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「柄物のマスクは好きじゃない。服とコーディネートしててもおしゃれだとは思わない。彼女の顔じゃなく、マスクにばかり目が行ってしまうし、かわいさとおしゃれはそういうことじゃない気がする」
「不織布マスクでいいじゃん」
「シンプルが一番!」
「黒いウレタンマスクって、男がしてるイメージだし、なんか強そうに見えてあんまり好きじゃないです。勝手なイメージだけどギャルっぽくてきついイメージも…」
「マスクで隠れてる部分はメイクなしでもいいと思うけど、マスクを外すと顔色が悪く見える子のたまにいる。マスクを外しても、ギャップがない感じにしてくれるとデートのときは安心かも」
「外したマスクをその辺に置いたり、ポケットにしまっちゃう人が気になります。マスクコードを使ったり、専用ケースに入れるなど、マスクを清潔にキープする習慣のある子っていいよね」
正直なところ、新型コロナショックの影響で、たとえば電車の一車両内にいる99%以上の人がマスクを着用しているのが(日本の)常態となった去年の初旬あたりから……少なくとも私は、デートであろうが仕事の打ち合わせであろうが、対面する女性のマスクがどんな類(たぐい)であっても、それが記憶にとどまることは、ほとんどない。もはやマスクは「鼻と口」の代わりとなる「身体の一部」に近いビジュアルとして脳に刷り込まれているがゆえ、それが黒かろうが薔薇の花で彩られていようが、よほどの奇抜さに抜きん出ていないかぎり、「その子がどんなマスクをしていたか」は、別れてからたったの数秒で忘れてしまう。
たしかにこう指摘されたら、どれも“正解”な気もするし、どれも“深読みしすぎ”な気もする。が、少なくとも、どの言い分からも真剣さだけは伝わってくる。ちなみに、私は「チョイスするマスクのセンス」で、その人に対する評価が上がったり下がったりすることは(現時点では)ほぼないのだけれど、ここで注目したいのは、「マスク」が当たり前のように「モテ」のテーマとして成立する、こうした恋愛系のノウハウ記事が、普通に違和感なく出回りつつある事実である。
もちろん、そんなトレンドを批判したいわけでは決してない。たとえば、3年ほど前、私は『福山雅治が着けると「黒マスク」もカッコいいことが判明した』のをきっかけに、「これ以上、黒マスクが流通したら嫌だなぁ…」みないなことを憂うコラムをアップしていた。当時は、黒マスク男子が、半グレっぽく(私には)見えてしまい、コンビニでうしろに並ばれただけでもビビるほどすごく怖くてたまらなかったから、マスクするなら願わくば黒色は避けてください……といった、まあたわいもない内容だったのだが、つくづく「あのころはマスク批判もジョークで済ますことができる、のどかな世の中だったのね」と、あらためて実感する。
つまり、結論を申せば、時代の感性ってヤツは、社会環境ひとつで、ガラッと変わってしまい、そして、その変化に気づくまでには、ちょっとしたタイムラグを要するということだ。
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