世界的な人気カテゴリーであるRVのなかで、日本を代表するモデルといえばトヨタのランドクルーザー。特に1989年に登場した“ランクル80”は先代より大幅に性能が向上し、今も外遊び人憧れのクルマとなっています。



とはいえ、’97年に次世代機へのバトンタッチを果たし販売終了。現在は基本的に中古でしか入手できなくなっています。少なくとも20年以上前のクルマですが問題はないのでしょうか? そこでランクル80のオーナーである、アウトドアセレクトショップTsugikiの木原彰夫さんに本音を伺いました。






木原彰夫さん


東京の重要指定文化財、根津神社の参道入り口にある築100年の古民家を改装したセレクトショップTsugiki(ツギキ)を運営。アウトドアギアや故郷富山の伝統工芸品、オリジナルブランドUUU.などを軸に展開している。





特注カラーにバルーンタイヤを履かせた’94年式ランクル80。



木原さん所有のランドクルーザー80は’94年式。シトロエンの2CVに使われていたブルーストラトスをモチーフにオーダーした、こだわりのカラーが目を惹きます。加えてルーフは白に。オリジナルにはないツートーン仕上げもなかなかのインパクトです。



「前モデルのランクル60にあったツートーンを80で再現しました。フロントからリアウインドウまで入るホワイトは、キャノピー付きのピックアップトラックをイメージしています。もう、遊び心しかないカラーリングです(笑)」。


中東仕様のライトにカスタム。



フロントは通常だと横長一枚のヘッドライトを、角目四灯に変更。しかも中東への輸出用モデルに配される、小糸製作所のガラス製。


「古いクルマって樹脂パーツが黄ばんでしまいケアが必要になりますが、ガラスならキレイさが長持ちするんですよ」。


「そして、通称1ナンバー=商用車で登録を。ランクルは3ナンバーが一般的ですが、1ナンバーにすることで税金を抑えられます。ただし、車検が毎年。結局コストかかりますけど、製造から四半世紀以上経っています。気持ち良く乗るにはマメなメンテナンスが必要では?」。


スタッドレス要らずの全天候型マッドテレーンタイヤ。



一番のチャームポイントと木原さんが胸を張るのがタイヤ。アメリカのグッドイヤー社製で、比較的新しいモデルのデュラトラックを履かせています。オフロード用のマッドテレーンタイヤにも関わらずオールシーズン対応だから、冬でも交換しないで済むのだとか。



「河口湖とか富士山周辺に行って、一泊して朝を迎えたら一面真っ白みたいなシチュエーションでも問題なし。よほどの豪雪でなければ大丈夫です。静音性や燃費まで優秀なんですが、僕としてはフワッとボリューミーなバルーン感も、全体のバランスを整えてくれるのでお気に入り」。


インテリアは潔くシンプルに。



ラゲッジルームはイベントや出張先で、デスクワークをするスペースに。


「サーマレストのマットを敷き、クレイジークリークの座椅子に座って。2列目シートを倒せばフルフラットになりますから、車中泊だって余裕です」。



コクピットは意外にもほぼノーマル。「至ってシンプル、というか純正のままですね。いじったのはカーナビくらい。運転席で面白いのはコンパスと高度計が標準装備な点。実際に道具として使うクルマなんだと実感でき、愛着も湧きます」。


 


これは覚悟しておきたい、3つのウィークポイント。



約8年前に購入した木原’sランクル80。走行距離3万km程度の好状態だったそう。


「古いクルマなので細かい電装系、オイル関係といったポイントは経年で弱くなり壊れます。だからいって、走れなくはなりません。そこがランクルのタフさ。小さい部分が故障しても走れるんです」。


とはいえ、ランクル乗りお馴染みのウイークポイントがいくつかあるようで……。


WEAK POINT 1 オイル漏れ



「まず、デフまわりのオイル漏れ。どの車種でも起こりますけど、クルマ屋さんで直せますのでご安心を。壊れたとショック受ける必要ありません。この程度は壊れたうちに入らないですし(笑)」。


WEAK POINT 2. ゴムパッキンの劣化



ランクルの泣き所でメジャーなのはウインドウのゴムパッキン。「そもそも古いから硬化しやすく、パワーウインドウの動きを妨げるんです。窓が閉まらない現象がたびたび起こるわけですが、僕の経験だとほぼ原因はパッキンにありました」。


WEAK POINT 3. 駐車場に入らない



そして、東京の人は特に困るのが普段使う駐車場。「ランクル80はフル装備で約2.4tあり、最近増えている立体駐車場の重量制限を超えてしまいます。特にマンションにお住いの方は気をつけてください。平場の駐車場を探すのかなり大変ですよ」。


 


小さな故障はあれど、“まず壊れない”タフなクルマ。



堅牢で知られるランクルですが、木原さん曰く「壊れる=走行不能ならば、まず壊れません」とのこと。「日々小さな故障こそ起きますが、この年代のクルマは扱える整備士さんが多い印象。近所の整備工場や板金屋さんに連絡すると、チャチャッと直してくれることがしばしばです」


年代からいえばロートルなランクル80。とはいえ根本的丈夫さは最新車種顔負けのようです。これから購入を検討しているなら安心して良いでしょう。ただし、重量には要注意。まず駐車場を確保してからディーラーに出向くのが正解ですよ!


 


ここではザッと紹介しましたが、詳しくは↓の動画をチェック!



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情報提供元: GO OUT
記事名:「 外遊び好きに人気のランクル80、実際どうなの? オーナーさんに聞いてみた。