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近年、注目されているのが「ACTN3遺伝子多型」。これは筋肥大に関する遺伝子タイプのことです。ACTN3遺伝子多型は「RR型・RX型・XX型」の3つに分類できます。日本人の分布を見てみると、RX型が55%でRR型が20%、XX型25%です。
筋肉を構成する筋線維は、瞬発的なパワーにすぐれた速筋と持久的なパワーにすぐれた遅筋に分かれています。このうち、筋肥大するのは速筋。筋トレで重いウェイトを持つのはこの速筋を鍛えるためです。
ところが、遺伝子タイプがXX型の人は、速筋繊維のα-アクチニン3というタンパク質を遺伝子的に作りません。すなわち、このタンパク質がないということは筋肥大がおきないということを意味します。
一方、RR型は逆に筋トレによる筋肥大の効果の高い遺伝子タイプ。RX型はRR型とXX型の中間的なタイプとなります。すなわち、筋肥大しやすいかどうかは遺伝子レベルで決まっているということです。
しかも筋トレによって筋肥大するプロセスでは、いったん筋線維を壊したのち、壊れる前より太くなる超回復がおきています。遺伝子的に速筋が作られないということは、筋線維が壊れる一方ということです。
このため、XX型の人が筋肥大のために過度の運動をしてしまうと、壊す働きが強くて筋肉が細くなってしまいます。しかも、そんな筋肥大しにくい日本人が4人に1人も存在しているのでした。