オフローダーとしての性能を磨き続けている「ディフェンダー」だけでなく、豪華さや洗練性を追求したラグジュアリー志向の「レンジローバー」、日常と多用途を重視した「ディスカバリー」もラインナップしている「ランドローバー」。

2030年までに各モデルでBEVを提供するなど、ゼロエミッション、ネットゼロカーボンの社会を実現するための目標のなかで、2024年は「PHEV(プラグインハイブリッド)」の強化を打ち出しています。

そんなランドローバーのPHEVは、2017年にデビューし、2021年にバッテリー容量拡大のアップグレードを実施してきました。電気モーターとガソリンエンジン両方のいいところを備え、現在におけるパワートレインの最適解といえるプラグインハイブリッド。今回は「レンジローバーPHEV」最新モデル試乗会に参加してきましたので、その模様をお届けします。

循環型社会を実現している「クルックフィールズ」が試乗会の拠点。

会場となった千葉・木更津にある「クルックフィールズ」は、農業・食・アートを軸に、音楽プロデューサーの小林武史が代表をつとめる、東京ドーム約5個分の広大な施設。サステナブルな社会の実現を目指し、「循環型社会」を敷地内で実現しています。

オーガニックファームで収穫した野菜はレストランで提供され、排水は微生物と植物によるバイオジオフィルターで浄化、場内の活動で出るゴミは堆肥となって作物を育て、電力は太陽光パネルで供給。栄養と水がめぐり、農業が循環しているのです!!

敷地内の約7ヘクタールの広大な「オーガニックファーム」は、長い期間をかけてスタッフたちがみずから開墾から土づくりまで行い、野菜やハーブ、エディブルフラワーなどさまざまな作物を育てている。
場内に設置された「太陽光パネル」は、施設内の設備の電力すべてをまかなえるほどの発電量。もちろん今回試乗したPHEV車のバッテリーもこのソーラーパネルから充電。
日本では珍しく約30頭の「水牛」を飼育し、ホルスタインに比べると1/5〜1/6程度しか毎朝絞れない希少なミルクを用いて、モッツァレラチーズなどをつくっている。
クルックフィールズの各施設を案内してくれたKURKKU FIELDS スタッフの佐藤 剛さん。幼少期からアウトドアに勤しみ、学生時代はカヌーに熱中。奄美大島でのネイチャーガイドやアウトドアブランドでの勤務経験もある、生粋のアウトドアズマン。

街乗りに十分なバッテリーを備えた、「イヴォーグ」PHEV最新モデル。

レンジローバーシリーズの末っ子となる「イヴォーグ」のPHEVモデルに試乗。クーペライクのスタイリッシュなフォルムに、1.5Lガソリンエンジンと最高出力40kWの電気モーターを搭載。リチウムイオンバッテリーの容量は14.85kWhだが、都市部での短距離使用が多いユーザーにとっては十分なところ。

RANGE ROVER EVOQUE AUTOBIOGRAPHY P300e
2Lガソリンとディーゼル車もラインナップするプレミアムコンパクトSUVの「イヴォーグ」。PHEVモデルは普通充電のみ対応で、6kWの普通充電なら約148分でフル充電可能。【SPEC】全長4380×全幅1905×全高1650mm ホイールベース2680mm 車両重量2210kg 1498cc直列3気筒ガソリンエンジン 最高出力147kW(200PS) 最大トルク280Nm モーター最高出力40kW 燃料消費率WLTCモード12.7km/L 等価EVレンジ65.1km 車両本体価格964万円〜

積極的にEVで走るというよりは、低速ではEVだけで静かに滑らかに走行し、加速したいときには電気モーターがエンジンをパワフルにアシストしてくれる乗り味で、エンジンありきのハイブリッドらしい親しみやすい1台。トライベッカブルーとブラウンの2トーンカラーもグッド!!

