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『機動戦士ガンダム』シリーズは過酷な戦場が舞台ゆえに、かなり不幸だったり悲惨な目に遭ったりするキャラクターが数多く登場している。今回は、なかでもファンにインパクトを残した“不憫キャラ”を紹介したい。
■ミハル・ラトキエ:戦争の無情さを体現したファーストガンダム屈指の不憫キャラ
まずは、『機動戦士ガンダム』に登場するミハル・ラトキエだ。物語中盤に登場したミハルは、ベルファストの連邦軍基地の周辺に住む、おそらく戦災孤児とみられる兄弟姉妹の長女であり、女手一つで小さな弟と妹の面倒をみている。
現地に潜入しているジオン軍のためにスパイ活動もしていたミハルは、ホワイトベースの連邦軍編入に反発して船を出たカイ・シデンと出会い、スパイ活動に彼を利用するのだった。しかし次第にカイと心を通わせ、カイやホワイトベースのクルーにした行いを後悔するようになる。
その後ミハルは、贖罪のためにカイとともにミサイルを積んだ輸送機、ガンペリーに搭乗し、ホワイトベースを狙うジオン軍と交戦。しかしその最中、ミサイル発射時の爆風をもろに受け、太平洋上に投げ出されて落命…。カイ、そして視聴者の心に大きな傷を残したのであった…。
■バーナード・ワイズマン:コロニーを守るために決死の戦闘に挑んだジオン新兵
次はOVA『機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争』のメインキャラクターである、ジオン軍人の青年、“バーニィ”ことバーナード・ワイズマンだ。涙腺崩壊の名作と名高い本作で、バーニィは戦争の悲劇を体現している。
高校卒業後すぐにジオン軍に徴兵されたバーニィ。潜入したリボーコロニーで、連邦軍の新型モビルスーツ「ガンダムNT-1」の搬入を目撃し、その後、その奪取を目的とする特殊部隊サイクロプス隊に編入。リボーコロニーでの情報収拾の任務に就くことになり、そのなかでバーニィに憧れる少年アルや、アルの近所に住む女性クリスチーナと交流を深めていく。
しかし、サイクロプス隊の作戦失敗により、自軍がコロニーへの核攻撃を画策していることを知ったバーニィは、アルやクリスチーナを守るために「ザクⅡ改」で単身決闘に挑むのだった。だが、核攻撃隊が連邦軍に投降しもう戦わなくていいこと、そして「ガンダムNT-1」のパイロットがクリスチーナであったことを知らなかった彼は、「ガンダムNT-1」との激戦の末敗れ、アルの目の前で散っていったのだ。
■サイ・アーガイル:これもある意味戦争の被害者…主人公に許嫁を寝取られた男
最後は、『機動戦士ガンダムSEED』に登場するサイ・アーガイルだ。同作の主人公であるキラ・ヤマトの親友だったサイは、キラともにザフト軍によるガンダム強奪作戦に巻き込まれ、強襲機動特装艦アークエンジェルのクルーになった。
通信周りを受け持つCIC担当として戦場を生き抜いていたサイだが、あまりにも無情な展開が彼に待ち受けていたのである。サイにはフレイ・アルスターという小悪魔系美少女の許嫁がいるのだが、彼女はザフト軍の攻撃で両親を亡くしてしまう。
精神を病んだフレイは、パイロットとして非凡な才能を持つキラを誘惑し肉体関係を結んでしまう。彼女はキラを使ったザフト軍への復讐に取りつかれ、許嫁のサイは何もしていないのに疎まれるように…。挙句、サイはフレイ自身から浮気を告白されたうえ、寝取ったキラ(もう一度言いますが主人公)に腕を捻りあげられ、「やめてよね。本気でケンカしたら、サイが僕に敵うはずないだろ」という、残酷極まりないセリフを吐かれてしまうのだった。