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新日本プロレスの創始者で元参院議員のアントニオ猪木氏(77)が4月27日、自身のツイッターを更新。新型コロナショックによる外出自粛要請のなか、営業を続け問題となっているパチンコ店について
出る杭は打たれる
出る枝は切られる
出るパチンコ屋は閉めさせられる。 pic.twitter.com/lD24yOEhzZ
—アントニオ猪木 (@Inoki_Kanji) 2020年4月26日
……とコメントした。はたして「営業を続け問題となっているパチンコ店」をチクリ批判しているのか? それとも擁護しているのかさえ、よくわからない謎のツイートである。批判しているわけでもなく擁護しているわけでもなく、俗界の諸行無常を仏の高見から淡々とつづる修行僧のような、達観の説法も聞こえる。同ツイートには
「猪木さん、不要不急の中、外出する人に卍固めを!」
「面白いけど、今は笑えないです」
……ほか、さまざまな声が集まっている……そうだが、私は「批難or擁護?」どころか「コレが面白いのか、面白くないのか?」すら判断できないのが正直なところだったりする。とりあえずは、過去の猪木の名言(迷言)をいくつか以下にピックアップし、それらと比較しつつ「面白いor面白くない」の観点のみから“猪木の最新作”について分析を試みてみよう。
「どん底に耐えられれば、裸になることができる」
「私は自分に言い聞かせた、日ごろ裸になれといっているが、今お前はできるか? 私はやった」
「字くらい読めるわなあ。知らねえ漢字はたくさんあるけどさ」
「猪木が笑えば世界が笑う」
「今、俺は人生のホームレスをやっております」
「お前ら、今日のところは見殺しておいてやる」
「落ちたら、また這い上がってくればいいだけのこと」
「死ぬエネルギーがあるくらいだったら、まだまだ生きられると思った」
「どうってことはない。負けたと思ってないんだから」
「裸」「ホームレス」「見殺しておいてやる」……と、味わい深いパワーワードも散見されるが、基本は「一見はド直球型…だが、よくよく噛み砕いてみるとわりと支離滅裂なことも…なくはないけど、なんとなく勇気をいただけた気分にはなってしまう」のが猪木語録の傾向であり、また醍醐味だと言えよう。今回の「出るパチンコ屋は閉めさせられる」は“往年の勢い”こそ感じられないものの、我々が普通に抱く「?」マークを「(辛うじて)ねじ伏せている」という意味では「猪木節いまだ健在」と評してもかまわない、佳作の出来なのではなかろうか。
ところで、この猪木ツイートを報じていた某スポーツ新聞系の記事下にあるヤフコメ欄を眺めていると、その大半が「自粛をしないパチンコ店とパチンコ客」を糾弾する内容で占められていた。ここはそういうことを語る場ではなく、願わくば「アントニオ猪木作の散文詩(?)を純粋に論評すること」、せめては「猪木発言の是非を問うこと」に終始してもらいたかった。パチンコを思う存分批判できるニュースは今のご時世、ほかにもなんぼだってあるのだから……。