フルデジタルのメーターディスプレイ、スイッチ類の機能がセンターディスプレイに集約され、シフトレバーまわりのセンターコンソールにいたるまで洗練されたデザインが際立つインパネ。
エンジンとモーターを組み合わせたHYBRID、モーターだけで走るEV、エンジンだけで走行と発電をするSAVEの3モードは、大型センターディスプレイで確認できる。
4WD走行のモード選択やヒルディセントコントロールなどの設定ができることもレンジローバーの四駆車ならでは。
グレー基調のインテリアに合わせた上質なテキスタイルを採用したシートを装備。ガラスルーフはオプション設定。

五感でサステナブルを体験できる「クルックフィールズ」の施設。

「クルックフィールズ」はアートにまつわる施設も見どころで、建築家の中村拓志が設計した地中図書館、草間彌生や増田セバスチャンの作品などが会場内に点在。また、宿泊施設のコクーンもあり、宿泊者限定のレストランではクルックフィールズならではの食を楽しめるプランも選べます。

草間彌生の作品はこちらの「無限の鏡の間-心の中の幻」のほか、「新たなる空間への道標」がある。
「地中図書館」は、その名のとおり地面の中に隠されたように存在していることも驚きだが、さまざまなカルチャーにまつわる個性的な選書も見ごたえありで、図書館目的で来場するヒトも多いそう。
すり鉢状の敷地の高台に位置するcocoon(コクーン)は、繭のようなカタチをした全7棟の宿泊施設。キッチンラウンジ、レストラン、サウナ小屋が点在し、宿泊するヒトをゆるやかにつなぐ。
フィンランド語で“素”を意味するperus(ペルース)は、8席のカウンターでシェフと対話しながら、旬のコースを味わえるレストラン。場内で飼育している水牛のモッツァレラチーズ、ジビエの猪を炭火で焼き上げ、畑で収穫した野菜をそえた料理など、それぞれに合うお酒とともに提供してくれた。

別格の乗り味を味わえる、最高峰の「レンジローバー」PHEVモデル。

「レンジローバー」の最高峰モデルにも試乗。38.2kWhのバッテリー容量なのでEVモードでの走行距離は約100kmを実現し、スーッと走り出してレスポンスにも優れたモーターでの乗り味は別格!! ハイブリッドモードでは気持ちよいサウンドとともに直6エンジンのパワーも加わり、圧倒的な走りを体感できました。

RANGE ROVER AUTOBIOGRAPHY P550e
スタンダードホイールベースの2023年モデル。【SPEC】全長5065×全幅2005×全高1870mm ホイールベース2995mm 車両重量2970kg 2993cc直列6気筒ターボチャージャー エンジン最高出力294kW(400PS) 最大トルク550Nm モーター最高出力105kW 最高トルク275Nm 燃料消費率WLTCモード9.9km/L 等価EVレンジ111km 車両本体価格2447万円〜
エアコンやオーディオのスイッチ類がセンターディスプレイに統合され、すっきりとしたデザインのインテリア。あらゆるところから最上級なクルマ感を味わうことができた。
後席はキャプテンシートのエグゼクティブ仕様。それぞれにディスプレイも備え、さながらビジネスクラスのよう。電動開閉式のサイドステップも装備。
普通充電に加えて急速充電にも対応。クルックフィールズの充電設備は場内の太陽光パネルが発電した電気を使っている。まさに循環型の試乗会!!

2025年導入予定の「ディフェンダー」PHEVモデルにも期待大。

「クルックフィールズ」が実現している循環型社会、街乗りの主な用途は電動パワートレインだけでこなす「レンジローバー」のPHEVモデルがもたらす、ゆとりのあるライフスタイル。地に足のついた嫌味のないラグジュアリー感をそれぞれから味わうことができ、持続可能な社会とクルマの関係を垣間見た気がします。

また、「ディフェンダー」のPHEVモデルも2025年に導入予定とのことなので、そちらも期待して待ちたいところです。

Photo/Fumihiko Ikemoto

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情報提供元: GO OUT
記事名:「 「レンジローバー」PHEV最新モデルを、サステナブルな環境でテストドライブ。