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カラフルなブロックを組み合わせ、家や車などを作ることができる『LEGOブロック』。幼少の頃に遊んだ思い出がある人も多いのではないでしょうか。そんな『LEGOブロック』の歴史を振り返ると、父と息子が二人三脚で歩んだ長い道のりがありました。
■苦悩と再起の47年間! 初代『LEGOブロック』が誕生するまでの長い道のり
LEGOの創業者・オーレ・キアク・クリスチャンセンはデンマークの大工であり家具職人でした。オーレは1916年に作った木工所で、地元の人たちに向けて家や家具を作り、販売して生計を立てて暮らしていました。
しかし1924年、木工所を火事によって焼失。それでもオーレはさらに大きな工房を建てて再出発しますが、1929年には世界恐慌に見舞われ、景気が悪くなったことで大工の仕事は激減。オーレは生活雑貨づくりに舵を切りました。
そんなある日、余った木材を利用しておもちゃを作って販売してみたところ、想像以上によく売れたことで、木製玩具の製造を開始。1930年頃のヨーヨーブームを追い風に、仕事は一時的に忙しくなりましたが、流行が過ぎ去るとまた経営が苦しくなっていきました。
苦境続く1934年にオーレは社名を「LEGO」に改めます。「LEGO」とは、デンマーク語で“よく遊べ”を意味する「Leg Godt」をヒントに編み出した造語です。この頃になると、技術の専門学校でスキルを身につけ、父の事業を手伝っていたオーレの三男・ゴッドフレッドが玩具のデザインを担当するようになります。
1947年、オーレは大胆な行動に出ました。プラスチックを製造する高価な機械をイギリスから買い付けてきたのです。オーレは他社のブロックを参考にしながら、独自に試行を重ね、ついに連結式のブロックの製造に成功。1949年に発売されたこのブロックはのちに『LEGOブロック』と名付けられました。しかし、当時は積み木のようにブロックを“乗せる”ことができるだけで、現在の『LEGOブロック』のように固く連結するものではありませんでした。
■父の思いを息子が受け継ぐ……! 『LEGOブロック』は世界中で遊ばれるおもちゃに
『LEGOブロック』が発売された直後は人々からの理解が得られず、売れ行きが伸び悩みました。しかし、「LEGO」社はプラスチック製ブロックの可能性を信じ改良を重ねます。そして1958年、現在と同じ形の『LEGOブロック』がついに完成しました。
同年、オーレは亡くなり息子のゴッドフレッドが会社を継承。1960年にまたも倉庫が火事に見舞われ、木材玩具の在庫がほとんど焼失するもブロックの製造機は無事でした。これを機に同社はプラスチック製の『LEGOブロック』の開発に本腰を入れていくことになります。
1961年から1962年には、『LEGOブロック』に組み合わせることができる部品として“タイヤ”が登場。この頃にはすでに、50以上のセットが完成していたそうです。そして、1966年に発売した“トレインシステム”はこれまでに最も成功したシリーズのうちのひとつとなりました。
1968年にはビルンに「レゴランド」がオープン。初年度だけでも62万人の来場者を迎えました。そして、1978年にはおなじみの人形『ミニフィグ』が登場し、大ブームとなりました。こうして「LEGO」社の経営はやっと軌道に乗ったのです。
--それから50年以上が経過した現在も「LEGO」は子供達の好奇心を刺激するブロックを作りつづけています。創業から104年。製品や会社のトップが変わっても、熱意は冷めることなく受け継がれているのですね。