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調理方法によって、食べ物を噛む回数は変わります。たとえば、1本のきゅうりを乱切りにしたときと、食べやすく蛇腹切りにしたときとでは、噛む回数はおよそ2倍も違うのです。
きゅうり10gあたり咀嚼回数を調査してみると、蛇腹切りが18回のところ、乱切りは30回となったのです。同じきゅうりの酢のものでも、噛む回数がこれだけ違ってきます。食材はなるべく多く切るのが咀嚼筋を鍛えるための調理ポイントです。
また、食材を切る方向によっても噛む回数は変化します。ゴボウやセロリがわかりやすいですが、繊維に沿って切ったほうが噛む回数が増えるのです。繊維を断ち切る方向ではなく、なるべく繊維を残すように繊維と同じ向きに切ったほうが確実に咀嚼筋を鍛えられます。
素材の組み合わせ方でも咀嚼筋を鍛えることは可能です。ひき肉は細切り肉と比べて噛む回数が少なくなる食材。なるべく使わないようにするのが、咀嚼筋トレーニングの手っ取り早い方法です。
しかし、このひき肉に戻した干し椎茸や松の実、竹の子などを加えて触感を変えるだけで、噛む回数は変わります。実際、具なしのソース焼きそばを肉野菜入りにすると、噛む回数は1.5倍になるのです。
レトルトカレーにもさまざまな食材を加えることにより、噛む回数が2倍以上になることがわかりました。あまり噛まない食材でも、上手に組み合わせることで料理全体で咀嚼筋を鍛えることができるわけです。