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今回、熱海市で発生した土石流で、被害が拡大した原因とみられるのが、大量の「盛り土」です。土石流が起きた一番上の場所にあったものなのですが、一体誰が何のために置いていたのか。カギを握る会社を訪ねると、空っぽだったのです。
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静岡県の川勝知事が向かったのは、土石流が始まったとみられる場所でした。
静岡県・川勝知事「ちょっとぬれているところがあるじゃない、くぼんだところ」
現場を見た知事が注目したのは─。
川勝知事「盛り土が、それによって地盤が緩いところの下の方が流されて、一緒に上も流されたと」
山肌がえぐられた場所にもあった盛り土。撮影中も土砂が斜面を滑り落ちる様子が確認されました。
衛星写真で見るとこのあたりは、2005年には木が茂っていましたが、2012年には一部で伐採され整備されているのがわかります。
近所の人が3年前に撮影していた写真では、人の手が入ったのか、階段状になっていました。
山間部で宅地造成などをする際、平らな土地を作るために行われるのが「盛り土」です。
県によりますと、崩落したのは実に10万立方メートル。8コースある25メートルプール、およそ200杯分に相当します。
街を襲った土石流の、実に半分が「盛り土」だったと推定されています。崩落現場付近には5.4万立方メートルもの「盛り土」があり、そのほとんどすべてが崩れたとみられています。
実際に盛り土を行う首都圏の建設会社(今回の盛り土とは無関係)は映像を見て、「盛り土を100%固めることはできない。一か所でも水の浸入があると崩れてしまう。壁やブロックを作るなど対策は当然するはず」と指摘しました。
住宅造成などのために「盛り土」が行われてきた地域。では今回、被害を拡大させた盛り土は、誰が何の目的で持ってきたものなのでしょうか。
熱海市の担当者は、「この土地に土が盛られていたことは間違いないが、どのような目的で、どこから来た土なのかは不明」としています。
5日夜、市長も。
──届け出の目的がなんだったのか把握されていますか?
熱海市長「今の件につきましては、この場ではわかりません」
2007年に、現場の盛り土を申請した神奈川県内の不動産業者を訪ねると、建物はゴミが並べられていて廃墟のようになっています。
登記簿では崩落現場の土地は現在、別の所有者にわたっています。専門家に映像を見てもらうと─。
東京農工大学・石川芳治名誉教授「ここも明らかに段々に人工的に作った斜面だし、自然にこんなきれいな段々できないので」
──盛り土をすることによってどういう状況に?
石川芳治名誉教授「本来なら上からきた水が谷を通って流れるはずだけど、(盛り土で)せき止められちゃうので、水の行き場がないので、(土の)中を通るしかない。下に行こうとしたら。基本的に水は下の方に集まって流れるので、こっち(下)の方が、水が多い。水が多いということは崩れやすいので、一番下の方から崩れていって上に拡大したというのも見方としてはある」
県は、今回の土石流と「盛り土」の関係について詳しく検証するとしています。
(7月5日放送『news zero』より)