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よく運動すると「筋肉に乳酸が溜まる」といった表現を耳にすることがあります。これまで筋肉疲労と乳酸は、密接な関連があると思われてきました。
運動すると乳酸が溜まるもの。それが筋肉疲労の原因だという論文を書いた人がイギリスのアーチボルト・ヒル博士。1922年にノーベル生理学・医学賞を受賞しています。
たしかに短距離走などの無酸素運動をすると、乳酸値が上がります。その乳酸が筋肉疲労の原因だろうといわれていましたが、じつはまったく違うということが近年わかってきたのです。
むしろ、乳酸というのは場合によっては次のエネルギー源になったり、筋肉疲労を回復する物質になることがわかってきました。しかも乳酸はいくら溜まっても、筋肉疲労がおきないこともわかったのです。
最近の研究では、筋肉疲労には「FF(ファティーグ・ファクター)」が関係しているとされています。FFは疲労因子と呼ばれるたんぱく質の一種。活性酸素が私たちの細胞を傷つけることによって発生するものです。
現在の筋肉疲労に関する研究では、体内にストレスがかかったときに発生する活性酸素が細胞を傷つけて、そのときに疲労因子FFが発生することによって疲れを感じるのではないかと考えられています。