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スズキの軽クロスオーバー「ハスラー」がフルモデルチェンジ。1月に2代目ハスラーが発売となった。
2014年1月の発売以来、ワゴンとSUVをかけ合わせた新しいジャンルの「遊べる軽」としてたちまち大ヒットとなった先代ハスラーから初めてのモデルチェンジということで、エクステリア・インテリア・安全装備・ラゲッジスペースなどがどう変わったのか、スズキが開催したメディア向け試乗会で実際に使ってチェックしてみた。
まずは、外観をチェック。
特徴的な丸目のヘッドランプやスクエア基調のグリルなど先代のイメージは上手に継承しながら、スクエアさを増したボクら好みのフォルムに仕上がっている。
細かく見てみると……ボンネットは先代より高くなり、ごついイメージに。ピラーはより垂直に近く立ち上がり、ルーフも延長することでスクエア感がアップしている。
フェンダーも幅広で四角く力強いイメージに。また、タイヤを大きく見せるデザインになっていて、まるでリフトアップしたかのように見えるのも特徴。
見た目だけでなく、オフロード性能もアップしていて、アプローチアングルは先代より1°拡大して29°、デパーチャーアングルは4°拡大して50°に。最低地上高は180mmで、荒れた路面でも走行できる。
サイドウインドウも四角くなり、さらにリヤクォーターガラスを新たに設置して、広い視界を確保している。
車体色はモノトーン5色、2トーン6色の設定。カラーはオレンジ、イエローなどハスラーらしいワクワクするカラーのほかに、アイボリーやカーキ(写真)といったキャンプギアと相性のいいアウトドアカラーもラインナップ。
人気の2トーンモデルでは、塗分けパターンも変更になった。先代ではルーフ部分だけだった塗分けが、新型ではリヤピラー、クオーターウインドウまでルーフと同色に。横から見るとまるでピックアップトラックのようなシルエットに見えるのが印象的だ。
大きく変わったのはインテリア。
先代モデルは、ボディーカラーと同じカラーパネルを多用したポップなインパネだったが、新型ではギア感のあるデザインが特徴。特にカラーのフレームが3つ並ぶ「3連インパネカラーガーニッシュ」は、黒基調のインパネを引き締める存在感があり、タフさを演出。
右は、スズキの軽自動車では初めてとなるカラー液晶を採用したメーター、中央は9インチ大型高精細HDディスプレイ、左はアッパーボックス。アッパーボックスは収納として使えるほか、フタはテーブルとしても使用できるという優れものだ。
フロントシートはこれまでのベンチシートからセパレートシートに変更。左右の座席間距離が30mm拡大していて、車内空間はとても快適だ。
コンセプトに「もっと遊べる!」をうたう新型ハスラー。ぼくらが気になるのはやはりラゲッジスペースにどのくらい遊び道具が積めるのか。
ハスラーは軽自動車の規格枠一杯まで使って設計されているので、全長と全幅は前モデルと変わっていないものの、ホイールベースが35mm延長されることで、後部座席の足元空間を確保し、広い室内空間を実現。
後部座席は、荷室側からの操作でスライドして倒すことができ、フラットなラゲッジスペースに。
積載量も十分で、2人分のキャンプ道具を積み込んでもまだ余裕があった。これなら冬キャンプで灯油ストーブも積み込むことができそうだ。後部座席の背面やラゲッジフロアは防汚タイプになっていて、汚れてしまってもふき取ればOKなので安心。
後部座席は分割可倒式。助手席まで倒せば、2人が乗車しながら、釣り竿、自転車、サーフボードなどの長物も収納可能。
また、シートを全て倒せば仮眠もできる。
ラゲッジルームにはシガーソケットも備えているので、キャンプに向かう道中での大容量モバイルバッテリーへの充電など、なにかと便利だ。
荷室下には、ラゲッジアンダーボックスが。
防汚タイプで、さらに取り外して洗うこともできるので、汚れたシューズや濡れたままの釣り道具、スノーボードギアなどの収納にも便利だ。
また、スズキ車で好評となっている助手席下の収納ボックスももちろん装備。しかも、ボックスは取り外し可能で、持ち手のついたバスケットになっている。コーヒーグッズをまとめて入れておいて、キャンプ場についてすぐにコーヒータイムにするのもよさそうだ。
今回は、試乗会ということで少しの時間だが、実際に運転することもできた。
新型ハスラーのパワートレーンは、自然吸気(NA)エンジン+マイルドハイブリッドと、ターボエンジン+マイルドハイブリッド。それぞれにFF、4WDが用意されている。今回は、NAとターボに乗り比べてみたが、高速や長距離運転の多いぼくらの使い方なら、がぜんターボがおすすめ。
ターボエンジンのトルクに、マイルドハイブリッドのモーターのアシストもあって、走りだしは背中を押されるくらい。
さらに、ターボ車は「パワーモード」を搭載。エンジンとCVTの制御変更に加えて、モーターアシストをトルクアップさせることで、上り坂や高速の合流でも安心だ。
また、ターボ車には、スズキの軽自動車初採用となる全車速追従機能を備えたアダプティブクルーズコントロールや、車線逸脱抑制機能がついているので、高速道路でのロングドライブでもドライバーの疲れを軽減してくれる。
それから運転してみて感じたのは、車内が静かで高速走行中でも会話がしやすいところ。これだけで遊びに行く道中の盛り上がりが違ってくるので、嬉しいポイントだ。
ちなみに、アイドリングストップからの再始動がとても静かなのも印象的だった。
また、4WD車では、雪道やアイスバーンでタイヤの空転を抑える「スノーモード」を新たに搭載している。冬キャンプにもチャレンジしてみたいと思っている人は、ターボの4WD車をセレクトするのがいいだろう。
この新型ハスラーの開発にあたっては、開発チームのメンバーがGO OUT CAMPにも足を運んだという。ボクらの遊びからもヒントを得て生まれたかもしれない新型ハスラー。これからの相棒にピッタリな一台だ。
【グレード構成】
ハスラーHYBRID G(2WD) 136万5100円〜
ハスラーHYBRID G(4WD) 149万9300円〜
ハスラーHYBRID Gターボ(2WD) 145万9700円〜
ハスラーHYBRID Gターボ(4WD) 159万3900円〜
ハスラーHYBRID X(2WD) 151万8000円〜
ハスラーHYBRID X(4WD) 165万2200円〜
ハスラーHYBRID Xターボ(2WD) 161万2600円〜
ハスラーHYBRID Xターボ(4WD) 174万6800円〜
【主要諸元】
スズキ・ハスラー HYBRID Xターボ(4WD)
全長×全幅×全高:3395×1475×1680mm
ホイールベース:2460mm
車両重量:880kg
エンジン種類:直列3気筒DOHCターボ
総排気量:658cc
最高出力:64ps(47kW)/6000rpm
最大トルク:98Nm(10.0kgm)/3000rpm
トランスミッション:CVT
燃費(WLTCモード):20.8km/L
タイヤサイズ:165/60R15
価格:174万6800円
Photo/Takuma Utoo