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気温や体温が低いと、筋肉は緊張・収縮をしてしまい、うまく伸ばすことができません。人間が起きている時間のなかで、朝の寝起きはもっとも体温が低い時間帯。もっともストレッチには不向きといえます。
朝がストレッチに向かない理由はおもに2つ。1つめの理由は筋肉の構造の問題です。筋肉は筋線維という細長い細胞の束で構成されていますが、この筋線維の間にはコラーゲンが混ざっています。
筋肉を包む膜も筋膜を構成するのもコラーゲンです。柔軟性の良し悪しは、このコラーゲンの状態が大きく影響します。そして、コラーゲンは筋肉の温度が高くなることで温まり、ゲル化して柔らかくなるからです。
朝がストレッチに向かない2つめの理由は、筋肉の持つ役割に関わっています。筋肉は体を動かす動力ですが、それ以上に体温を維持する熱発生装置としての大きな役割があるのです。
人間は常に36.5度の体温を維持して体の機能をうまく働かせています。その源である熱を作っているのは、おもに肝臓や脳、心臓、そして筋肉です。とくに筋肉は、気温の変化に敏感に反応して、発生する熱量を調整しています。
体温が下がっているということは、筋肉が緊張しているということ。それだけ伸びにくくなります。ストレッチを効率よく、しかも筋肉を傷つけることなく行うなら、朝よりも体温の高い日中に行うべきなのです。