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筋肉作りで大きな役割をはたすのが成長ホルモンです。筋トレをしたあとは成長ホルモンが分泌され、脂肪分解や筋肥大に効果を発揮します。
この成長ホルモンが、筋トレ直後の数倍から数十倍も分泌されるのが睡眠。就寝後1~3時間後に成長ホルモンは盛んに分泌され、筋肉をより効果的に成長させています。
しかし、成長ホルモンの分泌を見込んで寝る前に筋トレをしても、あまり効果はありません。副交感神経が優位になっているため、体が筋トレモードになっていないからです。同様に、食事のあとも副交感神経が優位になるため、食後も筋トレには不向きです。
寝る前の筋トレは、逆に就寝中の成長ホルモンの分泌を妨げる可能性もあります。成長ホルモンの分泌にはノンレム睡眠といわれる、深い眠りが不可欠です。
そのためには、就寝前には副交感神経が優位のリラックス状態でいることが大切。寝る前の筋トレは交感神経を優位にさせてしまうため、その後の深い眠りに悪影響を与えてしまうのです。
寝る前に筋トレをするなら夕飯後しばらくたった21時ごろがオススメ。その時間帯にお風呂に入って筋トレを行えば、体温も高くて筋肉を鍛えるのに効果的。その後、徐々に体温を下げて就寝すれば、そのあとの成長ホルモンの分泌で効率的に筋肉を成長させられるのです。
寝る前に筋トレをするなら、寝る直前ではなく21時くらいまで。寝る直前に体を動かすなら、ストレッチをするのが良いでしょう。ただし、ストレッチにも寝る前にやってよいストレッチとそうでないものがあります。
いわゆるストレッチには、動的ストレッチと静的ストレッチがあります。静的ストレッチは腕の筋肉を伸ばしたりする動き。一方の動的ストレッチは、軽く走りながら体をひねったりする動きになります。
このうち、静的ストレッチは副交感神経の働きを高めるので、心も体も落ち着いていく効果がえられるのです。深い眠りにつきやすくなるため、就寝中の成長ホルモンの分泌が促進。寝る前の筋トレの効果がアップします。
寝る前に筋トレもせず、しっかり静的ストレッチして布団に入っても、なかなか眠れない時もあるでしょう。そんなときは、一度布団を出るのが正解です。一度布団を出て、暗い部屋で眠くなるまで待つのが正しい対処法になります。
このとき、疲れたら眠れるからと寝る前に筋トレを行うのはやはりNG。寝る前の筋トレは交感神経を高めてしまうため、目が冴えてしまいます。眠れないときに体を動かすのも、やはり軽めのストレッチ程度です。
体温が下がってくると人間は眠くなるもの。ストレッチで抹消の血管を広げて一時的に体温を上げると、体温がスムーズに下がることで眠くなります。呼吸が乱れない程度のストレッチがよいでしょう。
疲れたときは体が重く、硬く感じられるもの。実際、筋肉は疲労すると硬くなって関節可動域が狭くなります。この性質を利用して筋トレなどによる疲労度を見極めるのに有効なのが、柔軟性のチェックです。
疲れたなと思ったときに柔軟性を測ってみると、ふだんより低下していることがよくわかります。逆に疲労度を感じていないにもかかわらず、柔軟性が低下しているケースにも要注意。体が休めといっているサインなのです。
こういった場合、筋トレの負荷を減らしたり、睡眠時間を増やしたりして対処します。そんな柔軟性チェックには、寝る前のストレッチがおすすめ。毎日チェックすることで、筋トレの負荷などを調整するとよいでしょう。
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