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9月7日深夜に放送されたトークバラエティ番組『月曜から夜ふかし』(日本テレビ系)で、MCのマツコ・デラックスが、共にMCを務める『関ジャニ∞』の村上信五(38)の関西弁が「最近ビジネス化していないか」と指摘していた。
突然の指摘に、村上は「(通常の)関西弁やん!」と反論。しかし、マツコは、
「関西弁“やん”って言う? 関西のヒト…」
「ちょっとなんかこう滑舌がよくなってる。関西弁をハッキリ聞いてほしいという意志が出ている」
「今、実際の関西の方と比較したらもっと乖離してるわよ。もっかい調査したほうが良いって。嫌われ始めてるわよ!」
「やりすぎは良くない」
……などと“攻撃”の手を緩めず、当の村上は「普通やって! しゃべられんようになるやん、そんなん!」と困惑するばかりであった。
調べてみると、村上は大阪府の高槻市出身だという。関西にあまり縁がない人たちにとっては「だからなに?」的な情報でしかないのだろうけど、大阪人にとってコレはけっこう重要なポイントだったりする。ちなみに、私は大阪府の豊中市出身なんだが、高槻市とは、豊中市と同様に大阪府の北摂地域、すなわち“北側”に位置する市である。そして、大阪府の北側在住もしくは出身の人たちは、一般的に“南側”の人たちよりも関西弁の濃度が薄い……と言われている。だから……なのか、私の場合、上京してからの標準語への“矯正”は、比較的スムーズだったと記憶する。北摂と隣接する京都や神戸の“やわらかい関西弁”の影響が微妙に混在しているのも一因なのかもしれない。
たしかに、同じ北摂地域出身の私がジャッジするに、村上の関西弁は“北側”出身のわりには、多少コテコテ感が強い気がする。ただ、「やん」は、今でも関西人だったら若い子たちでも普通に使っていると思う。おそらく、マツコは「関西人と会話する機会」はあっても、「関西人とタメ語で会話する機会」は意外と稀なのではないか? テレビ界のトップに君臨する“売れっ子”であるマツコには基本、大半の人たちは丁寧語で語りかけるわけで、丁寧語には標準語と関西弁の差異はさほど生じない。もちろん、「やん」なんて語尾が頻繁に飛び交うこともあり得ない。
「いやいや! マツコだって、いろんなバラエティ番組で明石家さんまやダウンタウンをはじめとする、関西弁のお笑い芸人とタメ語でトークしているでしょ?」
……との見方もあるだろうが、あのヒトたちがしゃべる関西弁は、あくまで“芸能用”で「日本全国に放送されてもわかりやすく」を意識したうえで、幾多の試行錯誤を繰り返しながら“改良”された特殊な“方言”だと捉えたほうがよい。ネット上では「村上さんは関西弁がきついというよりは喋り方と動きが大きい」みたいな書き込みもあったようだが、これはじつに鋭い分析だと思う。結論を申せば、長年の芸能生活を経て、村上もプロフェッショナルな「関西弁を駆使する芸能人」へと成長を果たした……ってことなのではなかろうか。その“芸能用関西弁使い”としてのスキルアップを「ビジネス化」と評されてしまうなら、それはそれでしょうがない。