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2019年公開の新作を含めて全6本存在する『ルパン三世』の劇場アニメ。第1作の『ルパンVS複製人間』や名作『カリオストロの城』が有名だが、今回はあえて語られる機会の少ない第3作~第5作を紹介。知られざるルパンの魅力に触れていこう。
■『バビロンの黄金伝説』/ルパンの頭に隠された秘密が明らかに!?
3作目のテレビシリーズが放送中の1985年7月13日に封切られた劇場第3作が、『バビロンの黄金伝説』だ。
バビロンの黄金を狙うルパン一味の活躍が描かれるこの映画。銭形警部やニューヨークマフィアのマルチアーノ、さらには宇宙人までもが登場し、クライマックスにはマンハッタンの地下から黄金のバベルの塔が姿を現すという、ビッグスケールな物語が展開する。
脚本にコメディの名手である浦沢義雄が参加されているということもあってか、『ルパン三世』の劇場アニメのなかでも、コメディ要素が強いことが特徴だ。また、劇中ではルパンがカツラを外して、小型のボンベを取り出すという衝撃的なシーンも。
■『くたばれ!ノストラダムス』/2代目ルパン声優のデビュー作!
1999年7月に人類が滅亡すると予言し、社会現象を巻き起こした『ノストラダムスの大予言』。1995年4月22日に公開された劇場第5作『くたばれ!ノストラダムス』では、そんなノストラダムスの予言書が物語のキーアイテムとして登場する。
ルパンは旅客機のハイジャック事件に巻き込まれたことをきっかけに、ノストラダムスの失われた予言書を巡る争奪戦に加わることとなる。ノストラダムス教団に囚われた峰不二子と旅客機で出会った幼い少女ジュリア救出に奔走するなど、ヒーローとしてのルパンの一面が色濃く描かれた。
この映画からルパンの声優が長年ルパンを演じていた山田康雄から、ルパンのモノマネを披露していた栗田貫一に代替わりしたため、シリーズの大きな転換点という意味でも興味深い作品だ。
■『DEAD OR ALIVE』/ルパンのハードボイルドな魅力が爆発!
翌1996年4月20日に公開された第6作『DEAD OR ALIVE』では、原作者であるモンキー・パンチが初めてメガホンをとった。
“首狩り将軍”と恐れられている独裁者に支配されたズフ共和国。その前国王が莫大な財産を隠した“漂流島”に潜入したルパン一味は、命懸けの死闘に身を投じることとなる。
原作者自らが監督するということもあって、原点回帰が強く意識されていたこの映画。そのため、原作のテイストに近いキャラクターデザインに、巧みな変装術を披露するルパンや知略に長けた一面を見せる銭形といった人物描写、ダークな色味の映像など、従来のアニメルパンとはひと味違った見所に溢れた作品となっているのだ。