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カレーのパートナーとして、日本でもすっかり定着したナン。インドから来た食べ物というイメージですが……実はその存在を知らないインド人は多いのだとか。そこで今回は、この意外な事実について調べてみました。
■日本のナンは独自進化している…!?
インド料理店に入ってカレーを注文すると、銀色の皿に収まらないほど大きなナンが運ばれてくることって多いですよね。実はコレ、本場・インドではポピュラーなものではないそうです。
そもそもナンは、北インドやパキスタンの一部では一般的な食べ物ですが、他の地域では高級なレストランで見かける程度なのだそう。南インドでは、「ドーサ」という鉄板で焼いたクレープやライスが主食として食べられているようです。
また、本来のナンはお皿よりも一回りサイズが小ぶりで、円形をしているそう。日本に来たインド人が、提供されている大きなナンを見て、驚くこともあるんだとか。なかには「日本で初めてナンを見た」というインド人も少なくないそうですよ。
■ナン普及のカギを握っていた国は?
もちろん北インドではナンが主食ですし、食べられていること自体はおかしなことではありません。しかし、インド料理は地域によってさまざまに分かれるにもかかわらず、その一部でしかない北インド料理の様式が、なぜ日本国内で飛び抜けて浸透していて、さらに独自進化しているのでしょうか。
これに大きな役割を果たしたと考えられる国がイギリス。インドを植民地としていたことから、イギリスにはインド料理の美味しさを知る人が多かったのです。彼らに向けて開かれたインド料理レストランが、ヨーロッパで主食として食べられているパンに似ているということで、北インド料理であるナンを提供し、それが定着していったのだとか。
こうしてイギリスで育まれたインド料理店のスタイルは、日本にも輸入されることに。するとこれが日本人の口にも合ったようで、大評判となったことから、インド料理店といえばナンといっても過言ではないほど広まっていったそうです。
■ナン巨大化はネパール人のおかげ!?
こうした経緯を辿り、日本全国のインド料理店で提供されるようになったナン。その巨大化に一役買ったと考えられるのが、ネパール人の存在です。
国内では、インド料理店をネパール人が経営していることが多く、近年では、インド人経営のインド料理店を凌ぐ数があると言われているそうです。ネパール人におけるインド料理は、あくまでも他国の食べ物。良い意味で思い入れがないからこそ、大胆な工夫ができたのではないかと考えられるそうです。
また、大きなナンを喜ぶ日本人客のために、各インド料理店が競うように生地を伸ばしていったという側面もあるようです。私たちの嗜好に合わせて、インド人もビックリの大きなナンが出来上がっていったのですね。