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東京・文京区、坂を上りきった交差点の角にある「サカノウエカフェ」は、カフェ風の外観。連日、猛暑にもかかわらず、エントランス脇の日陰スペースに列をなす人々の姿が、この店の人気を物語っています。
スマホ片手に待っているお客は、20代〜30代の若い女性から、意外にも中高年男性のおひとり様まで。いわゆる甘党男子でしょうか…。
メニューで最初に目に見つくのは定番人気の「こおりのショートケーキ」。こんもりと盛られたふわふわのかき氷の内部にイチゴの果肉とクリームがしのばせてあり、トップにはエスプーマ(ふんわり泡状の生クリーム)とイチゴが色鮮やかに盛られています。
イチゴの酸味の効いたフレッシュな味わいと練乳のまろやかさ、口に含むとシュッと溶けるかき氷の爽やかさ、“ケーキ以上の幸福感”を堪能できます。
可愛らしい見た目にひかれるのが「カマンベリーパンダ」。日本では7月〜8月初めまでの期間限定メニュー(海外では通年メニュー)。パンダの聖地・上野に近い同店で味わう、垂れ目のパンダを模した逸品。エスプーマで作る軽やかなクリーム顔がキュートすぎます。
中にはカマンベールチーズ、甘酸っぱい3種のベリーソース、さっぱりとしたヨーグルト、ザクザクとした食感のクランブルが詰まっています。一口ごとに異なる層の味が楽しめ、味わいが計算され尽くしています。
同店のかき氷は見た目のインパクトがあり、創作性が高いのが魅力。毎年2月になると猫祭りが地元で開催されるらしく、それにちなんだ猫の顔を模したかき氷も期間限定で登場するのだとか。アニマルシリーズのファンも少なくないようです。
加えて「サカノウエカフェ」は、季節ごとの果物や野菜などで作る自家製シロップを使った期間限定メニューも種類を豊富にそろえています。
「ももアールグレイ」や「青の誘惑」(ブルーベリーとブルーチーズ)、「キャラメルチーズんだ」(枝豆ずんだとしょうゆキャラメル)のかき氷など、メニューの入れ代わりは早く、常時6〜8種がラインアップ。
ほぼ週替わりで新しいメニューが登場するので、訪れるたびに新鮮な驚きがあります。店によるとレシピの数は100種近くあるのだとか。
大人気の店なので、受付で名前と人数を書き込む「店頭台帳制」を採用しています。500円プラスで、ディズニーランドのファストパスのような優先予約枠も用意されています。
待つ間は湯島天神や神田明神、近隣の雑貨店などを散策できます。10〜20分待つことが多いようですが、夏場は4〜5時間以上待つこともあるほどの人気ぶり。
実はかき氷を提供スタートした当初、注文客はまばらだったという「サカノウエカフェ」。当時のかき氷は、削った氷と氷がくっついてしまい、理想の口どけにならなかったのだそう。試行錯誤を繰り返し、氷の温度を調整しながらやさしい口当たりを実現。
頭がキーン!とならない温度に調整し、冷たいものが苦手な人でもパフェ感覚で楽しめるよう工夫しました。かき氷好きの中には熱狂的なファンも多いので、期待を裏切らないように季節ごとにバリエーション豊かに開発しました」と振り返るのはオーナーの町山友康氏。
その後、大ヒットを飛ばし、2024年にはマレーシア・クアラルンプールのららぽーと内に海外1号店を開業しました。さらに2025年4月にはシンガポールで「Drips BakeryCafe」内にオープンし、いまや国境をこえて愛されています。
ふわふわで軽やかな氷の食感、甘いだけでなく味わいに深みがある自家製のシロップ、こだわり抜いた素材が生み出す絶妙なバランスは、現地のマレー風かき氷(チャンドル)や台湾風かき氷とは一線を画す、「ニッポンのスイーツ」として一目置かれています。
ぜひこの機会に氷の楽園、「サカノウエカフェ」で極上のひんやり体験を楽しんでみては?
「サカノウエカフェ」
所在地:東京都文京区湯島2-22-14
最寄駅:千代田線湯島駅より徒歩3分、JR御茶ノ水駅より徒歩8分、銀座線末広町駅より徒歩8分、丸ノ内線本郷三丁目駅より徒歩8分
休日:月曜日・不定休(営業時間とともに詳しくはSNSで要確認)
決済方法:完全キャッシュレス