イベントというイベントが延期・中止になるなか、ドライブインスタイルのイベントがいま脚光を浴びています。


ドライブインイベントといえば映画鑑賞が定番ですが、最近はアレンジを効かせたフェス風味のイベントも増えているよう!


そんないま注目の新感覚イベントが、6月13日、栃木の岩舟山中腹採石場跡と千葉のイオンモール幕張新都心の2ヶ所で開催。野外フェスの新しいカタチとも言えるイベントを体験するべく、GO OUT編集部では2班に分かれて潜入してきました!


ライブからフェス飯まで車内で完結する、ドライブインフェス。



コロナ禍のこのご時世に、新たな野外音楽イベント「ドライブインフェス vol.0」が、6月13日、栃木県岩舟山中腹採石場跡にて開催されました。


これは、その名の通り、クルマに乗ったままライブパフォーマンスを楽しむことができるという、まさに新発想の野外フェス。



「vol.0」と銘打たれた今回は、50台限定のテスト開催。“クルマ1台で全て完結するイベント”というだけあって、FM電波を使ってドライブインスタイルでライブ鑑賞ができるだけでなく、3密を避けつつイベントを盛り上げるための様々な仕掛けが用意されていました。


 


LINEを使って3密防止! フェス特有の“行列”も消えた!


まず、従来のイベントにはない面白い仕掛けが、イベントのLINE公式アカウントと繋がりやりとりできる独自のシステム。


会場には地元栃木の飲食店が3店舗出店。こんなおしゃれキッチンカーもフェス気分をアゲてくれる大事な要素。

当然“フェス”というからにはライブを見ながら味わえる「フェス飯」も充実しているのですが、何よりこのイベントの面白いところが、LINE使ってクルマから降りずにフードやドリンクのオーダーから受け取りまで出来てしまうということ。


参加者に配布されたフェス飯メニュー。フェスでは定番のカレーやガパオなど豊富なバリエーションだが、ドライブインということでお酒はなし。

メニューごとに振られた番号とその個数を車両番号とともにラインで送れば注文完了! フェスあるあるである行列に並ぶ煩わしさがないのは嬉しい限り。

注文方法は簡単。エントランスで配られたメニューの中から好きなドリンクやフードを選んだら、クルマごとに割り当てられた車両ナンバーをLINEで送信するだけ!


あとはライブを見ながら待っていれば、スタッフさんがクルマまで届けてくれる。支払いはLINE Payでできるので、面倒なお金のやり取りも省略できるんです。


注文から待つこと約30分でフェス飯到着。テスト開催ということもあり、スタッフさんも慣れないシステムに大忙しの様子でしたが、行列に並ぶ必要がないので、待ち時間もそんなに気になりませんでした。

また、トイレへ行きたい時もLINEでの予約制で、連絡すると係員がトイレに向かうべきタイミングを指示してくれる。イベントにつきもののトイレ混雑問題の解消にもLINEが役立っていました。


トイレの利用にもLINEが活躍。事前に予約しておけば、並ぶこともなく待ち時間ゼロで利用できる。

 


アプリをフル活用して、道中も楽しい!


ドライブインフェス vol.0 のLINEアカウントから届いた、会場への道中で楽しめる音楽プレイリスト。出演アーティストがピックアップした楽曲が「Spotify」にアップされており、これを聴きながらドライブすることで、イベント前からテンションアップ!

事前にイベントのLINEアカウントを登録しておくと、行き帰りの車内で聴いて楽しめるドライブインフェスのプレイリストが届くという仕掛けも。音楽配信サイト「Spotify」で視聴可能。


このプレイリストを聴いてドライブすることで、出発から帰宅まで終始フェス気分に浸ることができました。


出演アーティストをあまり知らない場合でも、これならザックリと世界観を予習することができて一石二鳥!

野外フェス名物と言える行列ができないので、三密を防ぐことができるうえ、並んで順番を待つ煩わしさも解消してくれるという、LINEを使ったこの新システム。フェスの新時代の幕開け感じさせる画期的システムと言えます。


 


ライブは、ドライブインならではの独特な一体感に包まれた。


日暮れ時の18時半からライブがスタート。薄明かりのなかでライトアップされた雄大な岩山が、非日常的な世界観を演出。

採石場ならではの巨大な岩をバックに建てられたステージは幻想的な雰囲気を醸していました。


大小様々なクルマが水平に並ぶこともあり、まるでお祭りの櫓 (やぐら) のように高い位置にセットされているため、どこからでもしっかり見られるのは嬉しいところ。


音楽はFM電波を使って視聴。思っていたほどタイムラグはなく、音質も良好!

