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ダイエットなどで推奨されるのが、筋トレ後の有酸素運動です。この順番で行うことによって、効果的に脂肪を燃焼させることができます。
しかし、筋トレの目的が筋肉を大きくしたい筋肥大である場合は、有酸素運動は逆効果です。有酸素運動を行うと、遅筋が積極に働いてしまいます。
すると速筋の活性が下がってしまい、筋肥大が進みにくくなるのです。これでは、せっかくの筋トレによる効果が半減してしまいます。
また、有酸素運動によって筋トレで作られた乳酸が血液中に流れてしまうのも、筋肥大にはよくありません。じつは筋肉には、この乳酸を察知する受容体があるのです。
この受容体が乳酸を感じると、その信号が脳に伝達。脳から脳下垂体へ成長ホルモンを分泌させる信号が送られます。この成長ホルモンには、筋肉を強くする働きがあるのはご存じのとおりです。
だからこそ、筋トレ後の有酸素運動は筋肥大に逆効果。筋トレ後は乳酸をたくさん流してしまわないよう注意が必要です。筋肥大を狙うなら、筋トレ後はストレッチでクールダウンするくらいがよいでしょう。
それでは、筋トレ前に有酸素運動を行うのは筋肥大にどのような影響を与えるでしょうか? じつは筋トレ前に有酸素運動を行うのも筋肥大にはNGです。
とくに長時間やったあとに筋トレを行うと、筋トレのエネルギー源である糖分が枯渇してしまいます。これでは筋肉がガス欠状態となって、そのあとの筋トレで力が十分に発揮できません。
十分な筋トレができないということは、それだけ筋肥大が妨げられるということです。筋肥大を狙うなら、軽めの有酸素運動のあとに筋トレを行うとよいでしょう。
なお、そもそも遺伝子的に筋肥大に向かない人もいます。それが「ACTN3遺伝子多型」という遺伝子タイプ。A「RR型・RX型・XX型」の3つに分類され、日本人の分布はRX型が55%、RR型が20%、XX型25%となっています。
このうち、遺伝子タイプがXX型の人は速筋線維のα-アクチニン3というタンパク質を遺伝子的に作りません。すなわち、筋肥大がおきないということを意味します。そんな筋肥大に向かない遺伝子タイプが4人に1人、存在しているのです。
なお、RR型は逆に筋トレによる筋肥大の効果の高いタイプ。RX型はRR型とXX型の中間的なタイプとなります。このように、筋肥大しやすいかどうかは遺伝子レベルで決まっているのでした。
筋肥大を妨げる要因に筋トレの回数設定があります。一般的な目安としては、最大10回くらい反復できる重さが筋肥大に効率的とされています。ただし、ここで注意したいのが筋トレの回数設定です。
筋肥大のための筋トレはオールアウトすることがポイント。オールアウトすることで、筋肉に「もっと強くならないと耐えられないよ」というシグナルを送ることで、以前の筋肉よりも強く回復する「超回復」がおこるからです。
このため、筋肥大のための筋トレは回数を設定してはいけません。回数は設定せず、必ず限界まで行うように心がけるのです。なお、回数が8~12回を超える場合は、負荷が適切でないということ。最大10回になるように調整しましょう。
超回復がおこるのは筋トレがよく知られていますが、いわゆる有酸素運動でも超回復はおこるもの。一時的には心肺機能は低下したのち、回復するときにはより高強度の負荷にも耐えられるように心肺機能が作り変えられるのです。
なお、筋トレではこれまで激しい筋肉痛があるほど超回復はおこりやすいと考えられてきました。しかし、筋肉痛も超回復を発動させる刺激の1つであることは確かですが、筋トレの筋肉痛は超回復の必須条件ではありません。
超回復を狙って過大な負荷をかけて無理やり筋肉痛をおこす筋トレは生活に支障が出るだけ。適正な負荷で筋肉に刺激を与える筋トレで、筋肉痛なしで効率よく筋肥大を目指しましょう。
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