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にんにくには胃がん予防に効果があります。これはにんにくから生成される「DATS(ダッツ)」を含む有機硫黄化合物に抗がん作用があるからです。ただし、にんにくの胃がん予防の効果は調理方法で変わります。にんいくの胃がん予防効果を高めるなら、細かく切ることと油と混ぜることがポイントです。
にんにくの胃がん予防効果の研究は、1980年代ころから世界中で行われています。なかでも医学的に注目されたのが、1989年に発表された1,695名を2年間調査した疫学論文です。にんにくを「1年で1.5kg以上食べている人」は「まったく食べない人」よりも、胃がんの発生リスクが50%減少することが判明しました。
にんにくを刻むと、細胞内にある別々の成分同士が反応を開始します。すると、にんにく独特のあの匂いと辛み成分の元となる、有機硫黄化合物が大量に生成。この化合物の中に胃がんの予防効果が期待できる「DATS」が存在しています。
この「DATS」には細胞ががん細胞に変化する前に、細胞を自殺させるという効果があるのです。活性酸素で傷つけられた胃の粘膜細胞は、やがてがん細胞に変化します。「DATS」はこの傷ついた細胞に信号を送り、がん細胞になる前に自ら死滅するようにしてしまうと考えられているのです。
にんにくの効果で胃がんリスクが減少した人の摂取量は「1年で1.5kg」でした。1日あたりに換算すると約4gとなります。つまり、1日1片のにんにくを食べれば、胃がん予防の効果が期待できるのです。
ただし「DATS」の量はにんにくの調理方法によって変わってくるもの。にんにくの胃がん予防効果を最大化するための調理法を紹介しましょう。
1つは、にんにくを細かく切ることです。そもそも「DATS」はにんにくの細胞が壊されたときに発生する化合物の成分。つまり、細かく刻めば刻むほど細胞内の成分が反応し合って、たくさんのDATSが生まれるのです。
もう1つは、にんにくを油と混ぜること。じつは「DATS」には、時間とともに空気中に分散しやすいという性質があります。そこで注目したいのが「脂溶性」という特徴。油と混ぜてしまえば「DATS」は油に溶け込んで失われずに済むのです。
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