ドライブシアターと同様に、ライブの音はFMの電波を通じて聴くことができる仕様。クルマによるのかも知れませんが、電波状況は至って良好! 思っていたより生音とのタイムラグもありませんでした。


アイドリングストップでの鑑賞が呼びかけられていましたが、バッテリーが上がってしまう危険性を考慮して、合間にエンジンを掛けられる時間が用意されていたのも嬉しいポイント。


車内から見たステージの様子。窓を隔てて見るライブは、いつもの野外ライブとは少し違い、視線がDJに釘付けになるため、ライブというよりもショーを見ている感覚に近いか。

車内から鑑賞するライブは、これまで体験した生のライブとはまた違った雰囲気。


窓越しに見るパフォーマンスでは視線がステージに釘付けになり、FM電波で届く音は景色から独立して聞こえるため、ライブと言うより何かのショーを見ているような新しい感覚がありました。


ハザードやビーム、パッシング、スマホのライトを点灯させたりなど、参加者それぞれが様々な方法でDJに応えていた。

そして何より、通常のライブと大きく違うのは観客のリアクション。


野外ライブといえば全身を使って踊る観客の姿がつきものですが、ドライブインフェスでは難しいため、クルマのライトやスマートフォンの灯りなどを使ったり、少し窓から身を乗り出したりと、思い思いの方法でパフォーマンスに応えていました。


日が暮れるにつれて加速度的に盛り上がる場内。いくらドライブインとはいえ、フェスでは踊らにゃ損損! でも、あくまでマスク着用のうえ、車内にて。

従来の野外フェスような大歓声はないものの、音楽に呼応するクルマやスマホのライトがまるで予定されていた演出であるかのようにDJパフォーマンスと一体になり、静かながら確実にライブが盛り上がっていく様子が見て取れました。


採石場の切り立った岩肌に投影されたプロジェクションマッピングも場内を盛り上げる。

フェスならではの大迫力の演出は圧巻! 終盤にかけて畳み掛けるように炎の数も増していき、場内もヒートアップ!

最新のテクノロジーと斬新なアイデアで、コロナ禍での開催を目指す野外音楽フェス「ドライブインフェス vol.0」。7月下旬〜8月頃には「Vol.1」を開催予定とのこと。


今回はテスト開催故にLINEを使ったトイレシステムなどに若干のアナウンス不足を感じる場面もありましたが、パワーアップして行われるvol.1では新たな野外フェスとして、大きな話題となりそうです。


 


イオンモールで行われた、都市型ドライブインシアター。


6月13日(土)、14日(日)の二日間、千葉県幕張でも一味違ったドライブインスタイルのイベントが開催され注目を集めていました。


入場無料のイベントCINEMATHEQUE。イオンモール幕張新都心 南平面駐車場に、当選した100台が車列を作った。

こちらは、イオンモール幕張新都心の南平面駐車場にて、開催されたドライブインシアター「シネマティーク」。映画上映の前にDJタイムも用意されているうえ、入場無料というお得感満点なイベントなんです。


ただし当選した100台だけが参加可能な限定イベントとなっており、応募倍率は100倍以上もあったといううわさも。


車列は交互に配列されて前方が見やすいように配慮。外側の車列もスクリーンに向くよう斜めに駐車。

この日の上映映画は人気アニメーション「SING」ということもあってか、全体的にファミリー層が多い印象で、多くの人はイオンで買い物したあと、時間になったら駐車場を移動して参加していました。


こうして時間を有効活用できるのは都市部開催ならではの強みと言えます。


この日はGO OUT CAMPにも度々登場している人気アーティスト「DJ HASEBE」が出演! DJタイムにはヘッドライトやハザードを点灯させて参加する人も見られました。

こちらもドライブインフェス同様、映画もDJも指定のFMチャンネルにアクセスして視聴可能なのですが、やはり気になったのはバッテリーや車内温度について。


FM接続によってバッテリーが上がってしまう危険性は先にも触れましたが、それ以上に問題はエアコンが使えないということ。この日の気温は比較的涼しめでしたが、暑い日には車内に熱気がこもってとても映画どころではなくなりそう。


かといって窓やドアを全開にしてしまうと今度は音漏れの方が気になったりと、都市部ならではの問題も垣間見えました。


とはいえ、買い物ついでにフラッと家族で非日常的な時間を楽しむには最良のイベントといえます。


 


コロナ禍で変わる、野外フェスの新たな形。



コロナ禍のいま脚光を浴びるドライブインシアターですが、ご覧の通り、最近ではフェス的要素をもった新たなスタイルのイベントが続々と誕生しています。


3密を避けるための新たな試みが、野外フェスの環境改善にも繋がる機能を持っていたりと、ドライブインイベントがフェスのニュースタンダードとなる日も近いかも知れません。


 


情報提供元: GO OUT
記事名:「 ドライブインフェスってなんだ!? フェスの常識を覆す、新感覚イベントに潜入!