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長距離走のトップ選手の体型を見ると、スプリント系の選手よりも明らかに筋肉量が少ないことがわかります。とはいえ、人間は筋肉をつけるほど走行速度が上がるもの。なぜ筋肉が少ないほうが長距離走は速いのでしょう? 呼吸循環系にとっては大きな筋肉がマイナス要素になるからです。
スプリント系では筋肉がついて体重が増えても、それ以上のパワー発揮により走行速度を上げることができます。しかし、長距離走のように持久力の要素を含むようになると、少し話が変わってくるのです。
体重が増えれば同じ距離を移動するにも必要なエネルギーが当然増えてしまいます。そして長距離走の場合、走行の能力だけでなく、必要となるエネルギー量とそれを供給する能力との関係が重要になるのです。
エネルギーを供給する能力はおもに、呼吸循環系の能力で決まるもの。すなわち、自給的な要素を持つ長距離走では、大きい筋肉が呼吸循環系に対してマイナス要素となってしまうのです。
とはいえ、長距離走の選手は筋肉が少なければ少ないほどよいというわけではありません。前へ進む推進力を得るには筋肉が必ず必要です。ある程度の筋肉の大きさは必要にあります。
筋肉が増えるほど走行速度は上がりますが、同時に長距離走では呼吸循環系にとってはそれが負担になるもの。長距離走も短距離走も、走行能力と持久力を天秤にかけることで、理想の筋肉量が決まるわけです。
実際、オリンピックの陸上競技の決勝進出者の平均体重を比べると、短距離走である100m走で80kg、中距離走の800mで65kg、長距離走の1万m走で50kgほどです。長距離走になるほど体重が少なく、筋肉のサイズが小さくなることが分かります。
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