに入って、少しずつ作業を行っていった。

荒れたトレイルをトンガを巧みに使って掃除し、道を平坦というよりもすこし山側が低くなるように整えていく。崖側が崩れているところはその場で木を調達し保護する部材を打ち込んだりもする。

馴染みのあるロゴを木こりの足元に発見。

スタッフの方がチェンソーを巧みに操っている時にふと見つけたのがこちら。

履いていたパンツにはモンベルのロゴ。モンベルはこのように林業用のパンツも作って販売しているよう。チェンソーでケガをしないような工夫が施されているそう。チェンソーの刺繍がかわいい。

モンベル 林業用品のページ

作業終了。BEFORE/AFTER

そしてついに作業が終了。どのように変わったかは以下の通り。

このようにトレイルがキレイになることで、人が通りやすく、切った木を運び出しやすくなり作業が円滑に進むため、幅広いエリアでの作業が可能になるというわけ。このような作業を通して参加したみなさんは口々に自分の生活と森林の関係が意外と密接であることに驚いたと話しており、今後自然を見る目が変わるとの声も。

無事第1回目が終了した「TOKYOの森づくりプロジェクト」だが、今後も継続して活動を行う予定で、また2025年開催予定のTOKYO OUTDOOR SHOWでも参加希望者を募るとのこと。この記事を読んで気になった人はぜひご登録ください。

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最後に今回の作業中に気になったものを2つご紹介

MOKKI NO MORIに設置されたコンポストトイレ。便器の中が2つに分けられており前が小を貯めるタンク、後ろが大が貯められる土になっており、大のあとにレバーで土をかき混ぜることによって腐葉土が完成する。また小のタンクは植えて間もない木の周りに散布することで猪や鹿の侵入が防げるそう。ちなみにこのトイレは臭いが全くしない。トイレの中で深呼吸してみたが本当に臭わないのだ。どうやら小と大を混ぜなければ臭いが発生しないそうで、これには参加者全員が驚いていた。

今回の参加者に4名の職人さんがおり、全員同じイラストがプリントされたTシャツを着ていた。この4人はMusubi Arborという植木屋集団。さすが職人だけに、作業をプロ並みのスピードで進行していた。

Musubi Arbor

Photo:Taizo Shukuri

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情報提供元: GO OUT
記事名:「 TOKYO OUTDOOR SHOW発の新たな取り組み「TOKYOの森づくり」プロジェクトが始動。