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いろいろと世の中の状況が変化しても、みなさんの趣味の外遊びと、生計を立てる手段としての仕事の役割は変わりなく続いていることかと思います。
そんな今だからこそ、ジブンならではのバランス感覚で「アソビ」と「シゴト」のスタイルをキープしている5人のリアルを、ほんの少しだけ拝見させていただきました。
2020年の6月に開館したニュウマン横浜内にできたバーバー、フリーマンズ スポーティング クラブで店長を務める髙城修造さんは、海からほど近い藤沢市の北側で妻と娘、小型犬とともに暮らす。
「仕事場の横浜までは電車で一本。海が近いから出勤前サーフィンもできます。朝から遊んで疲れるんじゃないかと思うかもだけど、むしろその逆。その日最初のお客さんのヘアスタイリングから即絶好調で仕事に取り掛かれるんですよ」。
髙城さんは父が理容師で、母は美容師という家庭に生まれただけに、18歳の時に東京の美容院に勤めながらいち早く免許を取得。20代前半にはロンドンに渡り修行を積んだキャリアの持ち主でもある。
「髪を切る仕事を始めた頃は美容中心だったんですけど、イギリスに行ってバーバーってイケてるんじゃないって思うようになったんです。自分は男性と喋ってるほうが楽しいし、可愛くするよりカッコよくできるほうがいい。何よりバーバーって趣味人が多いんですよ」。
「日本ではストイックな職人のイメージですが、海外だとブティック兼バーバーや、ロースター兼バーバーなんて店はザラ。カリフォルニアなどのビーチタウンにあるバーバーだと、サーファーやバイカーであることも当たり前。ニューヨーク発のフリーマンズ スポーティング クラブの〝スポーティング〞も、いわゆるスポーツではなく、サーフィンやバイクなどにおけるアクティビティを意味しているんです。アソビ好きが集まる場所ってこと」。
「ちなみにアメリカ発のバードや、オーストラリア発のアッパーカットといったウチで扱っているポマードも、そんな趣味人たちが立ち上げたものだったりします」。
髙城さんも例にもれず、職を通して暮らしを豊かにする様々なカルチャーに触れた。中でも特に生活の一部となるほど夢中になったのがサーフィンだったのだ。
「今ではバーバーでサーファーってことが自分でもちょっとした自慢だったりするんです。美容師でサーファーって人はよく聞くけど、理容師では珍しいのかなって。ロングヘアのサーファーでバーバーやってるって言うと、ひと昔前まではいろんな人からクエスチョンマークな顔をされてたけど、カリフォルニアなどにおけるカッコいいバーバーのスタイルが日本にも浸透してきましたからね」。
「とはいえ〝カリフォルニアのバーバーは〞なんて偉そうに言っても、自分も今の生活になる前までは川崎のほうに住んでいたし、出勤も銀座店だったから早朝にサーフィンなんてできたもんじゃありませんでした。サーフィンに行くのは当然休日だけで、かなり都会に根差した生活でしたよ」。
「アソビとシゴトを両立できるようになったのは、子どもも産まれるし、いっそ海の近くに家を買っちゃおうと計画性もなく意気込んだのがきっかけ(笑)。今の場所は遊び場と仕事場のちょうど真ん中に家があるようなイメージなので、生活もガラっとかわりました。双方にとって便利だし、藤沢は子育て支援にも積極的だから言うことなし。家族で鎌倉を散歩したりもできるし、まだ住んで1年だけど結構楽しんでると思います」。
髙城さんはサーフィンを通して、バーバーのファンを増やすこともできていると話す。アソビとシゴトがとにかく良いバランスでかみ合っているということだ。
「海でできた仲間が髪を切りに来てくれたりもする。フリーマンズ スポーティング クラブではアパレルも扱っているんですけど、それとは別に自分のディレクションでバンダナやTシャツなどを作らせてもらったりしていて、そんな製品を買ってくれたりもするんです。サーフィンを通じて仲良くなれた会社の上司や同僚もたくさんいますし。バーバーという仕事の醍醐味は、アソビをうまく活かせられることかもしれません。そもそも僕にとってバーバーは、シゴトというよりかはアソビかもしれませんけど(笑)」。
Photo/Atsuo Itakura Report &Text/Naoto Matsumura
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