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身体能力を高めるには、運動動作のスピードと正確性が重要。そのためには、脳からの信号が寄り道をしないでまっすぐ運動器に向かうことが大切です。脳からの信号をまっすぐ伝えるのに効果的なのは繰り返し学習と強化学習。身体能力を高めるための繰り返し学習と強化学習について見ていきましょう。
身体能力が低い状態というのは、脳からの信号は右へ左へといろいろな脳細胞を寄り道しながら伝わっていきます。信号が寄り道をしないでまっすぐ運動器に向かえば、正確性が高くなって動きのスピードが上がるのです。
つまり、身体能力を高める最大の要因は、信号をできるだけまっすぐ伝えること。そして、信号をまっすぐ伝えるのに効果的なのが「繰り返し学習」です。同じ運動動作を何回も繰り返すことで、はじめは蛇行していた信号が徐々にまっすぐに進むようになります。これが身体能力がアップした状態です。
たとえば、野球でバッターがバットを振るとき「速く振れたか・思いどおりの軌道か・ボールと離れていたか」などの情報が目や神経から脳にフィードバック。さらにバットをボールに当てるための情報が、脳から筋肉へ伝えられています。
これを繰り返すうちに、だんだんと速くてコントロールのよいバッティングができるようになるわけです。身体能力を高めるには繰り返し学習するしかありません。
ただし、繰り返し学習によってスピードや正確性が身についたとしても、長いあいだ練習をしなくなればスピードや正確性は落ちるもの。一度疎通した神経回路が閉じてしまったり、情報伝達速度が落ちたりしてしまいます。
このため、一度体得したスピードや正確性といった身体能力は、ときどき刺激を与えてやらないと維持はできません。そのための練習が「強化学習」です。
身体能力を高めるには繰り返し学習が有効ですが、それによって身につけた身体能力を維持するためには強化学習も必要になります。2つの学習によってようやく、身体能力は保存されることになるのでした。
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