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悪性の皮膚がんであるメラノーマは転移しやすいことが最大の難点。そんなメラノーマ治療に画期的な新薬が登場しました。その治療のアプローチはこれまでとはまったく新しいもの。メラノーマ治療の新薬がどのようにがん細胞を撃退するかを詳しく見ていきましょう。
メラノーマは早期発見できれば手術でほぼ治療できます。しかし、その増殖スピードと転移のしやすさのため、進行したメラノーマは治療が難しいといわれています。
そんなメラノーマ治療に画期的な新薬が登場しました。2014年7月、世界に先駆けて日本で承認されたニボルマブという治療薬です。
ニボルマブは従来の抗がん剤や分子標的薬のようにがん細胞を直接たたくわけではありません。免疫チェックポイント阻害剤という新ジャンルのメラノーマ治療薬なのです。
簡単にいえば、ニボルマブは免疫力を活性化してメラノーマを治療するというアプローチをとります。メラノーマのがん細胞が増殖できるのは、がん細胞が免疫細胞の攻撃力を弱めているからです。その攻撃力を新薬は取り戻します。
抗がん剤による治療効果の目安として、がんが半分以上に縮小する奏効率という数値があります。これまでの唯一の抗がん剤だったダカルバジンによるメラノーマの奏効率は10%。10人に1人ということでした。
それがメラノーマ治療の新薬であるニボルマブは25~33%。3~4人に1人の効果があるのです。ただし、ニボルマブには免疫力の活性化がよい細胞にまで影響する副作用も報告されています。メラノーマ治療のさらなる進化に期待したいところです。
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